●前回のおさらい●
生理についての予備知識を倉津君に教えた後。
用事の多い崇秀は、時間のロスを防ぐ為にも、そのまま帰ろうとするのだが。
『何故、そこまで時間に拘るのか?』が気になった倉津君は……
「なぁ、オイ、崇秀よぉ」
「なんだよ?」
「なんでオマエは、いつもそこまでするんだよ?人間なんだからよぉ。少しぐらいなら、ゆっくりしても良いんじゃねぇのか?」
「いいや。そんな誰しもが考える様な一般的な思考じゃあ、全然ダメなんだよ」
「なんでだよ?なんでダメなんだよ?」
「アホかオマエは?オマエが、毎度毎度俺に『ドライ』だとか言うからだよ」
「はぁ?」
「……だから、テメェがグゥの音も出ねぇ位、徹底的にドライじゃない様になってやろうって思ったんじゃねぇかよ。その結果が、これってっ訳だな」
いいいぃぃいいぃいぃぃ~~~!!
コイツが、こんな変態的な行動を起こす様に成った理由って。
あの、俺が何気に言った、たった一言が引き金になってたって言うのかよ!!(序章17話参照)
……ってか!!コイツの頭がおかしく成っちまったのって、完全に俺のせいな訳?
いやいやいやいや、つぅか、なんでオマエは、そんな適当に言った俺の言葉なんぞを真に受けてんだよ!!
今更そんな事を言われても、責任なんか取れねぇぞ……
「いやいや、オマエ馬鹿だろ!!そんな何気に言った言葉を真摯に受け止めてんじゃねぇよ!!んな事言われたら、こっちが気づつないわ!!」
「いやいや、それが、そうでもないんだよ」
「だから、なにがだよ?」
「いやな。オマエが言い放ったドライに生きないって言葉はな。言い換えれば、全てがポジティブな方向に向く様な話にも変換出来るんだよ。それに、ドライじゃなく、クールにモノを考えりゃあ、取捨選択の際に必要ない物を綺麗さっぱり削除しやすくなる。これ=頗る効率が良くなって行くってこったな。だからな。こう思わせてくれたオマエには、寧ろ、スゲェ感謝してるんだぜ」
このキチガイめ……
また、なにを訳の解らん理屈を……
「病気だコイツ……」
「まぁまぁ、この話については、俺の病気の原因である病原体ウィルスはオマエだったってだけの話だ。だから、これからも効率を上げる為にも良い助言をたっぷりしてくれよな」
「あのなぁ。そんな風に言われたら、オマエと喋るのが怖くなって来たわ……」
「あっそ。そりゃあ、今の、お互いにとっちゃあ好都合じゃねぇか。……じゃあ、帰るな」
そこに行き付くのかよ!!
なんだかんだ言って、結局は、さっきの『帰る話』と無理矢理繋げて、さっさと家に帰りたいだけだったのかよ!!
なにが『お互い好都合』だ!!
ホントオマエだけは、なんで毎度毎度そう言う事をするかなぁ?
マジで性格悪いな!!
けど、崇秀よぉ。
そんな意地の悪い事を言わずに、もぉちょっとぐらい俺に付き合えってくれたって良いんじゃねぇの?
それ位は付き合ってくれても、俺は罰は当たらないと思うよ。
今は痛みも引いて来たとは言え、まだまだ『初潮』の件で、意外と精神的に不安なんだからよ。
解っててもな。
またアソコから血が噴き出してくると思ったら、内心は、滅茶苦茶怖いんだぞ!!
「オマエなぁ。その言い方は、あまりにも意地が悪過ぎるぞ」
「なにがだよ?なにが意地が悪いんだよ?」
「なにがも糞も、友達が『初潮』を迎えて精神的にも不安定な状態なんだから、俺が何も言わずとも、ちょっとは労わってくれてもいいんじゃねぇの?」
「はぁ……なんだよ、それ?オマエって、ほとほと面倒臭い女だな」
「コンニャロ~~~!!言うに事欠いて、面倒臭い女とか言うな!!」
「あぁはいはい……じゃあ、わかったよ。向井さんが帰って来るまで居てやる。それで良いんだろ?」
「マジか!!」
「……が、交換条件として、此処の電源を勝手に使わして貰うぞ」
「おっ、おぅ、それ位なら全然構わねぇぞ」
「それと、その作業をしてる間は、俺の邪魔だけはすんなよ。その条件でいいなら居てやる。これも出来るか?」
「その条件で居てくれるのかよ?」
そんな条件だけで良いんか?
「なにが『居てくれるのかよ?』だよ。……ったく、人の邪魔ばっかりし腐りやがって」
「そういうなよ」
「あぁもぉ、そんな御託は良いから、テメェは、体に変調が起こっちゃイケネェから、余計なお喋りしようとかせずに大人しく寝てやがれつぅの」
「えっ?あぁ、はい、すんません」
あれ?なんだなんだ?
この発言、口では意地の悪い事を言ってても、実は、ちょっと位なら俺の事を心配してくれてたりする?
いや、ひょっとして、これって、自分が居たら、俺が落ち着けないって思って、その辺を考慮してくれてんじゃねぇの?
・・・・・・
うむうむ、気遣いが出来るコイツなら、これは有り得なくもない話だな。
第一この眞子の容姿は、大学生(片倉さん一行)を魅了出来るぐらい可愛いしな。
けど、そうなら、そうってハッキリ言えよぉ。
もぉ『ツンデレさん』なんだからぁ……
「あの、崇秀……」
「黙れモブ……」
「えっ?」
「向井さんが帰って来るまで俺に話し掛けて来るな、つってんのが訳んねぇのか?」
「えっ?えっ?」
「そうやって約束を違えるつもりなら即帰るぞ」
「えっ?えっ?えっ?あぁ、あの、はい……すんまそん」
……違いましたね、全然違いましたね。
ちょっと話し掛けただけなのに、思いっ切りジロッて睨まれたんで『ツンデレの件』は完全に俺の勘違いでしたね。
なので此処からは、大人しく黙ってます。
この様子じゃあ、マジで邪魔なだけな様ですからな。
……でもな。
これは変な意味じゃなくて、コイツが此処に居てくれたら、本当に安心なんだよな。
医学だろうと、一般的な学問だろうと、雑学的な知識だろうと、知識的な部分なら、取り敢えずコイツなら、なんでも知ってそうだから、なにか俺の身に緊急事態が起こっても、慌てる事も無く、必ず、何かしろの対処はとってくれそうなんだもんよ。
そう言う面での安心感だけは、マジでピカイチな男だからな。
いやはや、基本的にはこんな風に嫌な野郎だが、実際は本当に役に立つ男だよ。
そんな崇秀に対する絶対的な安心感から来るものなのかはしらないが。
俺は自身も気付かぬ内に、気が抜けてしまっていたのか、炬燵に入ったまま熟睡してしまっていた……
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
なんだかんだ言ってても。
お互いに絶大な信用があるからこそ、こう言う関係が成り立ってるんでしょうね(笑)
まぁ一見したら、倉津君が、崇秀に我儘ばかり言ってる様に見えるのですが。
倉津君にすれば、絶対的な信用がある崇秀だからこそ、この場に居て欲しいのでしょうし。
崇秀にしても、倉津君が不安で一杯な気持ちに成ってるのを汲み取っているからこそ、この場に残る事を選択しているんでしょうしね。
罵り合ってても、ホント仲が良いんですよ、この2人は(笑)
さてさて、そんな中。
崇秀が居てくれる事に、妙な安心感が芽生えてしまったのか、熟睡してしまった倉津君なのですが。
こうやって崇秀が居残ってるだけに、目覚めた時、何かが起こっているのかもしれません(笑)
その辺を次回は書いて行こうと思いますので。
少しでもそこが気になりましたら、是非、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
読み終わったら、ポイントを付けましょう!