金鷲の雷槌~もしも最強の無法者が銀髪碧眼美幼女になったら~

金!! 暴力!! SEX!! の無法者が銀髪碧眼幼女に……!?
ひがしやま
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第二話 ある無法者は銀髪碧眼幼女になったようです

公開日時: 2022年4月15日(金) 01:37
文字数:1,186

「あー……」


 ルーシは目を覚ます。こんなにも熟睡できたのはいつ以来だろうか。おそらく小学生のころまで遡るのではないか。


「ここがロスト・エンジェルスか? 随分発展している。二一世紀日本よりも発展しているかもな」


 寝ぼけ眼のまま、とりあえずルーシは街を歩く。まずは金だ。当然、ルーシは一円も持っていない。金こそ正義である以上、行うべきことは決まっている。

 それにしても、随分と身長の高い連中が多い。ルーシの身長は一八〇センチほどだが、男女問わず背丈が二メートルを超えているように見える。巨人国家なのだろう、とルーシは深く考えない。


「よォ! そこのかわいい嬢ちゃん!! オレたちと良いことしね?」


 あの空間にどれほど滞在していたのかはわからないが、おそらく髪も伸び切っているのだろう。しかもルーシは中性的で整った顔立ちをしている。女に間違えられても不思議な話しでもない。


「ああ……。そうだな」


 男は三人。ルーシはなんら躊躇なく、リーダー格と思われる男の首を掴み、締め上げた。

 情けない声が聞こえる。根性のないヤツだ。


「よォ、良いことか。良いことはみんなで分け合うべきだと思うんだ。友情の輪を大事にしねェとな。いいてェことわかるか?」


「しら……ねェよ……!!」


 三対一。常人ならば逃げるべきだが、ルーシに関してはそういった考えは生じない。なぜならば……。


「つ、翼ッ!?」


 黒い鷲の翼のような、妙な現象がルーシの背中に沸き立つ。ロシアの国章にも使われる黒鷲の翼。そして当然、ただの見せかけではない。

 刹那、羽が男ふたりの腹部を貫いた。もはや声にもならない声をあげるふたり。ルーシはふっ、と笑い、首を掴んでいた男を離す。


「詫び金出せ。てめェらの所為せいで服が汚れちまった」


「は、はいッ!! 申し訳ありませんでしたッ!!」


 ルーシの手元に現金が渡される。通貨名は……メニー? 価値はわからないが、一〇〇メニーが最高額である以上、ユーロや米ドルと同程度の価値──一メニーが一〇〇円といったところだろう。


「よっしゃ、さっさと病院でも行け。死にたくねェだろ?」


 さっさと煙草が吸いたい。一日四〇本紫煙に囲まれているルーシからすれば、彼らからほのかに感じる煙草の匂いすらうらやましい。なので、ルーシはその場からとっとと立ち去った。


 *


 手頃な売店を見つけ、ルーシは速攻でコーラとホットドックを手に持ち、カウンターへと向かう。

 盗んでもパクっても良いのだが、金があるのならば使わない手もない。


 資本主義社会の信仰者であるルーシは、一〇メニー札を差し出し、

「一五七番ください」

 至って普通の喫煙者らしいことをいう。


 しかし、店員は怪訝そうな顔をして、ルーシへいう。


「嬢ちゃん……まだ九か一〇歳だろ? 煙草なんてやめときな。良いことないぜ?」


「……あ? オレが九か一〇のガキに見えるってこと?」


 ルーシは近くにあった鏡を見る。そこへは、銀髪の美しい少女がいた──。

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