宇宙装甲戦艦ハンニバル ――宇宙S級提督への野望――

宇宙を駆け敵を撃つ! タヌキの砲術長と副官のアンドロイドの仲間と一緒に敵を倒して目指せS級宇宙提督!
黒鯛の刺身♪
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第百三十六話……反乱軍への支援任務開始!

公開日時: 2021年1月20日(水) 08:10
文字数:2,007

「重力波ビーム砲用意!」

「てぇ!」


――ドォォォン


 赤黒い光線の先にある山脈が、轟音を立てて削れる。


 ……N国への新カリバーン帝国の攻撃が終わっても、未だ地球上で、南半球のルドミラ側の同盟諸国と、北半球側の国連諸国の戦いは続いていた。


 ルドミラ教国は地球での利権を確立すべく、アルデンヌ星系のワームホールを使って、次々に兵力を投入していた。


 なぜなら、地球側の抵抗も大きく、地上戦力の増援が必須だったのである。

 ルドミラ教国は、その持てる戦力の八割強を、アルデンヌ星系及び地球へと振り向けていたのだった……。



「今こそ立ち上がれ!」

「おう!」


 こうした中、ルドミラ勢力圏で、戦力が薄い地域では、迫害されていたアンドロイドたちや、非人族系民族たちが反乱を起こす。


 ルドミラ教の教義は、人族絶対優位のモノだったのだ。

 たまった鬱積は相当なもので、内乱はルドミラ教国の各地へと飛び火。

 大規模な反乱となった……。


 ……民衆の反乱など、武器も持たず、物資も乏しいことが多い。

 よって、安易に反乱は鎮圧されるかにも見えた。



「反乱軍側の攻撃機接近!」

「……や、奴らは何故そのような兵器を持っているのだ!?」


「仕方ない、撤退しろ!」

「了解!」


 意外にも、反乱軍は立派な兵器を携え、ルドミラ各地の地方宇宙港などの要地を占領。

 瞬く間に、地方警備部隊などを追い出した。



「我々は独立を宣言する!」

「……自治を要求する!」


 各地で自治を目指す勢力が勃興した。


 ……しかし、その戦力の出どころとは!?



「お支払いは5年後でよろしくニャ♪」


「いつも助かってるよ!」


 高速戦艦オムライスが、物資を満載したコンテナを反乱軍にコッソリ届ける。


 ……反乱軍の背後にいたのは、造船などの工業力を有していたハンニバル開発公社だった。



「お客さんから注文が入ったニャ♪」


「そんな早く作れないクマ!」


「時は金なりニャ! 急ぐニャ!」

「急ぐポコ!」


 エールパ星系及び、ラム星系の工廠などの工業プラントは、大増産体制でフル稼働だった。


「凄い売り上げですわ!」


「ほとんど売掛だけどね!」


 ……ある種、回収不能になるかもしれない案件であったのだが。

 間接的に、地球への援護となるので、私は反乱軍への武器や物資の供与を推し進めていたのだった……。




☆★☆★☆


「提督もお仕事するニャ!」


 狐耳の猫族であるマルガレーテ嬢に怒られる。



「……でも、何したらいいの?」


「ハンニバルで反乱軍を助けて来るにゃ!」


「ええー!?」


 N国支援でハンニバルは傷つき、メンテナンスに入っていた。



「軽い損傷だから大丈夫ニャ! 会社の売り上げが掛かっているニャ! 急いで行くニャ!」


 ペシペシと尻尾で叩かれる。



「艦長、行くポコ!」

「いきましょうですわ!」


 幕僚の皆様はやる気満々だ……。

 久しぶりにゴロゴロできると思ったら、皆様からお叱りを受けた。


 ……仕方ない、行きますか (`・ω・´)シ




(……三日後)


「ハンニバル出航用意!」

「エネルギーを機関部へ注入、圧力制御良し!」


「機関点火!」

「ハンニバル始動!」


「長距離跳躍開始!」


 ……再び、ハンニバルは戦いの地へと赴いていった。




☆★☆★☆


「危険宙域が続くぞ、気を引き締めろ!」

「了解!」


 ルドミラ教国の搦手側から反乱軍を援護する作戦を立てる。

 よって、主要航路が使えないために、ブラックホールやら中性子性やら、宇宙海獣の巣窟のある危険宙域を通っていた。



「左舷、大型彗星至近!」

「主舵一杯、第二戦速へ!」


 ありとあらゆる障害物をさけ、航海を続ける。




――スキル【邪眼】報告……【航海スキル】が【AA+】に上昇しました!


 特殊スキルである【邪眼】がステータス上昇を教えてくれる。

 このスキルを得てから、PCでステータスを確認する手間が省けていたのだ。



『今日のランチは何だろう?』


――スキル【邪眼】報告……【ハンバーグ】の可能性が89.62%です。



 ……実は、滅茶苦茶どうでもいいことにも使っていた (´・ω・`)


 しかし、ハンバーグなら人気なので、お昼はダッシュで食堂に並ばないとだな。



 私は意外と危険宙域の航海は慣れっこになっていたかもしれない……。




☆★☆★☆


「長距離跳躍ワープアウト!」

「目標星域の外縁部に到達! 近くに敵影確認せず!」


「機関状態も正常ですわ!」


「良し!」

「……では、作戦開始!」


「「「了解!」」」


 ハンニバルは早速、反乱軍の手助けをするために、コソコソ動き回った。

 それは、時には艦砲射撃による支援であり、時には惑星地上軍への航空支援であり、食料などの物資輸送だった。



「……これもお願いしますわ!」


「了解です!」


 しかし、最も頼りにされたのは、ハンニバルの左舷に付属してある簡易修理ドックであった。

 200m級の艦船ならば、半格納の上、修理が出来たのだ。


 ……このサービスは価格を高めに設定していたが、便利だという話が反乱軍全体に伝わり、大盛況であった。



「……い、忙しいクマ!」


 一人、整備班長のクマ殿だけは不満のようだったが……。



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