●前回のおさらい●
喧嘩しても仲の良い奈緒さんと、千尋ちゃん。
そんな2人をジッと眺める素直ちゃん。
彼女は、一体、この2人に何を感じているのか?
「……良いなぁ」
あっ……このセリフからして。
ひょっとして素直の奴、奈緒さんと、樫田みたいな、あぁ言う関係の友達が居ないのか?
まぁ、この件に関しては数々の思い当たる節が有るだけに。
もしそうなら、あの2人に仲の良い姿を見せ付けられるのは、素直には、ちょっと酷な話だな。
なら、取り敢えずでしかないけど、声ぐらいは掛けてやろう。
「どうかしたの、素直ちゃん?」
「あっ、ごめんなさい。僕、あのお2人が、ちょっと羨ましくて」
「奈緒さんと、樫田さんの事?」
「……うん」
「どうして?」
「うん、僕ね。友達は居るんだけど。向井さんと、樫田さんみたいな関係の友達って1人も居なくって。……だから……」
はぁ~~……やっぱり、此処でビンゴ。
矢張り、その系列の話だったか。
しかも、結構神妙な顔をしてる所を見たら、マジで悩んでる部分みたいだし。
今の言い分からしても、ひょっとしたら2Bの連中とも、まだ上手く行ってない部分があるのかもしれないな。
なら、少し探りを入れてみるか。
「えっ?でも、だったら作らないの?」
「うん、作りたいのは山々なんだけど。……なんか僕、みんなから敬遠されてるみたい」
「そうなの?」
「うん」
「……あぁ、でも『敬遠』されてるって事は、素直ちゃんも悪いよ」
「えっ?僕が悪いの……」
あぁ~~~、気付いてないんだ。
相変わらず、こう言う処だけは、本当にドン臭いんだよな。
素直の奴、今の話の中で、大きな勘違いをしてやがる。
良いか?オマエは『敬遠』されてるんじゃなく、まずにして『自分から、相手の領域に踏み込んでない』だけなんだよ。
そうやって、いつも自分の体裁バッカリ気にした行動を取るから、伊藤や由佳、それに2B-GUILDの連中も、オマエと言う人間にも一歩が踏み込めないでいる。
故にアイツ等は、オマエが、なにを考えてるか解らないから、オマエとの距離を取らざるを得ないんだよな。
いや、待てよ。
……って事はだな。
伊藤の件も、素直が嫌がるのが解ってて『リップを使ってた可能性』もあるな。
特に伊藤は周りをよく見てるから。
素直に何か感じる所があって、そう言う行動に出たパターンも考えられそうだ。
まぁ、つっても、これは予想の範囲でしかないし。
この辺の素直の人間関係のデータが今は使えない状態だから、そこまで込み入った話は出来無いけどな。
それでも、なんとかして素直の心の中にある『みんなに対する蟠り』や『思い込みをしてる部分』だけでも取り除いてやりたいもんだな。
それが上手く伝わるかは、完全に賭けだがな。
「うん」
「なんで?どうして、僕が悪いの?」
「あのね、素直ちゃん。人から敬遠されるって事はね。素直ちゃんが、相手に心を開いてる様に見えないからなんだよ」
「どうして?逢ったばかりの眞子ちゃんに、そんな事が解るの?」
「だって、素直ちゃん、さっき言ったじゃない。『人に嫌われるのが怖い』って」
「それが、僕のこの状態に、なにか関係あるんですか?」
「あるよ。『人に嫌われるのが怖い』からって、素直ちゃんは体裁を気にし過ぎてるんじゃないかな?だから素直ちゃんが、そんな体裁の仮面を被って相手に接するから、当然、相手も仮面を被らざるを得ない。これじゃあ、いつまで経っても、本音でぶつかり合う関係には成らないと思うよ」
「じゃあ、僕。……無意識の内に、自分から、みんなとの間に壁を作ってたって事?」
素直じゃのぉ。
じゃあ、素直序に、素直って言葉を使って上手く話してみるかのぉ。
「そぉだね。だから、これから素直ちゃんは自分の名前の通り、自分の素直な気持ちを、もっと相手にぶつけてみたら良いんじゃないかな?ご両親も、そう言う気持ちで、素直ちゃんに『素直』って名前を付けたと思うしね」
こんなん、どうでっしゃろか?
『素直』って言葉を、4回程使ってみました。
(↑初対面設定なので、意外と気楽に喋ってる俺)
「そぉかぁ。……でも、なんか可笑しな話ですよね。素直って名前のクセに、みんなの中で一番素直じゃないなんて、飛んだお笑い草ですね」
「そうじゃないよ。今までは、偶々、素直な気持ち表に出せなかっただけ。だから、これからは、嫌われるのを恐れるんじゃなくて。そう言う嫌われそうな部分も全部ひっくるめて、みんなには、素直ちゃんを好きになって貰えれば良いんじゃないかな」
「そっかぁ。はぁ……眞子ちゃんは凄いなぁ。あんなに悩んでた僕の悩みを、こんなに簡単に解決しちゃうなんて……でも、僕なんかに出来るかなぁ?」
「無理せず一歩一歩進めば、きっと出来ると思うよ。頑張ってみて」
「うっ、うん……ありがとう、眞子ちゃん。僕、少しづつでも頑張ってみる」
「うん♪」
オイオイ……自分に浸っちゃって、調子の乗っちゃってくれてる俺ちゃんよぉ。
この眞子ちゃんの設定は、あまりにも良い人過ぎて、俺にはハードル高すぎるんじゃねぇか?
(↑真上さんの基準にした弊害)
元に戻らなかったら、俺が、ズッと、これしなきゃイケネェんだぞ!!
冗談じゃねぇぞ!!
ちぃっとは、俺の立場も考えたらんかい!!
……まぁこうやって、少しでも自分のやりすぎた感を消そうと思って、自分相手に文句を垂れてる訳なんですがね。
結局の所、自業自得なんですけどね……
ヘイヘイ、どうせあっしは、調子乗りの馬鹿ですよ。
(↑自爆する俺)
……あぁけど、奈緒さんの希望する好感度だけは高そうな設定だな。
じゃ良いか。
奈緒さん、たっての希望だしねぇ~。
眞子は良い子で居よ。
「あの、眞子ちゃん」
「うん?どうしたんですか?」
「眞子ちゃんって、今、幾つなんですか?」
「私ですか?私なら、素直ちゃんと同い年ですよ」
「えぇ、嘘。そんなにシッカリしてるのに、同い年なんですか?凄い眞子ちゃん!!僕も、ツマラナイ事でウジウジ悩んでないで、眞子ちゃんを見習わなくっちゃ」
そんなに褒めるねぇい、素直。
そりゃあ、あっし事、倉津眞子は、完璧なアマですぜ。
可愛くて、プロポーションが良くて、優しい。
男が求める『理想の乙女ちゃん』ですからねぇい。
まぁ、唯一の問題としては、この眞子って存在が、いつ消えるかわかんねぇ事ぐらいだな。
つぅか、馬鹿で、厳つくて、ヤクザって罵られても良いから、早く男に戻りてぇ~~~。
色んな意味で、女は疲れるよ……
「そんな……私なんて、世間知らずの、ただの田舎者ですよ。素直ちゃんが思う様な凄い人間じゃないんです」
「そんな事ない!!」
急に怒られた!!
なんで?
「えっ?」
「眞子ちゃんは頭が良くて、優しくて、女の僕から見ても凄く可愛い。僕にとって、眞子ちゃんは凄い人なんです!!」
幻想ですよ。
でも、褒めてくれてありがとう。
俺は褒められるのが大好きな生き物だからな。
「じゃあ、素直ちゃん。今の私を見るみたいな感じで、他のみんなも見てみたらどうかな?そうすれば素直ちゃんも、みんなの事、もっと好きになれる筈だから」
「うぅ……もぉ、眞子ちゃんの意地悪。そうやって、前の話を上手く噛み合わせるんだから」
「クスッ、ごめん」
「ワザとやるなんて、眞子ちゃん酷い」
あらら、オィちゃん、いつの間に、そんな器用な真似してたんだろうな?
今のは、偶然の産物。
全然、そう言うのは意識してなかったんだけどな。
今回に至っても、偶々、話が繋がっただけにすぎないんだけどな(笑)
あぁいや、ちょっと待てよ。
……って事は、あれだな。
こう言う偶然的な話を、作為的に合わせる事が出来れば、崇秀や、奈緒さんのやってる事が再現出来るって事だよな。
なるほど、あれって、そう言う原理だったんだな。
……ってか、俺、眞子になってからの方が、頭の回転良くなってねぇか?
だったら、いっその事、眞子のままで、もっと賢くなった方が良いのかもな。
それに、元の俺より人徳有りそうだし。
しかしまぁ、これは余りにも悲しい現実だな……
そんな風に、無駄な気落ちしてるフリをしていると……
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
自分も大変な状態なのに、素直ちゃんの事が気になって仕方がないのか。
此処でお節介魔人の倉津真琴が顔を出して、素直ちゃんの悩みを解決してきましたね(笑)
まぁ、此処に関しましては、持って産まれた性分と言いましょうか、育ってきた環境のせいと言いましょうか。
実際は『素直ちゃんより、人に嫌われる事を恐れてる面があります』ので。
こうやって、自分の事を差し置いてでも、人の相談に乗ろうとするのでしょうね。
……奈緒さんや、崇秀には甘え捲ってますが(笑)
さてさて、そんな風に、素直ちゃんの悩みを軽く解決した所で、なにやら、また起こりそうな雰囲気。
今度は、何が起こるのか?
それは次回の講釈なので。
また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
……女子はイベントが多いのぉ(;´д`)トホホ
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