神奈さんとアメリちゃん

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第三百七十七話 由香里さんのために

公開日時: 2021年10月10日(日) 21:01
文字数:2,141

 今朝もルーティンを終え、一日のプランを思案中。原稿に打ち込むべきなんだけど、由香里さんのお誕生日が来月六月十日とかなり間近。


 善は急げというし、駅前へ見繕いに行こうかしらねー?


 となると、方向性を考えなければいけないことが二つ。


 一つは、由香里さんに欲しい物をズバリ訊くか、サプライズを重視するか。


 もう一つは、皆さんと買い出しに行くかどうか。幸い今日は月曜で、習い事の類はどの子もない。ちなみに昨日は、まりあさんのお誕生日ってことで全員習い事はお休みした次第。


 とりあえず、前者から考えましょうか。


 勝手な私見だけど、彼女は女子力の高そうなアイテムなら大抵のものは喜んでくれそうな気がする。で、実際ご趣味として確定してるのは、造花、ガラス細工、ファッション、小物、家庭菜園、美術、猫カフェだったっけ。


 組み合わせて考えると、猫のガラス細工とか喜ばれそう。あるいは、Yねこ猫カフェさんの回数券なんかも喜ばれるかも。


 どちらかというと、ガラス細工のほうが無難かな? たしか回数券は、五枚綴りで八千五百円。優輝さんや久美さんへのプレゼントが四千円ぐらいだから、ちょっと不公平感が出てしまう。


 ただ、こういうのってこの辺だとどこで売ってるんだろう? 検索~。


 ……うーん、ようわからん。ガラス細工教室ばっかり出てくるな。


 よし、仕事もしなくちゃだし、通販を使おう。実物を見て選ぶほうが、確実なんだけど。


 ……はー、ガラス細工ってピンキリなのねえ。下は数百円から、上は諭吉先生が何人も旅立つようなのまで……。


 由香里さんのお部屋を以前拝見したときは、透明感のあるガラス細工が多かったから、程よい値段で探すのに一苦労。透明なガラス細工、目玉が飛び出るような値段のが多くて。でも、やっとこさっとこいい感じの値段のが見つかったのでポチ。


 さて、私のほうはこれでいいとして。


「アメリちゃんや。由香里さんのお誕生日が近いわけですが、贈り物どうしますか?」


「おお……何贈ったら喜んでもらえるかなー?」


「そうねえ。ほかのお三方には似顔絵を贈ったじゃない? 今回もそうするのが無難かなーとは思うよ」


 先ほど四千円前後にこだわったのと同じ理由だね。ここでなにか有料の物を贈ったら、不公平感が出てしまう。


「わかった! お絵かきするね!」


 テレビ台のキャビネットからクレヨンとスケブを取り出し、お絵かきを始める。ふむ、アメリもこれでよしですかね。



 ◆ ◆ ◆



「できたー!」


 仕事に打ち込んでいると、愛娘の元気な声。そちらを向くと、とてとてとこちらにやって来る。


「上手に描けたかな!?」


 じゃん! と由香里さんの似顔絵を掲げて見せてくる。


「うん、上手上手! 特徴よく捉えてるよ!」


 子供画力だけど、由香里さんらしさは結構出てると思う。


「ほんと!? やったー!」


 ぴょんぴょんするアメリちゃん。ほほえま~。


 そういえば今何時だろうと、PCの時計を見ると、十一時ちょい前。お昼の買い出しにでかけましょうかね。


「お買い物行きますよ~」


「うん!」


 二人でお着替えして、いつものスーパーに向かうのでした。



 ◆ ◆ ◆



 とうちゃーく!


 さて、お昼と夜、そして明日の朝はどうしましょうかねー?


 ここは最初に、明日の朝食担当さんにお伺い立ててみますか。


「アメリちゃん、アメリちゃん。明日作りたい朝食ってありますかね?」


「んー……パンは今朝食べたでしょー? スパゲッティーにしようかなあ」


 下唇に人差し指を当て、上目遣いに思案する彼女。


 ほむ。


 アメリには、もうだいぶいろんな朝食向けメニューを教えてきたけど、朝手軽に作れてそれでまだ教えてないのかあ。


 正直、スパゲッティーぐらいなら市販のソース使っちゃったほうが楽なんだけど、アメリちゃん、料理を楽しんでるからね。きちんと教えてあげたい。


 カルボナーラとか二十分はかかるし、ミートソースなんかさらにその倍はかかるから、さすがに朝にパパッと作れるものではない。


 となると……。


「今日は、ペペロンチーノの作り方を教えよっか」


「おお!? なにそれ!?」


「とーってもお手軽なスパゲッティー料理よん」


 ガーリックチップをかごにイン!


 スパゲッティーとオリーブオイルと鷹の爪はうちにあるから、これだけで作れてしまいます。


 あとは、夕食だけれど。


「今晩、何か食べたいものある?」


「なんでもいーよー!」


 満面の笑顔で、例によって力強いお言葉。


「うーん……じゃあ、せめて和・洋・中から選んで?」


 うんうん唸って悩みだすアメリちゃん。


「昨日、お刺身とラーメン食べたでしょー? で、お昼がアメリに教えるためにスパゲッティーでしょー? だから、和食がいいかなー」


 ほいほい。


 では、ここでやっとこ、恒例のチラシチェーック!


 ズバリ、豚肉とキャベツがお安い!


 ふむ。これは生姜焼きにしろという、天のお達しね!


 では、両者をかごへー。チューブ生姜もよく使うからそろそろなくなりそうだしなー。これも買っとこう。


 明日はスパゲッティーだから、三種の神器は牛乳だけでいいかな。


 それじゃあ、お会計~。



 ◆ ◆ ◆



 帰宅後は、さくっとペペロンチーノの作り方を教えて、美味しくいただきました。茹でて炒めて塩胡椒して、ガーリックチップと鷹の爪載せるだけだからねー。


 生姜焼きも特に難しい料理ではないので、さくっと作り終わりました。


 引き続き、お仕事頑張りましょー!

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