最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
殴り書き書店

555 女性として、素直ちゃんの相談に乗ってみる

公開日時: 2022年8月15日(月) 00:21
更新日時: 2023年1月11日(水) 15:11
文字数:3,176

●前回のおさらい●


 喧嘩しても仲の良い奈緒さんと、千尋ちゃん。

そんな2人をジッと眺める素直ちゃん。


彼女は、一体、この2人に何を感じているのか?

「……良いなぁ」


あっ……このセリフからして。

ひょっとして素直の奴、奈緒さんと、樫田みたいな、あぁ言う関係の友達が居ないのか?


まぁ、この件に関しては数々の思い当たる節が有るだけに。

もしそうなら、あの2人に仲の良い姿を見せ付けられるのは、素直には、ちょっと酷な話だな。


なら、取り敢えずでしかないけど、声ぐらいは掛けてやろう。



「どうかしたの、素直ちゃん?」

「あっ、ごめんなさい。僕、あのお2人が、ちょっと羨ましくて」

「奈緒さんと、樫田さんの事?」

「……うん」

「どうして?」

「うん、僕ね。友達は居るんだけど。向井さんと、樫田さんみたいな関係の友達って1人も居なくって。……だから……」


はぁ~~……やっぱり、此処でビンゴ。


矢張り、その系列の話だったか。


しかも、結構神妙な顔をしてる所を見たら、マジで悩んでる部分みたいだし。

今の言い分からしても、ひょっとしたら2Bの連中とも、まだ上手く行ってない部分があるのかもしれないな。


なら、少し探りを入れてみるか。



「えっ?でも、だったら作らないの?」

「うん、作りたいのは山々なんだけど。……なんか僕、みんなから敬遠されてるみたい」

「そうなの?」

「うん」

「……あぁ、でも『敬遠』されてるって事は、素直ちゃんも悪いよ」

「えっ?僕が悪いの……」


あぁ~~~、気付いてないんだ。

相変わらず、こう言う処だけは、本当にドン臭いんだよな。


素直の奴、今の話の中で、大きな勘違いをしてやがる。


良いか?オマエは『敬遠』されてるんじゃなく、まずにして『自分から、相手の領域に踏み込んでない』だけなんだよ。

そうやって、いつも自分の体裁バッカリ気にした行動を取るから、伊藤や由佳、それに2B-GUILDの連中も、オマエと言う人間にも一歩が踏み込めないでいる。

故にアイツ等は、オマエが、なにを考えてるか解らないから、オマエとの距離を取らざるを得ないんだよな。


いや、待てよ。

……って事はだな。

伊藤の件も、素直が嫌がるのが解ってて『リップを使ってた可能性』もあるな。


特に伊藤は周りをよく見てるから。

素直に何か感じる所があって、そう言う行動に出たパターンも考えられそうだ。


まぁ、つっても、これは予想の範囲でしかないし。

この辺の素直の人間関係のデータが今は使えない状態だから、そこまで込み入った話は出来無いけどな。


それでも、なんとかして素直の心の中にある『みんなに対する蟠り』や『思い込みをしてる部分』だけでも取り除いてやりたいもんだな。


それが上手く伝わるかは、完全に賭けだがな。



「うん」

「なんで?どうして、僕が悪いの?」

「あのね、素直ちゃん。人から敬遠されるって事はね。素直ちゃんが、相手に心を開いてる様に見えないからなんだよ」

「どうして?逢ったばかりの眞子ちゃんに、そんな事が解るの?」

「だって、素直ちゃん、さっき言ったじゃない。『人に嫌われるのが怖い』って」

「それが、僕のこの状態に、なにか関係あるんですか?」

「あるよ。『人に嫌われるのが怖い』からって、素直ちゃんは体裁を気にし過ぎてるんじゃないかな?だから素直ちゃんが、そんな体裁の仮面を被って相手に接するから、当然、相手も仮面を被らざるを得ない。これじゃあ、いつまで経っても、本音でぶつかり合う関係には成らないと思うよ」

「じゃあ、僕。……無意識の内に、自分から、みんなとの間に壁を作ってたって事?」


素直じゃのぉ。


じゃあ、素直序に、素直って言葉を使って上手く話してみるかのぉ。



「そぉだね。だから、これから素直ちゃんは自分の名前の通り、自分の素直な気持ちを、もっと相手にぶつけてみたら良いんじゃないかな?ご両親も、そう言う気持ちで、素直ちゃんに『素直』って名前を付けたと思うしね」


こんなん、どうでっしゃろか?


『素直』って言葉を、4回程使ってみました。

(↑初対面設定なので、意外と気楽に喋ってる俺)



「そぉかぁ。……でも、なんか可笑しな話ですよね。素直って名前のクセに、みんなの中で一番素直じゃないなんて、飛んだお笑い草ですね」

「そうじゃないよ。今までは、偶々、素直な気持ち表に出せなかっただけ。だから、これからは、嫌われるのを恐れるんじゃなくて。そう言う嫌われそうな部分も全部ひっくるめて、みんなには、素直ちゃんを好きになって貰えれば良いんじゃないかな」

「そっかぁ。はぁ……眞子ちゃんは凄いなぁ。あんなに悩んでた僕の悩みを、こんなに簡単に解決しちゃうなんて……でも、僕なんかに出来るかなぁ?」

「無理せず一歩一歩進めば、きっと出来ると思うよ。頑張ってみて」

「うっ、うん……ありがとう、眞子ちゃん。僕、少しづつでも頑張ってみる」

「うん♪」


オイオイ……自分に浸っちゃって、調子の乗っちゃってくれてる俺ちゃんよぉ。

この眞子ちゃんの設定は、あまりにも良い人過ぎて、俺にはハードル高すぎるんじゃねぇか?

(↑真上さんの基準にした弊害)


元に戻らなかったら、俺が、ズッと、これしなきゃイケネェんだぞ!!


冗談じゃねぇぞ!!

ちぃっとは、俺の立場も考えたらんかい!!


……まぁこうやって、少しでも自分のやりすぎた感を消そうと思って、自分相手に文句を垂れてる訳なんですがね。


結局の所、自業自得なんですけどね……


ヘイヘイ、どうせあっしは、調子乗りの馬鹿ですよ。

(↑自爆する俺)


……あぁけど、奈緒さんの希望する好感度だけは高そうな設定だな。


じゃ良いか。

奈緒さん、たっての希望だしねぇ~。


眞子は良い子で居よ。



「あの、眞子ちゃん」

「うん?どうしたんですか?」

「眞子ちゃんって、今、幾つなんですか?」

「私ですか?私なら、素直ちゃんと同い年ですよ」

「えぇ、嘘。そんなにシッカリしてるのに、同い年なんですか?凄い眞子ちゃん!!僕も、ツマラナイ事でウジウジ悩んでないで、眞子ちゃんを見習わなくっちゃ」


そんなに褒めるねぇい、素直。


そりゃあ、あっし事、倉津眞子は、完璧なアマですぜ。

可愛くて、プロポーションが良くて、優しい。

男が求める『理想の乙女ちゃん』ですからねぇい。


まぁ、唯一の問題としては、この眞子って存在が、いつ消えるかわかんねぇ事ぐらいだな。


つぅか、馬鹿で、厳つくて、ヤクザって罵られても良いから、早く男に戻りてぇ~~~。


色んな意味で、女は疲れるよ……



「そんな……私なんて、世間知らずの、ただの田舎者ですよ。素直ちゃんが思う様な凄い人間じゃないんです」

「そんな事ない!!」


急に怒られた!!


なんで?



「えっ?」

「眞子ちゃんは頭が良くて、優しくて、女の僕から見ても凄く可愛い。僕にとって、眞子ちゃんは凄い人なんです!!」


幻想ですよ。


でも、褒めてくれてありがとう。

俺は褒められるのが大好きな生き物だからな。



「じゃあ、素直ちゃん。今の私を見るみたいな感じで、他のみんなも見てみたらどうかな?そうすれば素直ちゃんも、みんなの事、もっと好きになれる筈だから」

「うぅ……もぉ、眞子ちゃんの意地悪。そうやって、前の話を上手く噛み合わせるんだから」

「クスッ、ごめん」

「ワザとやるなんて、眞子ちゃん酷い」


あらら、オィちゃん、いつの間に、そんな器用な真似してたんだろうな?


今のは、偶然の産物。

全然、そう言うのは意識してなかったんだけどな。

今回に至っても、偶々、話が繋がっただけにすぎないんだけどな(笑)


あぁいや、ちょっと待てよ。

……って事は、あれだな。

こう言う偶然的な話を、作為的に合わせる事が出来れば、崇秀や、奈緒さんのやってる事が再現出来るって事だよな。


なるほど、あれって、そう言う原理だったんだな。


……ってか、俺、眞子になってからの方が、頭の回転良くなってねぇか?

だったら、いっその事、眞子のままで、もっと賢くなった方が良いのかもな。


それに、元の俺より人徳有りそうだし。


しかしまぁ、これは余りにも悲しい現実だな……



そんな風に、無駄な気落ちしてるフリをしていると……


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


自分も大変な状態なのに、素直ちゃんの事が気になって仕方がないのか。

此処でお節介魔人の倉津真琴が顔を出して、素直ちゃんの悩みを解決してきましたね(笑)


まぁ、此処に関しましては、持って産まれた性分と言いましょうか、育ってきた環境のせいと言いましょうか。

実際は『素直ちゃんより、人に嫌われる事を恐れてる面があります』ので。

こうやって、自分の事を差し置いてでも、人の相談に乗ろうとするのでしょうね。


……奈緒さんや、崇秀には甘え捲ってますが(笑)


さてさて、そんな風に、素直ちゃんの悩みを軽く解決した所で、なにやら、また起こりそうな雰囲気。


今度は、何が起こるのか?


それは次回の講釈なので。

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


……女子はイベントが多いのぉ(;´д`)トホホ

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート