全てのレビュー
読みました!
全体通してストーリーの流れが分かりやすく、終始読みやすいように書かれているなと感じました。
そんな中でも編集者と小説書きどちらの葛藤も丁寧に描いている印象を受けたのと、ウメに対して様々な小説家の全集をエサにしていた宗次郎が、その小説家を知ったきっかけが実はすべてウメにあるという胸熱に胸熱を重ねたみたいな構図にグッとくるものがありました。
また、物語がどんなものなのかについてココアさんが『祈り』だと言っていましたが、そういった要所要所に灯さんの物語に込める想いが伝わってくる気がしました。
面白かったです!
このレビューにはネタバレがあります。
作家が主人公の小説はよくありますが、編集者が主人公なのは珍しいなと思い、ノベリズム大賞も受賞されたということで読んでみました。
編集者の一人称視点で続いていくのですが、彼の心の声だけではなく一人一人のキャラクターが面白い。癖が強い!
一癖も二癖もある個性豊か(過ぎるほど)なキャラクター造形が見事です。
デビューを果たしたにもかかわらず、何故かその後も伸びない「田中ウメ」の本当の理由とは…?
最後の最後まで読んでもらうと、さらに驚く種明かしが待っています。
胸熱な展開、手に汗握るハラハラ展開はクセになります。
個人的には、一人称の視点対象を途中で変えることなく書ききった手法が勉強になりました。それに作中で頑張っている主人公たちを見ていると、自分も頑張ろうと刺激をくれます。
まだこの作品を読んでいない、読もうか迷っている、そんな方々にこそおすすめしたい!大好きな作品になりました。
さあ、あなたも是非!この作品で脳天を貫かれるほどの刺激を味わってみませんか?