【第一回ノベリズム大賞受賞作品】
――1894年、大英帝国・倫敦
イーストエンドで占い師をして生計を立てていた少女、メアリ・ジズ。
とある貴婦人から悩みを告白されたメアリは、それがきっかけで謎の組織に命を狙われる。
救いを求めて飛び込んだ教会にいたのは『教授』と名乗る老紳士。
そして彼の助手だという、不思議な目をした青年ウィリアムだった――。
※しばらくは週一回、土曜日・21時頃に更新します。
文章の美しさに圧倒され、次にとても高負荷であったはずの時代考証と設定の精密な一致と、豊富に過ぎる語彙。それらを多彩な一枚の物語として織り出されたこの物語は、ここ三十年の間に失われていた、そして現れるべき『失われたファンタジー』の答えの一つだと思います。
この作品が読める事も嬉しいですが、契約作品となり、そして好きなだけ応援できるこの環境もとても嬉しく思っています。何しろ、無料で読み続けるにはとても気が引けていましたから。
圧倒的に完成度の高い何かは、問答無用で受け取り手の心を静めます。この作品はまさにそのような小説と言えるでしょう。書き手としては良い意味で打ちひしがれつつ、一読者として深く楽しめるこの物語は、このサイトに訪れたなら読まなくては損だと思います。
是非ご一読を!