飲んだくれの男の身体が溶け出した。野次馬はスマホを構え、溶けてスライム状になった男と、男に絡まれていた私を撮る。
飛び掛かって来るスライム男。女子な上に、まだ高校生な私は絶体絶命。
なんて心配、周りは一切しちゃいない。
何せここは、人類史上最悪の犯罪者である魔法使いが、最も現れる危険な街。何が起きても同情はされないし、全ての不幸は見世物だ。
この街の住人である、私も普通とは言い難い。例を一つ挙げるなら、私の生涯目標は殺人だ。
古い友人が魔法使いに襲われ、魔法で姿を変えられてしまったのだ。助けるには、その魔法使いを殺すしか無い。
今日もそいつの手掛かりを探そうと思っていたのに、全く朝からツイてない。一緒に学校行こうって、駅でクラスメートと待ち合わせしてただけじゃないか。
シリアスとギャグの血塗れサンドイッチな、アクションダークファンタジーのはじまりはじまり。
※本作の更新ペースは、月一回に一章分ずつを予定しております。詳細は、活動報告をご覧下さい。