神奈さんとアメリちゃん

退会したユーザー ?
退会したユーザー

第二百五十九話 まりあさんを祝おう! ―前編―

公開日時: 2021年6月10日(木) 21:01
更新日時: 2021年6月13日(日) 21:35
文字数:2,218

 今日も今日とて朝食すぎにお仕事を進めていると、LIZEに着信音が。はて、何でしょー? と確認すると、まりあさんが無事「くろねこクロのたび」最新作を脱稿されたとのこと。バンザイ猫スタンプ付きで大変テンションも高いご様子。


 皆さんから祝辞が飛ぶ中、私も「おめでとうございます!」とサムズアップ猫スタンプとともにメッセージを送る。


「これはもう、宴を開くほかないですね!」


 バンザイ猫スタンプとともにそうおっしゃるのは、おなじみ優輝さん。ぶれないなあ。


「いえいえ、そんな。大げさですよ」


 と、まりあさんご遠慮されるも、「まあまあ。祝わせてくださいよ! あたしの生きがいですし!」と、サムズアップ猫スタンプ。生きがいとは大げさだけど、実際そんな感じよね、彼女。


「まりあサン。このモードに入ったこいつは、祝えないと落ち込んじゃうよ?」


 と、久美さんも援護射撃。落ち込む優輝さんが、目に浮かぶよう。


「そうですねえ……。そこまでおっしゃられたら、素直にご厚意を受けないのは失礼ですね。では、不肖・宇多野まりあの脱稿をお祝いください」


 お辞儀猫スタンプとともに述べるまりあさんに、「そうこなくっちゃ!」とバンザイ猫スタンプで返す優輝さん。


「ただ、お昼はちょっと用意する時間がないですね。晩餐と洒落込みましょう! いかがですか?」


 うなずき猫スタンプとともに、問うてくる彼女。まりあさんは「では、そのようによろしくお願いします」と答え、今晩はかくてるハウスで晩餐の運びとなりました。


 もちろん、私と白部さんも招かれており、それぞれ参加表明をお返事しました。


 さて、何が出てくるかわからないけれど、結構なごちそうよね、きっと。お昼は軽めでいっか。


 そういうわけで、そろそろお昼の買い出しに行かないとね。何にしよーかなーっと。



 ◆ ◆ ◆



 とーちゃーく! おなじみのBGM、落ち着きますねえ。


「アメリちゃん、アメリちゃん。アメリちゃんも、今まで随分色んな料理を食べてきたわけだけど、何かこれ食べたいっていうのあーる?」


 せっかくだから、たまにはアメリ主導でいってみよう。


「んー……。んー……? お姉ちゃんと作る料理、楽しいし美味しいから、何でもいいよー?」


 久々に力強いお言葉をいただいてしまった。困ったね。


 そいじゃあ、私のピンと来たのでいきますか。


 そういや、結構キャベツが残ってるのよね。レシピを調べてみよっと……。


 ほむ。「永遠キャベツ」とな? ほうほう、永遠に食べられてしまうぐらいお手軽で美味しいのだとか。これにしましょうか。


 っていうか、これ全部うちにある材料でできるわね。何のためにスーパー来たのかしら、私たち……。


 相変わらず己の計画性のなさにがっくりしつつも、せっかく来たのだからと、不足気味な調味料や日用品と牛乳、さらにマスぺとコラ・コーラを買っていくのでした。



 ◆ ◆ ◆



 ただいま~! さて、ちゃちゃっとごはん炊いちゃいましょうね。お米入れて、水入れて、ぽちっ。う~ん、お手軽ぅ!


 寝室に戻り、一旦部屋着に着替える。あー、やっぱラクだわー、スウェット……。


 そして、今日もアメリを膝に乗せてお仕事なう。


 こうやってお膝に乗せてのほほんと過ごせるのもいつまでかなあ。アメリも成長して体重が増えるし、もう数年もすればきっと思春期を迎える。そうなったら、こんなことはさせてもらえないだろう。


 成長が嬉しい反面、いつまでもこうしていたいと後ろ髪引かれる思い。私って、本当に子離れできるのかな? まあ、今からあれこれ悩んでも仕方ないか。今はこのアメリとのほのぼのタイムを愉しもう。


 彼女のすべすべヘアーを撫でながら、筆もすべすべと走らせるのでした。



 ◆ ◆ ◆



 おっと、撫で撫でと下書きの二刀流に没頭してたらごはんちゃんが炊けましたよ! キッチンにごー!


「さて、アメリちゃん。今回の料理は二人で手分けするとか、そういう感じの料理ではありません。なので、昨日アメリちゃんがとーっても頑張ったので、今日は見学してもらおうかなって思います。どうかな?」


「おお? やることないのー?」


「うん、正直。だから今回は、久々におねーさんに甘えちゃってちょーだいな」


 「うにゅう……」とちょっと不満げな声を上げながらも、納得してくれたご様子。アメリ先生は働き者ですねえ。


 では、三分でクッキングするいつもの脳内BGMスタート!


 まず、キャベツ四分の一を千切りにします。これをボウルに入れ、そこにツナ缶一缶、鶏ガラスープの素、マヨ、ごま油各小さじ一杯を入れて混ぜ、ラップでふわりと覆って六百ワットで二分って書いてあるから……うちの五百ワットだと二分半ぐらいかしら? でレンチン。今のうちにごはんも切っておく。


 あとは出来上がったものをよーく混ぜ混ぜして、胡椒ぱらぱら~。わあ、お手軽ぅ!


「はーい、できちゃいましたよー」


「おお!? もう!?」


「うん。言ったでしょ、手分けするほどじゃないって」


 ごはんをよそいながら答える。さらにお茶もれ、本日の昼食完成~。


「じゃ、いただきますしようか。いただきます」


 エプロンを外し、対面に座っていただきますを言う。アメリもそれに続き、箸をつける。


 ぱくっ……うん! お手軽なのにこれは美味しいわ! さすが永遠を名乗るだけはあるわね……。


 アメリも、美味しい美味しいとぱくぱく食べてます。良きかな良きかな。アメリが元気にご飯食べてると、お姉さん嬉しくなっちゃうわ。


 今日も美味しいごはんをごちそうさまでした。


 夕方になったら、まりあさんの脱稿祝賀会! 楽しみだなー。

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート