え? パーティに支援魔法をかけまくっていた俺を追放? 〜若くてかわいい有望パーティに拾われたので、今さら戻ってこいと言われても、もう遅い〜

公開日時:2021年4月30日(金) 06:32更新日時:2021年6月10日(木) 21:40
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あらすじ

「役立たずのお前は追放する!」

「そ、そんな……。がんばってきたのに! 考え直してください! ユリウスさん!」

「がんばる? そんなことは当たり前だ! 俺たちは、結果を出さなければならない! お前みたいな無能のDランク支援魔法士をパーティに入れている余裕はないのだ!」

 

 Bランクパーティ”黒き炎”を追放されてしまった、Dランク支援魔法士のロイ。

途方に暮れる彼だったが、彼を拾う者が現れる。

 

「ちょっとそこのお兄さん。パーティメンバーをお探しなのです?」

「あ、ああ。そうだよ。君は?」

「わたしはミーシャというのです。Cランクのレンジャーなのです」

 

 ミーシャに誘われ、ロイは”白き雷光”に加入する。

剣士のニナにも紹介され、初任務へ向かう。

 

「この先にシャドウウルフがいるのです。2頭なのです」

「ふん! 私が蹴散らしてあげるわ!」

「せいっ! ……え? 一撃?」

「さすがはロイさんの支援魔法なのです。お見事なのです」

「ふん! すさまじい支援魔法みたいね」

 

 ロイの規格外の支援魔法に、ミーシャとニナからの評価はうなぎのぼりだ。

一方で、ユリウスたち”黒き炎”は絶不調に陥っていた。

 

「たるんでいるぞ、お前たち! せっかく無能のロイを追放しても、お前たちがしっかりしないと意味がないだろうが!」

「しかしな。ユリウスよ。何だか調子が出ないのである!」

「その通りですね。気候の影響でしょうか。自分も調子が出ません」

「言い訳は見苦しいですわ。コンディションの管理も実力のうちです」

「リサ! お前も人ごとではないだろう! 魔法の威力が落ちていたぞ! もっと気合を入れてもらわなければ困る!」

 

 ”黒き炎”のパーティ内に険悪なムードが流れる。

さらに。

 

「ユリウス! 貴様、何をやっておる! ビッグボアはBランククラスの魔物じゃろう! Aランク間近と言われる貴様らであれば、討伐できない相手ではないはずじゃろう!」

「も、申し訳ございません。ジョネス商会長。俺たち全員の調子が悪く……」

「言い訳をするな! 自身の調子の管理をするのも冒険者の仕事じゃろうが!」

 

 ”黒き炎”の信用も失墜していく。

はたして、ロイたち”白き雷光”と、ユリウスたち”黒き炎”の行くすえはいかに。