●前回のおさらい●
会話の中で、イケメンであるカジ君が、千尋ちゃんに憧れを抱いている事が判明して驚く倉津君。
だが、もし、そのカジ君の気持ちが本気ならば、っと考え。
倉津君はカジ君の気持ちを伝える為に、千尋ちゃんへ『歌謡コンクールに纏わる宣言』をさせる事にした。
(但し、面白半分な部分もあり(笑))
「あっ、はい。俺、滅茶苦茶、頑張って、絶対にコンテストで優勝してみせます!!だから、その、あの、厚かましいお願いなんですけど。もし優勝出来たら、俺と、友達から始めて下さい!!」
告白ですか?
いやいやいやいや、イケメンのオマエが、ホントに、そんな事を軽々しく言って良いのか?
千尋だぞ。
それ……千尋なんだぞ。
「勿論、良いよ。けど、優勝出来なかったら、一生赤の他人として扱うわよ。それでも良い?」
「あっ、はい、なにがあっても、絶対に優勝してみせます!!見てて下さい!!」
「あはは……頼もしいね」
「そりゃあ、当然ですよ。樫田先輩は、俺の中学入学以来からの憧れですからね。よっしゃあぁ~~~!!これで気合入って来たぞ!!」
「なんかスゲェな……」
そんなに気合が入る程、こんな電波な生き物が好きだったなんてな。
おかしな奴だな。
オマエ、昔、怪獣じゃあ『エレキング』が好きだったろ。
いや、待てよ。
……って事はなにか?
ひょっとしてコイツが、今まで女の告白を断ってきたのって、千尋の為か?
もしそれが本当なら、驚きの事実だな。
「まぁ、兎に角だ。今日の練習は休みにすっから。千尋、少しカジに付き合ってやってくれ」
「私は良いけど。アンタは、これからどうするの?奈緒ん所にでも行くの?」
「いや、奈緒さん家に行くのは夜からだ。今から行くのは別口だ」
「奈緒の所じゃないとしたら、どこ行くのよ?」
「うん?オマエがストック分のメイド服を使うって事は、咲さんも文化祭に来るんだろ。そうなったら、色々な人間が俺のクラスにやって来る可能性が高い。だから、5着の予備衣装だけじゃ心許ないから、追加注文しに行くんだよ」
「ふ~~~ん。けど、文化祭まで、後1週間もないんでしょ。アンタ、そんなんで大丈夫なの?」
「当たり前だっつぅの。世の中にはな。テメェなんぞの許容範囲じゃ図れない『天才』って生き物が、多岐に渡って存在するんだよ。ある人に頼みゃあ、んなもん一撃なんだよ」
「天才って……早い話、要様や、ヒデみたいな感じ?」
「そういうこった」
いやいや、オマエの思っている武藤先生なんかより、その人は、もっとスケールのデカイ天才なんだぞ。
真上さんって言ってな。
この人の存在は、要以上に天才だ!!
それになにより、どっかの誰かさん達みたいに性格も悪くないし、兎に角、見た目も良い!!
まさに、完璧を具象化した様な人だ!!
だから、この程度の問題は大丈夫!!
これ、間違いなし!!
……ってか、オマエ『要様』ってなんだよ?
「まぁ、つぅこったから、オマエは余計な事を考えず、安心してカジに付き合ってやってくれ」
「あぁうん。わかった」
おっ、樫田の奴、俺に突っ掛かって来ず、素直に意見を聞くって事は……さっきのカジの告白紛いの行為を、割かし好印象に受け取ったみたいだな。
実に面白い展開になってきたな。
じゃあ、俺が此処でする事は1つだな。
「おぉ、んじゃま。取り敢えず、オマエの衣装でも頼みに行ってくらぁ」
「うん。しっかり頼んだわよ、ダーリン」
「やかましいわ!!ダーリン言うな!!」
ってな感じでだな。
2人だけの空間をプロデュースする為だけに。
樫田及び、カジを、その場に置いて、俺は立ち去る。
カッコ良過ぎだな俺。
(↑キモイ・ナルシスト野郎な俺)
***
いやはや、それにしても、さっきは驚きだったねぇ。
樫田の、あの妙に素直な態度もそうなんだが……あのイケメンモテ男のカジが、まさか樫田の為なんぞに『操を立ててる』とは思いも寄らなかったよ。
どこが良いのかは知らねぇが、世の中、なにが有ったものか、わかんねぇもんだな。
……とか、まるで他人事の様に言ってる俺なんだがな。
その『世の中、なにが有ったものか、わかんねぇもんだな』が、俺にも降り掛かってくる。
ホント、解らんもんだな。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
カジ君、どうやら本気で千尋ちゃんに憧れを抱いていたみたいですね。
それを言葉にキッチリ出来る所なんて、まさに本気だと言えるでしょう。
さてさて、そんな中。
練習が休みになったので、また懲りずに真上さんの所に行こうとする倉津君ですが……
此処で意外な光景を目にする事に成ります。
それは、一体何なのか?
そこはまた次回の講釈ですので、良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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