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異端者幻想譚 -ヘレティックファンタジー-

イラスト:てすん様
公開日時:2022年4月24日(日) 13:26更新日時:2022年10月22日(土) 17:00
話数:41文字数:159,223
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作品評価
9.3
わたしの評価

あらすじ

一人の異端者が、いた。

 

片目の色が違う。ただそれだけで不吉と言われ、迫害された少女だ。

 

しかし、彼女は死ねなかった。

 

死にたくて、死にたくて、死にたくても。

 

それでも社会は、彼女を嬲るだけで生かし続けた。

 

 

彼女が目を覚ますと、そこは外だった。

 

獰猛な息吹、迫り来る巨躯。

 

彼女は紙切れのように吹き飛ばされ、ボロ雑巾のように大地に転がった。

 

 

また、目を覚ました。

 

生きていた。

 

不器用な大男が、手を差し出して口を開く。

 

『一緒に来ないか?』

 

彼女は初めて、温かい涙を流した。

 

 

これは、一人の異端者が自身のルーツを探す物語。

 

 

2022/6/11 あらすじを改訂しました。

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堅洲 斗支夜
堅洲 斗支夜 投稿日:11月12日

独特な幻想世界を、一人称の主人公目線で少しずつ知っていく『帰りし物語』。

 人間が必ずしも霊長ではない世界はファンタジーに数多いものの、この世界は多くの存在が意思の疎通が可能であるために、障壁がない分人間やそれ以外の存在の業が浮かび上がりやすい面がある。

 意外に凄惨だったり時に残酷な展開もあるが、柔らかに進んでいく物語は主人公のしなやかな強さをそのまま表現する形になっている。

 確かに『幻想譚』と言える物語なので、ぜひ結末まで追いかけてみて欲しい。