最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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823 心の底に未だ残っているもの

公開日時: 2023年5月9日(火) 00:21
文字数:2,041

●前回のおさらい●


 半年以上、女性として生きてきた眞子。

それ故に『もう自分が最初から眞子であったと思って欲しい』っと奈緒さんに頼んでみるが。

その考えを他人に頼む行為自体が間違いであり『自分の存在は、自分でアピールするものだ』と奈緒さんに指摘され反省。


そして、そんな眞子を見た奈緒さんは少々『なにかが気になった』のか『今も自分にキス出来るものか?』っと言う質問を投げかけて来た。

「あぁっと、出来ますよ。……あぁ、でもですね。ちょっと複雑な心境ではあるんですよね」

「えぇっと、それは、完全に割り切ってるから難しいって事?」

「いえ、あの……実はその逆なんですよ」

「逆?」

「はい。女の身の上である上に、妹って立場のクセにですね。奈緒ネェにだけは、何故か、無意識の内に体が反応しちゃうんですよね。だから、好きでキスをしようとしてるのは、自分でも十分解ってるんですけど。ただ、それが『男の気持ちでなのか?』『女の気持ちでなのか?』が、実際よく解らない部分ではあるんですよ」

「あぁ、そっか。……ゴメンゴメン。急に無理な事を言っちゃったね」

「あぁ、いえ、そんなそんな。基本的には大丈夫なんですよ。ただ立場的にもどぉなのかなぁって」


そうなんだよね。


恐らくは、これが私の中で、最後に残ってる『男の感覚』だと思うんだけど。

奈緒ネェにだけは、必ずと言って良いほど、妙に体が反応するんだよね。


これが例えばね。

素直ちゃんだとか、真上さん、それに飯綱ちゃんとかだったら『女の子同士のキスはノーカン』っとか、アッケラカンと思えるし。

崇秀とかだったら、普通の女の子の感覚で心底喜べちゃうとは思うんだけど。


事……奈緒ネェに至ってだけは、妙に悩んじゃう。


多分、こうなってる原因って言うのは、本気で愛し合った唯一の相手だからだとは思うんだけど。


……奈緒ネェだけは、ホント、そう言うの複雑なんですよね。



「あぁ、ごめんね、眞子。さっきの話は忘れて。気にしないで良いからね。眞子は、眞子だから」

「あぁっと奈緒ネェ。奈緒ネェが、少しでも気が和らぐなら、キスさせて貰って良いですか?あっ、あの、無理してるとかじゃないですよ」

「うぅ~~ん……微妙」

「えぇっと、それは、どういう事でですかね?」

「いやね。眞子に嫌な想いをさせるなら、もぉ良いかなぁって思うんだよね」

「いえいえ。決して、嫌な訳じゃないんですよ。寧ろ、この状態にあっても『したい』って思う節が多々有りまして。なんと言いましょうか。奈緒ネェの唇って、どんな感触だったかなぁって想っちゃうと……なんか、困った感覚が出て来るんですよね」


早い話、忘れ様が無い位に体が憶えきっちゃってるから、また密かに欲っしてるんだろうね。


自分が女だって解ってるのにね……


あの、凄く手入れが行き届いていて、潤いがあって、プニプニってして、凄く柔らかい奈緒ネェ独特の感触は……キスするだけで、気持ち良くなっちゃうんだよね。


本当に困った感覚ですよ。



「ふふっ、なによそれ?」

「奈緒ネェは、自分の事だから、あんまり解らないかも知れないですけど。奈緒ネェの唇って、奈緒ネェが自分で思ってるより、凄く柔らかくて。キスをすると、心が蕩ける様に、凄く気持ち良くなるんですよね。依存性が高いんですよね」

「そうなんだ。なんか困った薬みたいな言われ様だけど。……あぁ、じゃあ、試しに1回だけしてみよっか。頼める?」

「あぁはい、喜んで」


そう言った後、間髪入れずに早速『チュ』


流石に、もぉディープはしないよ。


でもね。

奈緒ネェの唇に軽く触れただけなのに。

その、あまりの柔らかさに、本当に『脳が蕩けそう』ですよ。


うぅ……贅沢の極み。


……相変わらず極上ですね。



「ふむ……あぁ、そうかぁ。なるほどねぇ。これでよく解ったよ。私は勘違いしてた」

「えっ?えっ?なにがですか?」

「君は、どこまで行っても、ヤッパリ眞子だわ。眞子でしかないわ」

「……っと言いますと?」

「クラはね。薬用リップとかを塗らない子だったから、結構、唇が荒れててガサガサなのよ。眞子みたいに柔らかい唇じゃなかったんだよね。ヤッパ、眞子じゃダメだね」

「あぁ、そりゃあまぁ、そうでしょうけど」

「だからさぁ。眞子の唇を奪っても、所詮『女の子同士のノーカン』って感覚にしかならなかったみたい。期待外れも良い所だよ」

「あぁ、あの、ご期待に沿えず、すみません」


でも、そんなの無理だって奈緒ネェ。

女である以上、唇がガサガサの女なんて最悪じゃないですか。


流石に、そんな杜撰な女には成りたくないですよ。



「あぁ、でもさぁ。眞子の唇の感触は悪くないね。ちょっとクセになる感じ。またしても良い?」

「あぁ、はい。全然良いですよ。やりたい時はジャンジャンやっちゃって下さい。私は、奈緒ネェの事が大好きですから」

「いや……流石に、ジャンジャンはしないけどね。偶にね偶に」

「あぁ……ですよね。なに言ってんでしょうね。……私」


私って……本当に、救いの無いアホですね。


キス魔でもない限り、女の子同士が、そんなそんな、しょっちゅうチュチュカする訳ないのにね。


ホント、アホですね。


……こう言う所が、天然だって言われる所以なんだろうね。


とほほ。



「まぁ、キスの話は、これぐらいで良いとして……それはそうと眞子。最近はどうなの?」


あっ……どうやら話の転換期だと思ったのか、奈緒ネェが次の話題を振ってきましたね。


なら、ちょっとおかしな雰囲気に成ってるので、早速ですが、その話に乗らせて貰いますね。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


どうやら今回の一件は『眞子が何処までキッチリと女性化が進んでいるのか?』を試す為に、奈緒さんが仕掛けた模様。

特に前回『眞子が最初から存在していた様に接して欲しい』っと言われたからこそ、そこが気に成ったものだと思われます。


まぁ此処に関しては、奈緒さん自身もかなり苦労させられている所なので、ある程度ハッキリさせたかった面もあるのかもしれませんね(笑)


さてさて、そんな風に『眞子の状況を確かめた奈緒さん』なのですが。

お節介な奈緒さんにしたら『普段からこんな調子で大丈夫なのかなぁ?』って不安に思い。

次に、眞子の普段の生活も気に成って、こんな質問をしてしまったみたいなのですが。


此処から、少し意外な方向に話が進んでいきますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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