《エレオノーラ・ドーロ・レ・グローリア》
“聖王国カサブランカ”のグローリア公爵令嬢で、神に愛されし聖女である。
聖女であるエレオノーラ
には治せない病気、怪我、呪い等は一切なく、自身の受け持つ神殿にて、人々を日々治し続けているのだ。
そんなエレオノーラは蓋を開けて見れば面倒な事も、煩わしい事も嫌いで、特に役立たずの人間は大嫌い。そして今まで辞めさせた使用人や騎士も数知れずの、悪役令嬢であった。
とは言え、聖女である以上国の重要人物である事に変わりはなく、自由に外出する事も許されず、嫌いな人間との関わり合いを半ば強制され、日毎にストレスを溜め込んでいた。
そんな時にエレオノーラは閃いてしまう。
『遊びに出かけましょう! もう誰もわたくしを止める事はできないわ。いいえ、止めさせない。そう、神に愛されしわたくしは何をしても許されるのですわ!』と。
悪役令嬢エレオノーラの気まぐれピクニックの開幕である。