宇宙装甲戦艦ハンニバル ――宇宙S級提督への野望――

宇宙を駆け敵を撃つ! タヌキの砲術長と副官のアンドロイドの仲間と一緒に敵を倒して目指せS級宇宙提督!
黒鯛の刺身♪
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【第二章】……赤い地球

第六十三話……惑星カイの開発開始!

公開日時: 2020年12月2日(水) 09:08
文字数:2,026

 R国の原潜事故の為、地球世界は落下してくる大型小惑星に対して、有効な対処ができないでいた。

 そこで主人公の兄は、ゲーム世界の主人公に連絡し、試しにこの対処を依頼することにしてみた。


 主人公は次元の狭間を利用して、ハンニバルを用いてマイクロ・クエーサー砲を発射。

 地球に襲い掛かる小惑星を見事に撃破する。


 しかし、それはゲーム世界とリアル社会が違う次元であれども、ある程度繋がっているという不思議な事象を明確にしていた。




☆★☆★☆


 ハンニバルから放たれたマイクロ・クエーサー砲は、困難に直面している現実社会において、『神の光』と噂されているようだ。

 しかし、私は現実世界に戻れず、兄から聞いただけなので現実感がわかない。


 兄から『助かったよ』と言って貰ったのが、嬉しかった。

 それはそうと今度、私に小さな甥が出来るらしい。

 ……とても楽しみだね。



「何めがけて撃ったポコ?」

「エネルギーの無駄メェ!」


 ワームホールの向こう側が見えるのは私だけの為、今回みんなには意味なく大量に無駄なエネルギーを使っただけに見えたらしい。



「今日のおやつは抜きですニャ!」


 説明が面倒臭く、訓練の一環だと皆に説明したら、今日のおやつが没収された。

 意外とTVドラマのヒーローの裏側ってこんなのかもしれない。


 ……まぁ、沢山のエネルギーと燃料を使ったのは事実だよね。




☆★☆★☆


「ヴェロヴェマ准将! アルデンヌ星系の開発許可がおりたぞ!」


「有難うございます!」


 超光速ビデオチャットの相手は蛮王様。

 帝国中枢への資金供与が功を奏し、我がハンニバル開発公社は念願だったアルデンヌ星系の一部開発利権を手にした。

 地球がある世界との関係がほぼ確実となった今としては、謎のワームホールがあるこの星系に一定の影響力を持つことは必須だった。



 一か月後。

 アルデンヌ星系第4惑星カイに惑星リーリヤの民ブタ族が入植開始。


 この世界において、食料生産が豊かな惑星リーリヤは珍しい存在である。

 惑星リーリヤはその食料生産力を背景として、すこし人口増加が過剰気味だった。

 その人口政策の一環としての入植だった。


 この入植計画をハンニバル開発公社は全面的にバックアップ。


 再びの造船景気で手にした資金を、惑星カイの食料プラントの大量建設に投入した。

 このため、これ以後ハンニバル開発公社の中核事業に、食糧生産事業が入ることになる。

 ハンニバル開発公社は三大事業として、造船、資源、食料といった形態を目指していた。




☆★☆★☆


――アルデンヌ星系。


 惑星リーリヤからの植民前の人口はわずか398人。

 主に資源関連の研究者たちである。


 環境が厳しい他に、軍事的要所であるために昔から係争事案が多く、過去には地上戦も多発していた。

 よって多くの住民が避難といった理由で移住してしまっていたのだ。


 しかし、星系外縁を中心に軍事関連の施設は多く、実際には人を全く見ないという過疎星系ではない。

 最近の研究によると、ある程度の資源生産は可能であり、優先性は乏しいものの開発星系としては期待がかかっていた。




「水が出たポコ~♪」

「井戸が掘れましたわね♪」


「来年は豊作メェ~♪」


 私は皆を連れて、移民の皆さんと共に惑星カイで畑を耕していた。


 たまには皆で汗をかいて土の香りを嗅ぐという試みだった。

 ここは衛星アトラスと違い、空も青く、いくらかの水量のある川もあった。


 一人マルガレーテ嬢だけは不参加だった。

 彼女は宇宙海賊討伐の懸賞金に執念を燃やしているらしい。



「いやあ、助かりますわ」

「いえいえ、こちらも商売ですから!」


 地雷処理機器や放射能除去装置の運転を手伝うと、移民の皆さんから感謝してもらった。

 現実社会ではしがない営業の為、どちらかというと人に嫌われる仕事だった。


 感謝される仕事はとても自分の心の健康の為になると思った。




「釣れたポコ♪」

「また餌をとられたなぁ……」


「タヌキだけ釣れておかしいメェ!」


 近くの川で釣りもしてみた。

 何故かタヌキ砲術長がやたらと上手い。

 私とバフォメットさんは全然釣れなかったが、彼のお陰で大漁だった。



「美味しいですわ♪」


「僕が釣ったポコよ♪」

「キノコも美味しいメェ~♪」


 その晩、皆でキャンプファイアーを焚き、とれたて食材でバーベキューをした。

 焼き魚に森林でとれた山菜、移民のみなさんと獲った獣の肉もあった。


 その日の夜の空は満天の星空であり、とても幸せな時間だった。




☆★☆★☆


【ハンニバル開発公社事業内訳】


・住宅地開発部門……トントン

・工業地開発部門……復調気味

・商業地開発部門……若干の黒字


・宇宙港運営部門……増収増益♪

・ミスリル鉱山及び精製施設……好調


・水供給部門……採算好転見込み無し。

・新規鉱山開発……トントン


・アダマンタイト生産部門……増収増益♪

・惑星リーリヤ造船部門……復調気味


・子会社経営……黒字転換中

・惑星カイ農業地開発……絶賛赤字【新規事業】


……利益の主体である主力造船事業が復調中。


負債は大幅に削減。

借入比率は低下中。



(´・ω・`) 目下、経営復調中♪

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