恋愛映画が終わり、時刻は現在午後五時半。気が付けば飯の用意をする時間だ
「そろそろ飯にしようと思うが、何がいい?」
俺一人なら晩飯のメニューを聞くだなんて事は絶対にしないのだが、何せここには同居人が二人いる。俺の独断と偏見で決めるわけにはいかない。
「アタシは何でもいいわよ? ここに来る前はその日のお夕飯にありつけるかどうかすら危うかったし」
「私もです。零さんと事情は違いますがここに来る前は碌なものを食べてませんでしたから」
何でもいいが一番困る。本来ならそう言うべきなんだろうけど、それ以上に零と闇華さんの食事情を聞いて悲しくなった
「何でもいいが一番困るんだが……食材はたくさんある事だからな。鍋にでもするか」
俺の中では夕飯のメニューに困ったらカレー、シチュー、鍋の三択にする事になっている。だが、今回はご飯を炊くのがめんどくさい、付け合わせを作るのが面倒だという事で鍋にさせてもらおう。鍋だったら昆布でダシとって後は食材を放り込むだけだしな
「「鍋!!」」
「お、おう、嫌だったか?」
鍋と聞いた零と闇華さんが身を乗り出してきた。もしかして鍋嫌いだったか?
「そんな事ないわ! 鍋ね! いいじゃない!」
「そうです! 鍋最高です!」
「そ、そうか、喜んでもらえて何よりだ」
どうやら二人は鍋が嫌だったというわけじゃなく、純粋に喜んでいただけだったみたいだ
メニューが鍋に決まり、俺達はキッチンへ移動した。普通は三人いればキッチンが狭くなるのだが、この部屋のキッチンは言わずもがな。広いのだ。元が元だから広いのは納得なんだけどな
「さて……」
「うん……」
「はい……」
キッチンに移動した俺達は食材も出さず三人で悩む。悩みの種はもちろん今回の鍋を海鮮メインにするか肉メインにするかだ
「今回の鍋だが、海鮮類と肉類、どっちが多い方がいい?」
「アタシは海鮮類ね! お肌にもいいし!」
「私も零さんと同じです! お肉も食べたいですが、美容の事を考えるとお魚が多い方がいいと思います!」
女子としては美容に気を遣うのは当たり前の事なんだろうとは思う。ただ、零と闇華さんの口から美容関係の事が出るとどうしても今までの暮らしで貧しい食事しか摂ってなかったんだろかと勘繰ってしまう。まぁ、こんな事を思っている俺も……
「零と闇華さんは海鮮類が多い方がいいって事は俺と同じか」
実は海鮮類メインの方がよかったりする。理由? 理由は簡単だ。この二人がどれだけ食うかは未知数だが、今日やった鍋の残り汁を明日の朝食に使おうかと考えているからだ
「気が合うわね。アンタも美容に気にしてるの?」
「そうなんですか!? 恭君!」
海鮮類が多い方がいいと言っただけなのに俺が美容を気にしている奴になる意味!
「違うって、海鮮系メインの鍋にしとけば残り汁が脂っこくならなくていいと思ったんだよ」
俺は最低限の身なりはともかく、肌とかを気にした事などない
「「おじや!!」」
「はいはい、明日の朝飯はおじやね」
朝飯に使うと言っただけなのに零と闇華さんはおじやを連想した。つまり、遠回しに明日の朝飯はおじやにしろ言っている。俺はそう解釈した
「そんな事より! 早く作りましょう! お腹ペコペコだし!」
「そうですね!」
「はいはい」
本当はさっきお菓子を大量に食べただろ!! と言いたかったが、それを言って零を怒らせたら面倒なのであえて黙っておいた。飯前に喧嘩をしてもしょうがないという気持ちはもちろん、何より楽しそうな二人の顔を見るとそんな事どうでもいいかと思ってしまう
「それじゃあアタシと闇華は野菜を切るから! 恭! アンタは魚をよろしく!」
「分かったよ」
そんなこんなで夕飯の用意を開始した俺達。ただ、予想だにしてない出来事が起きてしまった。先に言っとくぞ。別に誰かがドジをしたとかそんなんじゃないからな?
「すでに切り身になってるのか……」
冷蔵庫を開け、魚を取り出そうとした俺の目に飛び込んできたのはすでに切り身の状態だった魚達。しかもご丁寧に一口大に切ってある。
「これはアレか?俺には危なっかしくて包丁は持たせられないと遠回しに言ってるのか?それとも、生ごみが出たら臭うだろうからっていう爺さんの気遣いか?」
捌かなくていいのは助かるのだが、爺さんが過保護になり過ぎているのか、気遣われているのかを疑いたくなるぞ……
「まぁ、俺の仕事がないならないでいいんだ。それよりも零達は終わって……るわけないよなぁ……魚は捌くのが難しいが、野菜は皮向いて切るだけだもんなぁ……」
野菜はさすがに切られた状態じゃないだろと思いつつ零達の元へ
「あっ、恭君! ちょうどいいところへ来ましたね! これ見てください!」
闇華さんに見せられたのは白菜。普通スーパーに行くと鍋セットでもない限り白菜は円筒型かそれを半分に切った状態で売られている。しかし、この白菜はまるで鍋に使えと言わんばかりに一口大に切ってあった
「まるで鍋をしろと言わんばかりに一口大に切ってあるな」
「そうなんです。なので私のやる事がないんですよ」
「俺も魚を切ろうとしたら同じ状態だったから気持ちは解かるぞ」
親元を離れて初めての料理だと意気込んでいたらすでに食材は切られてました。これじゃあ拍子抜けだ
「恭君もって事は零さんももしかして……」
「ああ、多分、切られた状態の野菜達を見つけたと思うんだが、どうして闇華さんと零は一緒にいないんだ?」
俺は零から魚を任されたから仕方ないとして、何故零と闇華さんは離れて調理してるんだ?
「それはですね、私が白菜やネギを、零さんがシイタケやきのこ、お豆腐を担当する事になったからです」
簡単に離れているわけを苦笑いと共に説明してくれる闇華さん。零、お前、面倒なのを闇華さんに押し付けたな?
「零のヤツ……面倒なのを闇華さんに押し付けたな……だが、白菜やネギがすでに切られた状態だったんだ。当然、シイタケやきのこ、豆腐なんかも……」
「切られた状態でしょうね」
シイタケやきのこ、豆腐がどうなっているかを確認すべく俺達は零の元へ。すると……
「最初から切られた状態になってるだなんて気が利いてるわね! それは助かるんだけど、ちょっと味気ないわ……」
切られた状態のシイタケやきのこ、豆腐を見て喜んでいる反面、物足りなさを隠しきれてない零がいた
「零のも同じ状態だったか……」
零を見つけた俺と闇華さんはすぐに食材を見ずとも察した。零のも同じ状態になっていると
「あ! 恭! アンタのお爺さんって気が利くのね! 切ってある食材を送ってくれるだなんて!」
「あ、ああ、そうだな、爺さんに感謝しないとな」
俺を見つけた零は大はしゃぎで駆け寄ってくる。そんな零に俺は自分でも分かるくらい顔」が引きつっているであろう。結局食材はすでに調理済みだったので俺達はガスコンロ、水を張った土鍋、昆布と調理済みの食材を持ってリビングに戻った。
リビングに戻ってからの俺達は他愛ない雑談をしながら晩飯作りに勤しんだ。昆布でダシを取り、沸騰したらそれを引き上げ、エビやカニを始めとする海鮮類、白菜を始めとする野菜類、肉類を少々鍋の中へ放り込み一煮立ちさせる。そして……
「完成だ!!」
俺達の夕飯が完成した。
「じゃあ、早速取り分けましょう!」
「ですね! 私もうお腹ペコペコです!」
「だな! って言いたいが、零か闇華さんのどっちかでいいから俺の分よそっといてくれないか?」
「そ、それは構いませんが、どこか行かれるのですか?」
「そうよ! もうご飯出来てるのよ!? トイレならともかく! 電話してくるのは認めないわよ! 掛かって来たのなら仕方ないけど!」
闇華さんはともかく、零さん?飯時に電話するのはマナー違反だとしてもそれだと将来困りますよ?主に働いた時に
「ちげーよ! 飯食う時に見るもんがないと味気ないからパソコンでアニメの動画探すんだよ!」
子供の頃……下手したら今も言われている人はいると思う。睨み食いするなと。だが、ここには口うるさく言う親もマナーに厳しいババアもいない。ツンデレ系とヤンデレ系はいるがな!
「それならそうと早く言いなさいよ!」
零の事だからアニメを流すと言った途端に『はぁ!? 恭! アンタいい歳してアニメ何て見てんの!?』くらい言われると思ったが、意外にもすんなり受け入れられた事に俺ァビックリだ
「言ったら引かれると思ったんだよ」
アニオタなら理解はあるだろうけど、零のような実の父から借金を押し付けられた以外普通の女の子がアニメに理解があるとは思えなかった。だから言わなかった
「ふん! 恭がアタシにどんなイメージを持ってるか知らないけどね! アタシだって昔はアニメくらい普通に見てたわよ!」
「そうかい」
零の昔話……コイツの家族がいつ壊れたかは知らんが、幼い頃はそれなりに幸せな家庭環境だったんだろう。それが母親が蒸発し父親は零に借金を押し付けて失踪。まぁ、今となっては考えるだけ無駄か
「あ、あの、恭君? アニメを見るのは構わないんですけど、早くしないと冷めちゃいますよ?」
「分かったすぐに済ます」
幸いパソコンは恋愛映画を観た時のままになっていた。だからアニメの名前を適当に検索すればいいのだが、俺一人なら飯時でも容赦なくラブコメの際どいのを流す。が……
「女子二人いるし飯の時間だから無難に日常系のアニメでいいか」
今は飯の時間。加えて女子二人いるので無難に日常アニメ『暇だったから友達のライブ配信に突撃してみた』を流し、俺も元の位置へ戻る
「はい、恭。多めでよかったわよね?」
「ああ、ありがとう」
元の位置へ戻るとちょうどよく零がお椀を渡してきた。そよっといてくれとは言ったが多めとか少なめとかの指定はしてなかったので多くても少なくても俺から文句を言う事はない。だって、たくさんあるし
「それじゃあ、全員揃った事ですし!」
「そうね、全員揃ったところで!」
「ああ! そうだな!」
「「「いただきます!」」」
もう一人暮らしとは言えないが、俺がデパートの空き店舗に来て初めて自炊して食う飯。それが女子二人と一緒だなんて来た時は想像も付かなかったが、こういう賑やかなのもいいと思える
「ちょっと! 闇華! それはアタシが育てたお肉よ!」
「零さん! 鍋は戦争なんです! 獲ったもの勝ちです!」
前言撤回。賑やかなのはいいが、こうもガツガツし過ぎてるのは嫌だ。つーか! 零! 外食した時はそんなガッついていなかったのに家では人が変わったようにガッついてるな! 闇華さんは闇華さんで駅で拾った時はヤンデレ系女子だったのに今じゃただの暴食系女子だろ!
「お前ら! たくさんあるんだから落ち着いて食え! ガツガツしてみっともねーぞ!」
俺は中学時代誰かと飯を食うだなんて事をした事がない。だから友達や恋人と飯を食う感覚はもちろん、一緒に過ごす楽しさなんて知らない。零や闇華さんがどうだったのかは分からないけど、少なくとも今の二人を見ると……女子怖えよ!! 鍋ごときでこんなにガツガツすんのかよ!!
「黙りなさい! 恭! 鍋は食うか食われるかの弱肉強食よ! 隙を見せたら負けなの!!」
「そうですよ! 恭君! これは晩御飯であると同時に戦争なんです!」
「いや! 意味分かんねーから! 食いモンの事で争うだなんて意地汚ねーにも程があるだろ!」
俺が変なのか、それとも零と闇華さんが普通なのか……こんな事なら中学時代少しは他人と交流しとけばよかったと今になって後悔してきた
「「だって!!」」
「だって何だ? 少なくとも零は今日の朝と昨日の晩は外食でまともなモン食ってただろ?」
一人暮らし初日である昨日零を拾った俺はコイツと外食に行った記憶がる。だから零に関してはまともなものを食わせた記憶はあるぞ?
「だって、アタシは家にいた時は温かいご飯……誰かと一緒に食べるだなんて事した事なかったんだもん……言ったでしょ? ここに来る前はお夕飯にありつければいい方だって」
「私は零さんとは違ってお夕飯は出てきました……ただ、パンの耳だけだったりメザシとみそ汁、たくあんとご飯と貧しい食事でしたけど……だから、今みたいに誰かと食事をするのもお魚やお肉を食べられるのも嬉しくて……」
零と闇華さんの言葉から環境は違えど食事に関してはどちらも貧しい食生活を送っていた事は容易に想像がつく。もっとも闇華さんの方はそんな状態でどうしてキョウスケ君とやらと付き合えたか謎だけどな
「はぁ……」
ちょっと注意しただけなのにこんな重たい話を聞かされるとは思わなかった。そんな話をさせてしまった俺も俺だが、普通の鍋でこんなにガッつく零と闇華さんも悪い。
「「ぐすっ…………」」
零と闇華さんが泣き出してしまった原因は俺が溜息を吐いたからだと思う。この二人は純粋に楽しく飯を食いたいと思っていた。だからこそはしゃいでしまったんだろう。それを注意するのは当たり前の事だが、溜息を吐く必要はなかった
「別に零と闇華さんがはしゃいでいた事に対して呆れたから溜息を吐いたんじゃない。ただ、行儀悪いって注意しただけなのに重たい話をさせた自分が情けなくなっただけだ。それに、これからは鍋はもちろんいろんなモンが食えるんだから過去の事なんて綺麗サッパリ忘れろ」
過去の事なんか忘れろ。零と闇華さんにはそう言ったが、俺も過去の事は早く忘れなきゃいけねぇよなぁ……
「「うん……」」
部屋全体にパソコンから流れてくる『初見さんいらっしゃいです。ん? この名前どこかで見た事あるぞ?』という音声と零、闇華さんの泣き声だけが響く。初めて家で摂る晩飯は女子二人が泣きながら飯を食うという居たたまれない空気の中、終了した。
飯が終わってから一時間後──────。
「今日は昼に風呂入ったから俺は寝るけど二人はどうする?」
駅で闇華さんを拾い帰ってきた俺達は風呂に入った。俺は一日に二度風呂に入りたいと思うほど風呂が好きだというわけじゃない。俺がそうだってだけで零と闇華さんがそうだとは限らない
「アタシも今日はいいわ。昼間に入ったから」
「私もです。今日は疲れたのでこのまま寝たいです」
満場一致で今夜は風呂に入らない事が決まり、いよいよ就寝の準備なのだが……
「家具が揃ったから各々部屋で寝るんだよな?」
昨日は零が一人じゃ寝られないという事で一緒に寝たが、家具が揃った今、一緒に寝ようだなんて言うわけが……
「一緒に寝るに決まってるでしょ!」
「そうです! 恭君を真ん中にして川の字で寝るんです!」
あった。闇華さんはともかく、零は昨日一緒に寝ただろ?それなのに今日も一緒に寝るのか?
「闇華さんは知らんと思うけど、零は昨日一緒に寝ただろ?それに、一緒に寝るなら闇華さんと寝りゃいいじゃねーか!」
女二人に男一人。間違いが起こらないとも限らない
「アンタねぇ! 自慢じゃないけどアタシ達は人間不信なのよ!? 闇華が嫌だって言うわけじゃないけど不安なのよ!? そんな女の子を無視して自分一人個室に籠るって言うの!?」
「そうですよ! 私なんて自慢じゃありませんが親戚にはボロ雑巾のように扱われ、キョウスケ君からも同じような扱いを受けて人間不信なんです!」
二人の言ってる事は本当に自慢にならない。それを堂々とドヤ顔で語れるだなんて本当にすごいぞ
「人間不信が初対面の男に声掛けたり、公衆の面前で見知らぬ男に絡んだりしねーだろ!」
コイツ等が人間不信というなら世の中の人間不信になった人達は多分、家族とすらまともに話をする事は出来ないだろう
「それはアンタが声掛けやすい雰囲気出してるからでしょ!」
「そうですよ! 恭君が優しそうなオーラを纏っているのが悪いんです!」
「意味分かんねーよ!」
人に抱く印象は人それぞれ違う。俺が優しそうな人だと思っても別の人は胡散臭い人だと感じたりする。それにとやかく言う事はしないが、いくら何でもこの女二人は警戒心が無さ過ぎる
「と、とにかく! アンタはアタシ達に挟まれて寝ればいいの! べっ、別にアタシはアンタが好きとかじゃないから! 勘違いしないでよね!」
「私は恭君が大好きです! 盛大に勘違いしてくれて構いませんよ!」
「勘違いなんてしねーから!」
何だろう?寝る前からドッと疲れた……。まぁ、まだ寝るには早いから寝ないんだけどな!
「ばか…………」
「恭君?どうして勘違いしてくれないの? もしかして私魅力ない? それとも他に好きな子でもいるの?その子の名前と連絡先教えてくれない?ちょっと殺してくるから。大丈夫、恭君に迷惑なんて掛けないように証拠を残さずやって来るから。ネェ、キョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクンキョウクン」
頬をほんのり赤く染める零と危なげな事を言った後ひたすら俺の名前をノンブレスで連呼する闇華さん。今の俺に解るのは抵抗しても無駄だという事だけだ
「分かった! 分かったから、一緒に寝るから!」
抵抗しても無駄だと理解した俺は大人しく零達と一緒に寝る事に。それにしても闇華さんって病むと口調が変わるんだな……駅で絡まれた時にそれは分かっていたからいいけど
「「やった!」」
抵抗するのを諦めた俺は大人しく零達と一緒に寝る事になったのはこの際良しとして、寝るにはまだ早いという事でパソコンと電気は消し俺達は布団に入って互いの事を話す事にした。そこで分かったのは俺達は全員同じ年だったという事、闇華さんに酷い仕打ちをしたキョウスケ君とやらが十八で一人暮らしをしていた事くらいだった
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