それまでオレは、神さまの存在すら信じてなかった。
悪魔と出会って契約を交わしたときに、初めて、天国の存在も信じるようになった。
悪魔の手に堕ちた瞬間に神さまへの信心が芽生えたってわけ。
それこそ皮肉なパラドックスだけど。
どっちにしろ、
オレの家族に残忍な末路を与えた無慈悲な神さまなんかより、
オレの汚れた魂ごときで復讐を誓ってくれる悪魔の方が、よほど慈悲深くて寛大だ。
父親と兄弟を惨殺された青年が、赤い髪の悪魔の導きで、「死刑にされない死刑囚」への復讐に挑むが……
耽美で退廃的なダークファンタジー