妖精を自称する古書店主と大学生の主人公のやりとりから始まる物語。
序盤、「ヴァルダさんって呼んで」「私は伝承者を導く心の妖精」といったヴァルダさんの全開ぶっちぎりの中二病が炸裂。ついには世界を揺るがす陰謀論が展開され、一応話を合わせる主人公(と、たぶん読者)。
陰謀論の元となったある本は盗まれてしまっていたが「犯人は分かっているのです」と冷静なヴァルダさん。そこに一人のお客が現れて...。
前半のギャグパートととも言える掛け合いと、後半から本領発揮のヴァルダさんのギャップが魅力。構成的にも、歴史のうんちくから客との駆け引きまでメリハリがあって飽きさせない。
ぜひ頭を空っぽにして、主人公と一緒に騙されてほしい。
”ヴァルダさんは、本当の事しか言わない”