全てのレビュー
この作品は、他の伊集院アケミ作品とは性格が異なる。読んでみて意外性を強く感じた。
小説というよりも、エッセイに近い。それと、内容を咀嚼するのに労力が要る。時間と心の余裕がある時にじっくり読むことをお勧めする。
第一章は作者自身の内省、第二章は作者の人間観が描かれている。どちらも、ある種グロテスクなほど在りのままに、率直な表現で語られている。「ぶちまける」と言う方が適しているかもしれない。
圧巻なのは第8話。「この絶望の中にこそ、選ばれしものの恍惚と苦悩が表現される」ここに色々な思いが凝縮されていると感じた。作者が、作家としての自分自身に向き合い、その苦悩を昇華してこそ書ける文章だと思う。
この作品は、作者が、底の底まで人間を自覚し尽くそうとした結果、生まれたのだと思う。読み手も、相応の覚悟を持って読まなければならない。そう思わされる作品だった。
まだ消化しきれていない部分もあるので、何度か読み直そうと思う。この連休中、デジタルデトックスはできそうにない。
このレビューにはネタバレがあります。
第一章読了時レビューです。
絶望の最果てに発見する中毒性恍惚感。
それはとても気持ちいい。
歓喜と絶望は双子だから。
そしてその中毒の理由を
作家さんは
↓
ただボンヤリと生きているのが、退屈で堪らなかった。からだ。
↑
と結ぶ。これは…
軽く衝撃でした(作家さんの意図と違う見方をしているかもですが(・_・;)
私を含むサイレントマイノリティ達へ向けた偉大なる讃歌。自分に授かったものを極めろ。
自分が惹かれるものから逃げるな。
想像性こそが運命。
運命と共に歩め
(オリジナリティを手放すな。
評価や常識や識者の方法論の中に真実など無い)
↑
稚拙な言葉ではありますが
私にはこのようなメッセージとして
響きました(妄想)。
この作品は本物の作家さんになり得る
あなた様に向けて書かれた
アケミさん渾身の作品です。
この作品があなた様の軌跡となりますよう。
このレビューにはネタバレがあります。