不思議な夢を見る。
ここではないどこか、異なる世界を私は旅している。
高校で着ているセーラー服姿で、一晩に一つの世界を巡っている。しかも、それが毎晩続くのだ。
夢だというのに、目が覚めてもその内容は驚くほどよく覚えている。ただ、記憶がもつのはせいぜいが数時間。それ以降は、モヤのように夢の内容はかすんで行き、高校へ行く頃にはすっかり忘れてしまっている。
だから、私は高校へ行く前に、夢の内容を原稿用紙一枚に纏めるようになった。
日記のようなものなのだが、これが割と面白い。現実世界には絶対にないような風景や出来事ばかりなのだ。面白くないわけがない。
日記の名前は『千夜一夜夢物語』としてみた。「千夜一夜物語」のように、千個も夢が集まれば素敵だなと思ったからだ。
本当にそれだけ集まるのかどうかは、ちょっと自信がないけれど。
※カバーイラストはあままつ様(https://ama-mt.tumblr.com/)のフリーアイコンを使用しています。