未来で魔法世界と呼ばれる世界。この世界の出来事が、魔法が存在しない世界一の2058年にファンタジーの様な影響を与え同時に混乱を与える。
魔王軍月面基地にある真っ黒な西洋の城。
原始物質と呼ばれてるデータ化する事で原始物質にデータが保存とあらゆる物質に変換出来、三次元世界までも作れるまるで神と呼ばれる程の科学技術を持つ世界から来た少年が3年前に転移してきた。
彼の名前はフェリスゼリオン。
彼は、勇者ゼリオンと呼ばれ世界中を旅をして地球連合と地球連合騎士団を造り魔王軍に戦いを挑んだ。
魔王軍討伐に向かい宇宙船で月まで来たのは、勇者フェリス・ゼリオンと地球連合騎士団団長と7人大天使と呼ばれた歌で相手の心の闇を浄化し戦った騎士と一緒に城に入り魔法の元に
たどり着いた。
不気味な音もない冷たい静寂と心に恐怖が襲いかかってきそうな、綺麗でシンプルな城。
王の間では勇者軍と魔法の戦いに決着が着く所だった。
赤いマントを着て真っ黒い甲冑の男が、膝を付き握り締めた剣を地面に突き刺している。
心臓の鼓動も息も早い。
彼はもうろうとする意識の中で死を悟っていた。
「殺せよ!!・・」
魔王、バルダ・ハーレンスは覚悟を決めて勇者ゼリオンに言葉を投げつけた。
「僕は、3年前バルダ君を転移させようとした。その時にバルダ君は地球人を滅ぼし新たに住もうとするダークエルフ軍に加わり、自暴自棄になり地球を破壊すると言ったよね。」
「それがなんだよ!」
「あの時仲間もいなくて1人だった僕をダークエルフ軍の隊員から護ってくれたんだよね。本当にありがとう!」
勇者ゼリオンは暖かくて優しく今まで話せなかった事を伝えた。
「もう、覚えてねぇよ!もぅ!後戻り出来ねぇんだよ!!」
剣を構え戦おうとするが魔王バルダはまた膝を着いてしまい悔しさと絶望が心を優しく包み込む。
「僕はバルダ君を殺すつもりは無いよ!僕達はバルダ君、君を逮捕するんだ!テロ犯罪組織、魔王軍の王として地球を破壊未遂の容疑で逮捕する!!」
「・・・。お前らは結構誰も殺さない。消さない。これは勇者軍と魔王軍の戦争なんだ!!」
「戦争をしてるのはダークエルフとだよ!!地球人同士が争い殺し合う必要は無い!ダークエルフはテラフォーミングと称して地球人を全て殺し無理やり移住しようとしてきた!!真の敵はあいつらだ!!」
騎士のセフィラム・マリアは、握り締めた刀をデータ化して魔法石に保存すると、バルダに近づいて行く。
「バルダ君。今しか思いを伝えられないから言うね。私達は幼馴染で小さい頃からずっと一緒にいたよね。沢山!沢山!助けてくれて、いつも私の事気遣ってくれて誰よりも優しかったよね。今もね、バルダ君は変わらないの知ってるよ!テロとか、そんな恐ろしい事考えたのもダークエルフが影響してるんだよね。」
「マリア・・・。ごめんなさい。本当にごめんなさい!俺、小さい頃からマリアが好きなんだ!!誰よりも1番大好きで誰よりも世界で1番大切なんだ!!自分の命よりも大切って思う程なんだ・・・」
魔王バルダは静かに涙を流し地面にうずくまった。
彼の心には、後悔と絶望感が心の奥底から溢れ出した。
バルダは逮捕される。最悪死刑だ。それをマリアもバルダも理解している。
結ばれる事の無い2人。
その後逮捕された。
1ヶ月後。地球連合本部のあるハワイ島。
綺麗な砂浜で1人、勇者ゼリオンは海を眺めている。
暫く今まで起きた事に思いを馳せると、地球連合本部と呼ばれている木とレンガでできた、西洋風のお城に戻る。
彼は応接室で、首から下げてるイルカのネックレス型のHPCと呼ばれる小型量子コンピュータを触るとホログラムディスプレイが表示された。HPCを操作して月面の魔王城にテレポートした。
ふと、魔王城の周りを見るとまだ小さいけど植物の芽が生えてる。
思えば、外でも呼吸もできる。
この月は変わろうとしてるのかもしれない。
勇者ゼリオンはゆっくりと王の間に向かう。
「魔王バルダの死刑執行が行われたよ。」
そこにいたのは、セフィラム・マリアだった。
勇者ゼリオンは静かにマリアのそばにいき肩に手を置いた。
自分の刀を抱きしめて王座の前で泣き崩れる。
「ゼリオン。私は来世、高橋美樹と言う日本人になる。ダークエルフと私達と一緒に戦ってくれたホーリーエルフも魔法も存在しない私の来世のいる世界に転移してしまったんだよね」
「そうだよ。エルフ達の母星のエルネアが消えたのと同時に偶然転移してしまったんだ。」
「私は、天使の力が目覚めて、沢山の人々やエルフにあって考え方が変わってきたの。1番大切なのは相手を倒す為の力じゃない。剣技や魔法で相手と戦うのは、1つの手段で出来れば最終手段で優先する手段じゃない。
例え敵だとしても自分にとっての悪だとしても愛を持って接さなきゃいけないの。
相手の立場や気持ちを考えるの。どんな相手にも。
最大限の優しやさ思いやりで接しても、それでも人を殺そうとしたり、世界に害をなすなら、その時は平和と秩序の為に刀を抜かなければならない。
ダークエルフに対しても、ただ憎んではダメ。自分で考え納得する理由の元憎み、憎んだり怒ったり悲しんでる自分自身を認める。
言葉が交わせるなら思いも伝え交わせるはず。」
「そうだね。例え敵でもマリアさんは、愛を持って接してきたもんね。例え愛情が相手に一切伝わらなくてもどんな相手にも心の底からの愛情や優しさを持って接してきた。それは、確かに負の感情を認め相手の事を考え行動した結果だよね。」
「当事者ではなく第三者が裁く決まりは、本当に理にかなってる。感情のままに任せ当事者が相手を捌いたら、負の連鎖が生まれ闇が深くなる。負の感情は、止まることを知らず、深淵(しんえん)に進むだけだから」
「そうだね。きっと高橋美樹さんもその思いにたどり着くと思うんだ。身体は変わっても記憶はなくても、魂は一緒だからね。それに、祠の形したHPCを美樹さんのいる世界に一時的に送って美樹さんに一緒に話したよね。美樹さんも頑張るって言ってくれてるから、それを信じよう。」
「私は、プロゲーマーとか特殊部隊とかボーカルグループとか文化が違いすぎて良く分からない。だけど、私達が目覚めて使ってる天使の力を使って歌で闇の心を浄化して、私の力の相手の強い思いを聞いたり見る力も使って、プロゲーマーの特殊部隊と言う騎士になって平和の為にダークエルフと戦って欲しい。」
マリアは、刀をさやから出すと切っ先を天に向けた。
「美樹ちゃん。後は頼んだよ」
ゼリオンはマリアの覚悟を聞くと、王の間から出ていった。
そして、セフィラム・マリアはダークエルフ壊滅への思いと、幼馴染で愛するバルダへの思いを胸に自身の愛刀で心臓を刺し自ら生涯を閉じた。
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