燃える。燃える。
1人の少女が、その光景に魅入っている。
「ママ」
返事はない。
「パパ」
鼓膜を震わすのは、ただひたすらに何かが爆ぜる音。
「美月」
鼻腔を襲うのは、淡々とタンパク質が焦げる匂い。
「……どこ?」
あの日から、どうしようもなく久遠凛月(くどおりつき)という人間は壊れてしまった
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