「感謝するんだな。あの子はお前をずっと看病していた。大事な友達なんだろう?」
…友…達…?
ペルソナと接触したこと。記憶を失っている状況。合点がいくようでいかなかった。…いつ、ペルソナと接触した…?記憶が消えているにしても、俺は何をされた…?世界ではすでに数百体のペルソナが発見されている。危険度はE〜Sに区分され、かつ、その区分の中に数字が組み込まれる。もっともランクが低いEでも、その戦闘能力は計り知れないほど強大なものだ。「災厄」だった。社会の人々にとっては、自然災害そのものだった。アイツらみんな化け物だ。この世界から消し去るべき存在。人間にとっての“敵”。…いや、あらゆる「生物」にとっての——
「そいつは今どこに!?」
「ん?何だ、気になるのか?」
「当たり前じゃないですか!接触したってことは、他にも被害が」
「安心しろ。お前と接触したのは汚染型のペルソナだ。物理的な被害はまだ報告されていない」
「…汚染型!?」
「知らないのか?ペルソナを区分する時、いくつかのカテゴリーに分類される。授業で習っただろう?あぁ、そうか。記憶を無くしていたな」
ペルソナに種類があることは知っていた。ざっくり言えば、
■亜人族
■昆虫
■怪鳥
■吸血鬼
■巨人
■幻獣
■植物モンスター
■精霊
■ドラゴン
■半魚人
■不死族
■魔法生物
■妖精
とか、他にも色々。
問題は、奴らがいくつかの「グループ」に属していることだった。先生が言う“カテゴリー”って言うのは、多分そのことなんじゃないかな。世界防衛機構が運営する『宇宙外生物国際科学研究所』が発表した内容によれば、ペルソナには3つの“生態区分”があるとされている。1つは肉体系(身体系)と呼ばれるもので、主に物理的な特性に優れ、「細胞レベル」と呼ばれる身体的な特異性が備わっている者達のことを指す。2つ目は精神系(神経系)と呼ばれ、人間の心を侵食し、人間の体を媒介して増殖する微生物のことで、「寄生レベル」と呼ばれる特異性を持つ者達を指す。3つ目は特質系(反自然系)と呼ばれ、亜人などの人型の見た目をした知性を持つもので、「知識レベル」と呼ばれる特異性を持つ者達だ。それぞれ独自の指標で危険度が設定されているが、もっとも危険だと目されているのは特質系(反自然系)と呼ばれるペルソナたちであり、人間と同じように“理性”を持っている分、戦略的な対策がより困難になるそうだった。
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