千夜一夜夢物語

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第1夜

公開日時: 2021年8月22日(日) 19:00
更新日時: 2021年8月26日(木) 07:10
文字数:387

 草原のど真ん中に立って、大きな天体望遠鏡越し空の様子を眺めている。空には色々なものが見える。虹色に輝く星々や、狼の頭をしたドラゴン、それに空を飛びながら蒼白い炎に包まれている塔のようなものまで、色々なものがごちゃ混ぜになって移動している。

 私は天体望遠鏡を覗きながら、この空の様子を一々観察ノートに書かないといけない。それが仕事なのだ。誰に言われたのかはよく分からないのだけれど、これが終わらないと遅めの夕飯が食べれないので、とりあえず必死になって観察ノートに見えているものを全部書き留めている。

 どうしてこんな仕事をする羽目に陥ったのかはよく分からない。ただ、夜空を見上げてとても綺麗だなぁと呟いたがために、こんな仕事をさせられているという記憶が微かにある。とても大事な仕事だと自分の中では認識しているのだけれど、そんな大切な仕事を私なんかに任せていいのかなと少し不安になる。

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