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連載中 長編 現代世界 / ホラー

臥卵 産まれておりながら、まだ胚の形をしている

イラスト:八田柳懐
公開日時:2020年9月20日(日) 23:38更新日時:2023年9月26日(火) 23:18
話数:70文字数:196,743
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1824
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980.6
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24
レビュー
2
作品評価
9.1
わたしの評価

あらすじ

 主人公の官能小説作家が、ある連続殺人鬼の自白と引き換えに彼の犯行を怪奇小説にして書くお話です。

 

 話の運びには一人称視点を用いており、読者は主人公である作家の非人間的な思考を足掛かりにして事件を追っていく事になります。

 

 私は怪奇小説を書く官能小説作家。

 情動情欲を紙に書き散らす色情狂。

 ハリボテ賢人劇場裡の人間役者。

 サア。今一度、悔い改めたまえ。

 老いて死に行く事が、人生の本質なのか。

 紙面から、人間性を暴き出すのだ。

 

「失敬。先生がまるで生きた蟻塚を覗き込むように見るものですから」

 

《注意・免責事項》

・この作品には、精神的嫌悪感を与える描写が多数含まれています。

・本作はフィクションです。登場する人物・団体等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

・作品の都合上、一部に差別的表現がございます。性差別などの表現が含まれますので、これからご覧になられる読者の方々はくれぐれもご留意ください。

・本作には流血表現がございます。上記同様に、そういった過激な描写が苦手な方はご注意ください。

・本作はいかなる自殺行為を肯定および助長するものではありません。

・本作は特定の思想、信条を肯定するものではありません。

・本作はいかなる性的暴行・殺人・窃盗等の犯罪行為を肯定および助長するものではありません。

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全てのレビュー

天方セキト
天方セキト 投稿日:9月30日

 この作品はホラーです。そう、ホラー。日本特有のジワジワくるような……「え? くるよね? くるよね? 来てるよね? あ……こない」といったドキドキも味わえる作品です。

 

 主人公は官能小説書きということで少しエロな描写もあることながら……作品にいい味を出してます。時代は今よりも少し古い世代向けで服装も和服のイメージがつきやすいです。

 

 個人的にこの物語を推せるポイントはキャラのセリフ。歴史的な口調で喋るキャラがもう好きすぎて仕方がない! 基本は三人称なのでキャラのセリフって流れがちですがこのホラーはやけに頭に残るような台詞を連発するので読むたびに引き込まれていきます。

 

 日本特有のジワジワくる陰湿ホラー、皆さんも味わってはいかがでしょう? オススメシチュエーションはお風呂上がりです!

1人の読者がこれを役に立ったと思っています
退会したユーザー ?
退会したユーザー 投稿日:9月29日

 人の薄暗い本能的な面をむりやりえぐり出されて、主人公と読者とを1つの存在にしてしまう文章。没入感、感情移入などでは表し切れません。

 

 私は主人公のような作家でも孤児院育ちでもありませんが、読み進めていくうちに「実は私はこのような人間なのでは……?」と錯覚してしまいました。

 この小説は容赦なく読者の魂を上書きしに掛かってきます。

 

 主人公の思考が、常に犯罪衝動や恐怖心などと隣合わせになっているのも魅力的です。一歩踏み出せば圧倒的な快楽に包まれるという誘惑を前にして、読んでいる私でさえも「なにか私は良くない事をしているのでは……」という背徳感に襲われます。

 

 作者さんはSNSなどでこの作品を宣伝する際に「心が穏やかな時に読んでください。精神的に不安定な方は読まないでください」と仰っていますが、まさにその通りだと思います。

 この小説の文章は生きています。血が通っています。気を抜けば魂ごと喰われてしまうでしょう。

5人の読者がこれを役に立ったと思っています