ホットサンドメーカー・イン・ダンジョン 妹ちゃんは騎士団長を辞めた兄がとても心配です

【出演】

・妹

本編のヒロイン。

魔王進軍による戦災孤児で、兄と一緒に教会で育つ。

神官見習いをしており、初歩的なまじないを使うことが出来る。

ブラコンである。

・兄

ヒロインの兄。

かつて大国の騎士団長をしていたが、つい最近辞職した。

当代最強の剣士として近隣にもその名は轟いている。

【あらすじ】

人界と魔族との果てしない戦いも異界からの冒険者の介入により、佳境を迎えている。

そんな中、さる大国の騎士団長にまで昇りつめたひとりの剣士が職を辞し、異界よりもたらされた万能調理器具ホットサンドメーカーを手に、世界各地のダンジョン巡りを始める。

彼は家畜化されたモンスター「一つ目コウモリ」の映像記録能力を使い、これまた異界人から伝え聞いた職業「動画配信者」にジョブチェンジしていた。

そのことを知った妹は彼の身を案じ、旅に出る。

十数年ぶりに再会した兄は相変わらずイケメンで腕っぷしも強かったが、撮れ高を意識するあまり最愛の妹である彼女を、触手に巻きつかれるように指示するなど、動画配信の鬼になっていたのである。

ダンジョン探索の最中、彼女は兄にどうして騎士を辞めたのかを尋ねた。

彼は言った。

「異界人の戦争介入により、もはや自分が戦う必要はない」と。

その言葉の裏側には、人類共通の敵である魔族が討伐されたあとに来る、人間同士の争いには手を染める気はないという儚い思いがあった。

束の間の平和の時であるいま、彼はやりたいことをやるのだと言う。

妹は呆れながらも、兄の好きなようにさせてやろうと決めた。