ライヒシュタット公・カミーユは二十歳になったばかりの『女王』であった。父のレオニダス二世が六年前に急死した時、わずか一四歳で、皇帝直轄領の約二割を占めるライヒシュタット公国の大封を継いだのである。
大陸統一戦争の最終戦であるヴァイマールの戦いで、彼女は見事、敵将プリンツ・オイゲンの軍を撃破し上皇レオニダス一世の命を救うが、敗北を糊塗したい上皇の叱責により、逆上する。その後も彼女は、戦場で勲一等の武勲を上げ続けるが、上皇との確執は続くのであった。