Veil

共和暦704年 大国との全面戦争終結から約1年。共和国は依然、勝利の栄華を称える讃美歌(こえ)に満ち溢れている。

終戦によるひとときの平和に湧く群衆だったが、共和評議会 愛国機関《ユーロポリス》は次なる戦いに向けて着々と準備を進めているのだった―――。

第104部隊隊長オーゼン・ヨロフスキ少尉(通称"愛国人形(パトリオネット)のオズ")は、共和国最強の兵士にして最大の"愛国主義者"と称されており、自国の発展の為なら命さえも厭わない、と周囲から畏怖されている。

終戦以降の軍備強化のため第104部隊に転入したララ・マードリヒは、オーゼンの付き人として彼女と行動を共にする。彼女の和やかなプライベートや人当たりの好さに驚く中、いよいよ第104部隊に敵国南方ツィオーネ公国との大戦による召集命令が下る。戦地では異名通りの形相を露わにするオーゼン、果たして"愛国主義者共"の戦いに身を投じる者達の生き様やいかに―――。