完結済 短編 現代世界 / ホラー

大いちょう 神社の御神木

公開日時:2022年9月4日(日) 16:36更新日時:2022年9月4日(日) 16:36
話数:1文字数:801
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 ある村の神社に、御神木として、大いちょうが立っていた。

 

 とても、立派ないちょうで、皆に崇められ、親しまれていた。

昼には、大いちょうの写真を撮りにきたり、神社に参拝に来た人々は、必ず大いちょうを見に寄った。

大いちょうの前には、看板が掲げられていた。

 ー大いちょうには、触れないで下さいー

 しかし、村の人々は、そのような看板がなくても、御神木として、崇めていたので、そのようなことをする者は、誰もいなかった。

 夜中の2時になった。

近くの宿に泊まったツアー客の一部が、十数人が村に一軒しかない居酒屋で飲みに行った帰りに、神社の中にずかずかと入って来た。

 そして、その中の1人が言った。

 「触れないでって書かれてると、余計、触れたくなっちゃうんだよな」

 すると、もう1人が反対した。

 「駄目だよ。御神木だぞ。お前、少し酔い過ぎじゃないか」

 その時、神主がふと現れた。

「大丈夫ですよ。どんどん触れちゃって下さい。祟りなど起きませんから。触れないと、剪定も出来ませんしね」

 最初に、触れようと言った1人が得意気に言った。

「ほら、私の言う通りだろ。こんなことは、めったにない。ほら、皆も触れようぜ」

 神主は、満面の笑みで言った。

「どうぞ、どうぞ皆様も」

そう言いながら、その男が触れると、手から、木に吸い込まれていった。

バリバリッ!バリバリッ!

「ギャー!」

 皆は、その悲鳴を聞き、逃げようとしたが神主は、豹変し、1人1人木に押し込んだ。

 バリバリバリバリバリバリッ!

 「ギャーーー!」

 

 しばらくすると、大いちょうは、更に大きくなった。

 神主は、嬉しくなり、大いちょうをポンポンと触ろうとした。

しかし、手を慌てて引っ込めた。

「危ない。危ない。午前2時には、大いちょうに喰われてしまうから、触れては、いけなかったんだ。それにしても、良かったな。今夜は、大量の餌を得られて、これでまた、大きくなった」

 すると、その時、神主に感謝するように、通り風が吹いた。

 

         了

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