世界は時を止める、僕の瞳に宿る君のために。
安全な国だったのは過去の話となった2024年の日本。2021年に失敗に終わった東京オリンピックに代わって、インバウンド需要で経済のV字回復を復活を成し遂げた裏で、日本は治安の悪化に直面する。相次ぐ凶悪犯罪やテロに対処すべく、政府は国民に護身目的での拳銃の所持と使用を認めた。
その引き金となった、2023年8月の東京同時多発テロ事件、通称トーキョーアタックで恋人を失った、フランス系日本人の高校生、宇奈月流雫。銃刀法改正を巡るネットニュースのコメントがきっかけで、流雫と知り合った女子高生、室堂澪。
生きることや死ぬこと、そして人を撃つこと、その残酷な運命に苦悩しながらも、生き延びるために、冷たい引き金を引く。
その第1幕。
人種や国籍を原因とするシステミックレイシズムや宗教問題を扱った、ラノベと呼ぶには重過ぎる問題作。