《カプト地方、砂漠編》一章、死の荒原
《カプト地方、砂漠編》二章、カルラ・オアシス
「モンスターしか食べるものがないんだけど!」
ピクシーの[リリ]は叫ぶ。
しかし横にいるハイ・オークの少女[ラーナ]はジャイアントスコーピオンの脚をバキバキと齧りながら答えた。
「お金も、ご飯も無いんだからしょうがないじゃん? 美味しいよ?」
「ラーナには、いまさらって感じよね〜、あー牛食べたい! 牛!」
「牛革の革鎧なら探せばあるんじゃない?」
「っあ、それは良いです!」
真顔でラーナを静止したリリは、転移した時のことを思い返した。
―――「今日は積んでるゲームでもやろうかなぁ」
スーツを投げ捨てた百合の目の前が急に真っ暗になった、暗闇の中で響く魔道士のしゃがれた声。その魔道士は説明一つせずに、百合を転移させるのであった。
それでも百合は「異世界ファンタジー、魔法に冒険! ワクワクしてきたわ!」っと気楽に前向きに考えていたのだか―――飛ばされた場所は「水も食料もない砂漠!? しかも体の小さな、ピクシーになってるじゃない!!」
絶望的な状況のなか百合は更なるトラブルに、見舞われる、空腹に倒れ死にかけている少女を見つけたのだ。
助けた少女の名は[ラーナ]ハイ・オークの旅人、少女は亡くなった母の日記を元に旅をしているらしい、運命を感じた百合は[リリ]と名前を変えラーナと共に旅をする。
目的はラーナのお手伝い、そして楽しい旅!
美味しい物を食べ、ファンタジーの綺麗な景色を見てみたい! ついでにあのクソ魔道士も一発ぶん殴ってやらなきゃね!
チートなし! お金もなし! 戦いはしない!
そんな怠惰なピクシー、リリ。
天涯孤独! 戦い大好き! 毒すら食べる!
そんな豪快なオーク、ラーナ。
凸凹コンビはモンスターを狩り、理不尽なファンタジーの世界を、楽しく明るく旅をする。
※この作品は、異世界ファンタジーシェアワールド『テラドラコニス』の世界観を元に書かれています※