田舎の村出身で何よりも食欲を優先させる料理人、ケイル。
そんな彼が成人した時に授けられたスキルは【悪食】。戦闘の役には全く立たないそのスキルを周りの人間はハズレスキルだとはやし立てたが、ケイルは逆にそれを喜んだ。
なぜならそのスキルによって――
「魔物が……喰える……だと?」
ケイルは調理器具を背負うとまだ見ぬ食材(魔物)を求めて、スキルを持たない無能力者である天才美少女剣士スズカと共に旅に出た。
「スライムは揚げるのも最高だな……うん? スキル【酸】ゲット? いらないなあ」
「ボーンイーグルで取った出汁は染みる……お、スキル【アンデッド召喚】か! 出汁取り放題じゃないか!」
「ドラゴンは活け作りにして……スキル【竜化】か……流石に自分を食べるのはな」
スキル【悪食】の効果で魔物のスキルをどんどん手に入れていくケイルは、更にスキルを付与できる能力も手に入れて、スズカと共に人知れず世界最強の人間になっていく。しかし本人は無自覚のままひたすら魔物を喰らっていくのであった。
後に魔物達から、【暴食のソウルイーター】と恐れられた料理人の、冒険とグルメの旅が今始まる。