駄菓子屋さんでキンキンに冷えた瓶ラムネを買った。蓋を開けるとポンと音がして、中から泡ではなく星が飛び出して来た。
咄嗟に口を瓶に近付けて、星を口の中に入れる。トン、と固い感触がしたかと思うと、金平糖のような味が広がった。けれど、それはすぐにラムネの味に変わり、気付けば私はゴクゴクとラムネを飲んでいるのだった。
どこか遠くでリンリンと自転車のベルの音が聞こえる。爽やかな風が辺りを吹き抜けて、私のセーラー服も微かに揺れた。
上を見れば、さっき飛び出して行った星たちが、青空の上を瞬いている。昼間なのに星が見えるなんてラッキーと思った。
もっと星を多くしたいなと思って、まだ残っているラムネをフルフルと振ってみたけれど、微かに虹色の輝きが瓶のなかで弾けるものの、どうしても星は飛び出して来なかった。
きっと初速が大事なんだろうなと思いつつ、残りのラムネを飲み干した。
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