最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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380 カジ君の決意ある宣言

公開日時: 2022年2月21日(月) 00:21
更新日時: 2022年12月27日(火) 15:39
文字数:1,540

●前回のおさらい●


 会話の中で、イケメンであるカジ君が、千尋ちゃんに憧れを抱いている事が判明して驚く倉津君。


だが、もし、そのカジ君の気持ちが本気ならば、っと考え。

倉津君はカジ君の気持ちを伝える為に、千尋ちゃんへ『歌謡コンクールに纏わる宣言』をさせる事にした。

(但し、面白半分な部分もあり(笑))

「あっ、はい。俺、滅茶苦茶、頑張って、絶対にコンテストで優勝してみせます!!だから、その、あの、厚かましいお願いなんですけど。もし優勝出来たら、俺と、友達から始めて下さい!!」


告白ですか?


いやいやいやいや、イケメンのオマエが、ホントに、そんな事を軽々しく言って良いのか?


千尋だぞ。


それ……千尋なんだぞ。



「勿論、良いよ。けど、優勝出来なかったら、一生赤の他人として扱うわよ。それでも良い?」

「あっ、はい、なにがあっても、絶対に優勝してみせます!!見てて下さい!!」

「あはは……頼もしいね」

「そりゃあ、当然ですよ。樫田先輩は、俺の中学入学以来からの憧れですからね。よっしゃあぁ~~~!!これで気合入って来たぞ!!」

「なんかスゲェな……」


そんなに気合が入る程、こんな電波な生き物が好きだったなんてな。


おかしな奴だな。


オマエ、昔、怪獣じゃあ『エレキング』が好きだったろ。


いや、待てよ。

……って事はなにか?

ひょっとしてコイツが、今まで女の告白を断ってきたのって、千尋の為か?


もしそれが本当なら、驚きの事実だな。



「まぁ、兎に角だ。今日の練習は休みにすっから。千尋、少しカジに付き合ってやってくれ」

「私は良いけど。アンタは、これからどうするの?奈緒ん所にでも行くの?」

「いや、奈緒さん家に行くのは夜からだ。今から行くのは別口だ」

「奈緒の所じゃないとしたら、どこ行くのよ?」

「うん?オマエがストック分のメイド服を使うって事は、咲さんも文化祭に来るんだろ。そうなったら、色々な人間が俺のクラスにやって来る可能性が高い。だから、5着の予備衣装だけじゃ心許ないから、追加注文しに行くんだよ」

「ふ~~~ん。けど、文化祭まで、後1週間もないんでしょ。アンタ、そんなんで大丈夫なの?」

「当たり前だっつぅの。世の中にはな。テメェなんぞの許容範囲じゃ図れない『天才』って生き物が、多岐に渡って存在するんだよ。ある人に頼みゃあ、んなもん一撃なんだよ」

「天才って……早い話、要様や、ヒデみたいな感じ?」

「そういうこった」


いやいや、オマエの思っている武藤先生なんかより、その人は、もっとスケールのデカイ天才なんだぞ。


真上さんって言ってな。

この人の存在は、要以上に天才だ!!


それになにより、どっかの誰かさん達みたいに性格も悪くないし、兎に角、見た目も良い!!


まさに、完璧を具象化した様な人だ!!


だから、この程度の問題は大丈夫!!


これ、間違いなし!!



……ってか、オマエ『要様』ってなんだよ?



「まぁ、つぅこったから、オマエは余計な事を考えず、安心してカジに付き合ってやってくれ」

「あぁうん。わかった」


おっ、樫田の奴、俺に突っ掛かって来ず、素直に意見を聞くって事は……さっきのカジの告白紛いの行為を、割かし好印象に受け取ったみたいだな。


実に面白い展開になってきたな。


じゃあ、俺が此処でする事は1つだな。



「おぉ、んじゃま。取り敢えず、オマエの衣装でも頼みに行ってくらぁ」

「うん。しっかり頼んだわよ、ダーリン」

「やかましいわ!!ダーリン言うな!!」


ってな感じでだな。


2人だけの空間をプロデュースする為だけに。

樫田及び、カジを、その場に置いて、俺は立ち去る。


カッコ良過ぎだな俺。

(↑キモイ・ナルシスト野郎な俺)


***


 いやはや、それにしても、さっきは驚きだったねぇ。

樫田の、あの妙に素直な態度もそうなんだが……あのイケメンモテ男のカジが、まさか樫田の為なんぞに『操を立ててる』とは思いも寄らなかったよ。

どこが良いのかは知らねぇが、世の中、なにが有ったものか、わかんねぇもんだな。


……とか、まるで他人事の様に言ってる俺なんだがな。

その『世の中、なにが有ったものか、わかんねぇもんだな』が、俺にも降り掛かってくる。


ホント、解らんもんだな。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


カジ君、どうやら本気で千尋ちゃんに憧れを抱いていたみたいですね。

それを言葉にキッチリ出来る所なんて、まさに本気だと言えるでしょう。


さてさて、そんな中。

練習が休みになったので、また懲りずに真上さんの所に行こうとする倉津君ですが……


此処で意外な光景を目にする事に成ります。


それは、一体何なのか?

そこはまた次回の講釈ですので、良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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