高校生家政夫の俺がチートなロリっ子たちに囲まれちゃってました。

矢田あい
矢田あい

第7話 第一の事件! 高等部生徒会長豊園尚子

公開日時: 2020年9月3日(木) 18:05
文字数:1,482

◾隆臣


 高等部生徒会室の前に到着した。俺はエースに第九感を発動させ、身なりを整えてからドアをノックする。


「失礼します」


 俺が先頭で部屋の中に入る。

 室内は落ち着いた雰囲気できれいに片付いており、生徒会執行部の役員たちが談笑しながらUNOを楽しんでいた。

 もちろんその輪の中には豊園尚子もいる。


「会長、ちょっと話があるんだが」


「私に話?」


 尚子の顔はたいへん整っていて、極めて起伏に富んだモデル体型で、高等部のミスコンで優勝するほどの美貌を持ち主だ。


「うむ。ではこちらの部屋に来てくれ」


 尚子は俺らを隣の部屋へ誘導し、ソファに座らせる。

 そのときエースはこくりと頷いた。ガイストが霊魂の状態で尚子の体内に潜んでいるという合図である。


「それで、要件は何だ?」


 尚子も一人掛け用のソファに腰を下ろし、足を組んだ。

 学園の女子全員に足組む禁止令出して欲しいぜまったく。ミニスカのくせに足組んだら色々とやばいだろ! そんくらいわかれよな。

 それはさておき、俺は真面目に、


「単刀直入に聞くぞ。会長、お前は――」


 と、そのとき、


「失礼します」


 風紀委員の文字が印刷された緑の腕章をつけた高等部の女生徒――朝、奏にアンナと呼ばれていた赤髪長髪の生徒が部屋に入ってきた。なかなかの美人だな。

そして、


「こちらに三鷹凛とガイストのジョーカーがいると聞いてきたんですが……」


 と、尚子に尋ねる。


「アンナか。そこの2人だ」


 尚子の言葉に、アンナと呼ばれた風紀委員は、


「では2人、台東区長の秋葉(あきは)智成(ともなり)様が初等部生徒会室にいらっしゃっている。早急に初等部へ戻ってもらいたいんだが……」


「え? それ明日ですよね?」


 と、凛。


「区長のご要望で今日に変更になった」


「そんな。どうしましょう隆臣」


 凛は困った顔で俺の顔を見上げてきた。


「行ってこい。区長を待たせするわけにはいかないだろ」


 俺はそう答える。

 すると凛とジョーカーは頷き合い、アンナとともに部屋を後にした。

 面会室では俺とエースと尚子だけが残される。気まずい沈黙が流れる。

 そんな雰囲気を破ったのは尚子だった。


「品川隆臣とガイストのエースとか言ったな? 何の目的で私に会いに来たのか聞いてもいいか? あいにくこの後6時から忙しくてね。あの2人なしでも進められる話はしておきたいんだが」


 立ち上がって窓の方まで歩きながらそう提案してくる。


「それともこの4人で話すと、何かまずいことでもあるのか?」


「「ッ!」」


 尚子は口の端を三日月のように吊り上げて言った。

こいつ……やっぱり気づいていたのか!

 俺とエースは同時に立ち上がった。


「エース、貴様見ているな? その目で――第九感で私たちを見ているな?」


 尚子がそう言うと、その背後から初等部の制服を着た、深紅の瞳とショートボブが印象的な少女が徐々に実体化して現れる。


「わたしはハート! 尚子のガイスト」


 少女はスタッと地面に降りたってそう名乗った。目がくりくりまん丸くて、長いまつ毛が女の子らしくてとてもかわいい。肩からはかわいらしいハートのポシェットを下げている。


「やるなら乗るぞ? 私を殺しに来たんだろ?」


「殺しに来たわけではない。どうしてあんなことをしたのか、その理由と目的を知りたいんだ」


 尚子は俺の言葉を鼻で笑い、


「殺されたいのか? 私たちなら貴様らなんてたやすく殺せるぞ? 簡単に、そこらのゴキブリのように、あっさりと、息を吸うように」


 と言った。

 エースは畏怖して一歩後退する。


「まぁ、今のは冗談だ。こんなところで戦えば学校がめちゃくちゃになるからな」


 尚子は気味悪くにっこり笑って、


「少し散歩でもしないか?」


 To be continued!⇒

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