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連載中 長編 SF / 日常

麦畑が見える丘で いつかではない「今日」を探しに

公開日時:2023年10月22日(日) 19:09更新日時:2023年10月22日(日) 19:20
話数:3文字数:1,410
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あらすじ

辺境の星、ガルドープに住んでいた少女ミトと老婦アリスは、血の繋がっていない者たちだった。

 

戦争で母を亡くしたミトを引き取ったアリスは、10年間、彼女が独り立ちできるように、「星の子」としての教えを説いていた。

 

いつか、誰もが星を旅立つ日が来る。

 

戦争で焼き尽くされる野原が目の前にあっても、私たちはいつか、星と決別する日が来る。

 

だから畑に野菜や穀物を植えて、雨が降る日を待ちなさい。

 

 

アリスは言うのだった。

 

私たちは誰もが完璧ではないのだと。

 

「言葉」はいずれ形を失い、銀河星雲の星屑の中に消えていく。

 

運命の砂時計はすでに落ち始めている。

 

時間の経過の中で絶えず物事は変化し、昨日まであったものは、流れ星となって消えていく。

 

 

ミトは願っていた。

 

いつか星を旅立つ日が来たとしても、2人で過ごしていた時間が、世界のどこかで残っていくこと。

 

いずれ星と決別する日が来るとしても、アリスに伝えたかった想いが、——「言葉」が、闇の中に閉ざされてしまわないことを。