本作はぜひ冒頭だけでなく一気に読んで頂きたい作品です。
冒頭で無残に破壊される幸福と平和。そこから延々と続く絶望の連鎖。
先の見えない闇と諦め、それでも生きるしかない残された人々の戦い。
とにかく序盤は辛い描写が多く、そこで心を折られる人もいるかと思います。
しかし、希望は闇の先に存在しています。小さいですが確かに希望はあるのです。
その希望が形となって見えたとき、全ての絶望と苦痛はいくつもの感情に分岐します。
怒りややるせなさ、悲しみや不安。安堵や喜びなど。
本作を見て感覚を大きく揺さぶられる基点は、かすかな希望が見えたその先にあります。
どうか、作中で必死にもがき続ける残された人々と共に、絶望の先に見える希望に縋って読み進めて見て下さい。
きっとその先に、読んだ人だけがわかる確かな感情があるはずです。
このレビューの時点で物語は完結していませんが、私もその感情を信じて最後まで見届けようと思います。