とある占星術師の所感

霊感持ちでもスピ系ビジネス出来ませんけど何か?
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霊感を持つ私が霊能者として生きていかない理由

公開日時: 2022年6月16日(木) 15:21
文字数:3,966

※スピリチュアル・オカルト好きな方たちには気分を害する内容かもしれません…私の実体験からの所感なのでご容赦ください。


 プロフィールには書いていませんが、私は占星術の知識があるだけでなく、ヒーリングやチャネリングも出来るのですよ、一応。自慢だと受け取られたくないのですが(いや、本当に...汗)、プロの霊能者として生活している人たちに一目置かれるくらいの能力はあるのです。

でもそれを全面に押し出していきたくはないのですね。それは何故かという話を書いていきたいなと。(需要があるのかは分からないが)

"とある個人の所感"だと思って読んで頂けたら。

 

 

■霊感の有無よりも、その人の思想・人格の方が大事だから

 

 霊的感覚が本物であったとしても、結果的に間違った行動を取ってしまう人って歴史的に後を絶たないじゃないですか。日本で生活している人々が、宗教的な習慣に対して普段から抵抗がなくても(神社参拝やお盆とか)、本格的に宗教を信仰する人が少ないのは、国家が1つの宗教を強制し続けた結果、戦争に突入してしまった例があるからですよね。歴史を知らない人でも何となく「宗教って何だかなぁ」と思う人が多いのは、無意識下で「その失敗を繰り返すのはうんざり」だと今のところ思っている人が多いからですよ。

宗教と霊感に相関関係はないのですが、私の中では似たようなことなのです。


 例えば、チャネリングで

 

「これから日本は大変苦しい思いをするだろう」

 

と降りてきたとしましょう。そのメッセージを伝えてきた霊的存在が本当にいたと仮定して、チャネラーの力も本物だったとします。基本的にチャネリングの内容というのは具体性がありません。(その理由は後述します)結局その曖昧なメッセージを噛み砕くためには、チャネラー自身の実体験や知識、普段の思想から組み立てていくしかないのです。

Aさんはそのメッセージを受け取って、実体験や知識から

 

「今の働き方を考え直そう、もっと多様性を尊重しよう」

 

と言うのに対して、Bさんは

 

「やはり今こそ"日本民族"が立ち上がるべきである!"日本民族の霊性が高い"ということを世界に知らしめようではないか!」

 

と言うかも知れません。

で、今のところ純粋に人々はBさんの強い発言を信じてしまう人が多かったりするのです。Aさんの発言は、別に霊感がなくても誰でも言いそうなことですから。けれども、"虫の知らせ"なんかがあるように、能力の高い低いはあれど、チャネリングをすること自体は誰にでも出来ます。


 冷蔵庫を開けて、残っている食材から晩御飯の献立を思いついたり、ミュージシャンがふとした時に何かフレーズを思いついたりするのと、占い師がホロスコープやタロットを見て、何か感じ取るものがあったりするのは根本的には同じ原理です。

しかし晩御飯の献立を思いついても、料理が上手かどうかは別の話ですし、フレーズを思いついてもその曲が売れるかどうかは別の話ですよね。占いが当たるかどうかも別の話です。


 結局のところ、チャネリングの素質があってもそのメッセージをどう活かすかは別の話ですし、せっかく活かすのであれば、実社会で生きていくのに実用性があった方が評価も良いはずですよね。

けれども不思議なことに、スピリチュアルや霊感の類の話になると途端にその"境界線"を引けなくなる人が多発するのです。通常のスキルとは別物だと考えている人が圧倒的に多いです。見えない存在を感知出来るのだから、料理と同じにするなと思う人もいるかも知れません、でも私にとっては同じなのです。

 

 

■そもそもチャネリングや予言が"当たる"と何故人は思うのか


 これは先程も書きましたが、基本的にチャネリングメッセージというのは曖昧で凄くボヤっとした表現しか降りてきません。時にはイエス・ノーをはっきり言うこともありますが、メッセージの根拠を具体的に言うことはありません。だから、媒介した人間がある程度補足説明しなければならないのですが、それでも完全に霊視出来る人以外は相談者がどういう状況なのかをある程度は知っておく必要があります。


 受け手である相談者は、恋愛の悩みに対してメッセージが来ることをあらかじめ知っているわけですから、多少曖昧であっても自身で思い当たることを補足して受け取ります。

私はコールドリーディングだと言いたいのではありません。しかし"依頼者の状況"という予備知識は非常に重要です。


 例えば

 

「道が2つに分かたれるだろう」

 

みたいな、メッセージを受け取ったとしても、それが事前に"恋愛"であることが分かっているわけですから、もしかしたら離婚するのかな?というようにチャネラーも依頼者も解釈するわけですよね。

もしこれが"仕事"であったとするなら、事業が分離するのかなとか、副業でもするのかなとか、スカウトを受けてどちらかを選択するのかなとか、色々解釈が発生してきます。

そして実際現実に起きたことを肯定的に当たったと受け止めるのです。短いスパンでそれが起きずに当たらなかったと思っていても、10年後に起きてハッと思い出してもそれは当たったことになります。


 もちろん、全然的外れなメッセージもありますし、予備知識がなくてもピンポイントで当ててくるものもあります。

チャネリングでアクセスする先は千差万別で、依頼者の潜在意識かも知れないし、遠い過去か未来に起こり得ることを時空を超えて蓄えておけるデータベース(アカシックレコードとかゼロポイントフィールドと呼ばれているもの)かも知れないし、それこそ何かしらの霊的存在から直接聞いているものかも知れないし、実際どこなのかは本人の能力や聞きたい問題によると思います。それをコントロールしている人は少ないのではないかと思います。(恐らくコントロール出来ると思っている人は大勢いる)

"見えるタイプ"の人は私の見解と違うかも知れません。私は見えるタイプではなく"聞こえ・感じる(霊聴)タイプ"なので、あくまでスピリチュアルコミュニティに属していた時に感じた違和感を基にしています。

 

 

■チャネリング時に膨大なエネルギー量を消費するのがしんどい


 私にとって1番の理由はこれです。

それはお前が未熟なせいなのでは?と言われれば、否定はしません。現に私は霊感を持つ(もとい、思い出す)際、何か修行をしたわけではありません。そんなことをしようと思ったことすらありません。私の感覚では

 

「もうそれでめちゃくちゃ利用されたし、嫌な思い出しかないし面倒過ぎる」

 

に尽きます。仮に過去世が実在するのだとしたら、私は散々やっていたのではないかなぁと思います。私の中では、思い当たる過去世を思い出しましたが、"事実であった実感"が湧いていないので、事実として断言出来ません。


 実際、私の能力が利用出来ると考えた霊能力者に、その後散々都合良く利用されました。当人は恐らく利用したなんて思っていなくて、「有望だと思ったから育成したのみ」と本気で信じていると思いますけど、私にとっては一方的な搾取でしかありませんでした。

私は育成して欲しいと頼んだ覚えもありません。霊能者曰く

 

「(能力を思い出すのに)ブロックがあるね」

 

と言いましたが、その理由はこういうことなのだと察しました。

話が逸れてしまいましたが、チャネリングをする際に大変だったことは、物凄く疲れるのですよね。ご飯を食べる量や回数も劇的に増えましたし、常時何かしら降りてくるので頭も疲れるし、どれだけ休んでもすぐエネルギーを消耗してダルくなって、その消費するエネルギーと頂ける対価があまりにも割に合わなくてとても辛かったのです。


 私は物凄く燃費が悪い体質なのかも知れませんが、普段思考するだけでもグルグルするタイプなのに、チャネリングをするとそれが一層激しくなるのは本当に辛いです。自我を失う(トランス状態になる)ことはなかったですが、メモリー容量が明らかに足りないスマホを持っているようなものです。1つのアプリを使うだけでも本体が熱くなったりするような。

メッセージに振り回されることも多く、結果的に無視することでスイッチを切る他ありませんでした。他人へのメッセージを降ろすならともかく、自身へのメッセージを降ろすのはオススメしません。


 ですから、これを生業にするのであれば、相当な対価を頂かないとやっていけないと自覚しました。けれども今は、"安く・早く"が占い界隈でもビジネスとして一般的で、日本の経済状況も鑑みれば、占いにお金をかけようと思う人なんて少ないですし、高いお金を払うのであれば、鑑定結果に当然責任はついてきますしね。


 ホロスコープを見ても結果チャネリングをしてしまうのなら、一緒なのでは?と考える方もいるかも知れません。結局、自身の能力への対価を決めるのは自分なので、薄利多売でも売れるためには仕方ないなと思えるかどうかなのでしょう。

私は売れたいわけではなく、本当に必要な人に提供出来る環境であればいいなぁと熟考した結果、数万の単価をつける他なかったのです。そして霊感やチャネリングを全面に押し出していくのはやはりかなりリスキーだなと結論づける他ありませんでした。


 人類は誰もが霊感を多少なりとも持ち得ているものですが、だからといって現実のルール(経済や司法、社会規範など)を無視して生きていけるほど万能なものではありません。もしその能力が大きな力であるなら、大きな責任も伴います。私は様々な経験を経て、実社会で適応させていくのは難しいという判断をしました。

私は代わりに科学が補ってくれるなら、それでいいと思っていますし、科学の発展で説明出来ることが増えれば、そちらの方が逆に生きやすくなるかも知れません。


 感覚が研究や知識を超越出来るなんていうのは、傲慢以外の何者でもありません。私は過ちを繰り返したくないだけで、私が交流したスピリチュアルコミュニティの霊能者たちを反面教師にした結果なのです。

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