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完結済 短編 現代世界 / 日常

ある相場師の手記

イラスト:全力さんと僕です。
公開日時:2020年10月18日(日) 02:43更新日時:2020年10月23日(金) 17:40
話数:19文字数:49,066
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作品評価
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わたしの評価

あらすじ

 この手記の筆者も、この手記そのものも、むろん架空のものである。にもかかわらず、昨今の創作界隈を見てみると、このような人物は、今の社会に存在しうるのみならず、むしろ存在するのが当然なようにも思える。

 

 僕は、いわゆる拗(こじ)らせた人間の持つ性格の一つを、皆さんの面前へ引きだしてみようと思った。それは今だに、株クラスタや、創作界隈の人間によくみられる、典型的な人物像であるとすら言えると思うからだ。

 

『相場師の手記』と題する最初の断章において、彼は自分の主義主張を述べ、自分のような人物が現われた理由、否、現れなければならなかった理由について、説明しようと欲している。そして、次の断章においては、彼の妄想が生み出したある少女について叙述した、本当の『手記』が始まるのである。

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きよ
きよ 投稿日:7月22日

この作品は、他の伊集院アケミ作品とは性格が異なる。読んでみて意外性を強く感じた。

 

小説というよりも、エッセイに近い。それと、内容を咀嚼するのに労力が要る。時間と心の余裕がある時にじっくり読むことをお勧めする。

 

第一章は作者自身の内省、第二章は作者の人間観が描かれている。どちらも、ある種グロテスクなほど在りのままに、率直な表現で語られている。「ぶちまける」と言う方が適しているかもしれない。

 

圧巻なのは第8話。「この絶望の中にこそ、選ばれしものの恍惚と苦悩が表現される」ここに色々な思いが凝縮されていると感じた。作者が、作家としての自分自身に向き合い、その苦悩を昇華してこそ書ける文章だと思う。

 

この作品は、作者が、底の底まで人間を自覚し尽くそうとした結果、生まれたのだと思う。読み手も、相応の覚悟を持って読まなければならない。そう思わされる作品だった。

 

まだ消化しきれていない部分もあるので、何度か読み直そうと思う。この連休中、デジタルデトックスはできそうにない。

1人の読者がこれを役に立ったと思っています

このレビューにはネタバレがあります。

退会したユーザー ?
退会したユーザー 投稿日:6月26日 更新日:6月26日

第一章読了時レビューです。

 

絶望の最果てに発見する中毒性恍惚感。

それはとても気持ちいい。

歓喜と絶望は双子だから。

そしてその中毒の理由を

作家さんは

ただボンヤリと生きているのが、退屈で堪らなかった。からだ。

と結ぶ。これは…

軽く衝撃でした(作家さんの意図と違う見方をしているかもですが(・_・;)

 

私を含むサイレントマイノリティ達へ向けた偉大なる讃歌。自分に授かったものを極めろ。

自分が惹かれるものから逃げるな。

想像性こそが運命。

運命と共に歩め

(オリジナリティを手放すな。

評価や常識や識者の方法論の中に真実など無い)

稚拙な言葉ではありますが

私にはこのようなメッセージとして

響きました(妄想)。

 

この作品は本物の作家さんになり得る

あなた様に向けて書かれた

アケミさん渾身の作品です。

この作品があなた様の軌跡となりますよう。

3人の読者がこれを役に立ったと思っています

このレビューにはネタバレがあります。