勇者ゼリオンはHPCを起動し目の前に表示されたホログラムディスプレイを見つめる。
デジタルの時計が時を刻んでいる。
暫く見つめているとディスプレイ越しに白い軍服を着た男性が歩いてくるのが見えた。
「フェリス・ゼリオンさん。マリア様は亡くなられたんですか?」
「ミクリアさん。マリアさんを宇宙船で連れて来てくれてありがとうございます。覚悟をしてたからだとは思いますが、過去の事をほとんど話しませんでした。決意が揺らぐからですよね」
「行きましょう。マリア様の思いを美樹さんに繋げる為に・・・」
「はい」
勇者ゼリオンは扉を開け中に入り横たわるセフィラム・マリアの横に立った。
HPCを操作しマリアをデータ化すると、操作して具現化する。
心臓に刺さっていた刀は鞘(さや)に戻り、身体も綺麗な状態で具現化された。
「あのままにしたく無かったんだ。」
「・・・そうですね。」
ミクリアは優しい表情で答えた。
「マリアさん。今から魂・・・。いや、生命情報体に大天使セフィラムの力を書き込むね。」
青い球体をHPCから具現化すると、真上に投げた。
クルクル回転しながらマリアの周りを周り始める。
力強い光がマリアを包み込み白い翼が左右3枚ずつ計6枚がマリアの背中から出ると、翼は砂の様な小さい光に変わり、上がっていって消えた。
「これで、来世の美樹さんは潜在的に大天使セフィラムの力を持った状態で産まれます。」
「後は美樹さんが自力で天使の力を目覚めさせるんですね。」
ミクリアの言葉にゼリオンは光を見つめながら返した。
「大丈夫です。美樹さんを信じましょう。記憶までは来世に持っていけませんが、僕達の思いは、言葉にしてしっかり美樹さんに伝えてます。美樹さんは頑張ると言ってくれたんです。だから、信じましょう!ダークエルフは必ず倒され美樹さん達の世界は平和になります!大丈夫です!」
魂に刻まれた天使の力は魔法も存在しない世界の日本に住む高橋美樹と言う女の子に引き継がれた。
平和の為に戦い歌う少年少女のプロゲーマー特殊部隊の物語が始まります!
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