代々優秀な戦士を輩出してきたリーバス家の長女メルの能力は、攻撃能力のない幻術だった。幻術と聞くと聞こえはいいが、最も重要な感覚である「視覚」には一切作用しないという欠陥品だった。役立たずと罵られ、虐げられていたメルは、家出をして王都で冒険者になる。誰も傷つけられない能力で、か弱い少女が生きていくお話。