最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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447 本質

公開日時: 2022年4月29日(金) 00:21
更新日時: 2023年1月2日(月) 14:54
文字数:4,143

●前回のおさらい●


 ステラさんと再会の後、ライブに参加したそうな雰囲気だったので。

ある条件を付けてステラさんに参加を促すが、その条件と言うのが『うちの学校の制服を着て演奏しろ』っと言う己が欲望に忠実な条件だった。


そんな話を聞いて、ステラさんが素直に服従する事がある訳がないので、当然揉めるが。

倉津君は、そんな彼女に対して『ある駆け引き』をする事にした。


上手く行くか!!(笑)

「……真琴」

「なんだよ?言っておくがな。さっきの話をぶり返す様な真似はすんなよ」

「あっ……」


よし!!

なんだかステラっぽくない、良い反応が返って来やがったぜ!!


ステラがこの調子なら、やれるぞ俺!!



「っで、なんなんだよ?」

「確認です」

「なんのだよ?今更、なんの確認をする必要があるって言うんだよ?」

「私個人としては、とても不本意なのですが。制服を着ないとコンテストには出れないんですよね?」

「いいや、別にぃ。着たくねぇつぅんなら、無理強いはしねぇ。着ても、着なくても、出場するぐらいなら、別に、どっちでも良いんじゃねぇの。問題ねぇだろ」

「あぁ……」


うぉ!!困ってる!!


コイツと出逢ってから、初めて、こんな表情をしやがったよ!!


これってよぉ。

なに事に対しても、なんの動揺もする事無く。

いつも、ふてぶてしい態度を取り続けてたステラが、心底困ってるって事だよな。


普段見れない表情だけに……かなり嗜虐心がそそられるな。


きっとこれは、意地悪な神様が、極稀に送ってくれる、俺への粋な『ギフト』だ。


このチャンスを逃す事無く、最大限に生かして、もっと虐めたろ。

(↑相手が弱ったら、直ぐにそこに付け込むクズ)



「なんだよ?オマエの聞きたい事って、それだけか?」

「まぁ……」


ぬぬぬぬぬぬぬぬ……良いぞ、良いぞ、その表情!!

その眉毛が八の字になって困り果てた表情を、もっと、おぃちゃんに見せちくり!!


レア過ぎて……堪んね。


……うぅ~~~、けどなぁ。

こんな底意地の悪い事を続けるのに、なんか意味があんのか?

これじゃあ、ただ単に、妥協してくれたステラを虐めてるだけな様な気がするんだよな。


それによぉ。

元を正せば、俺が自分勝手に盛り上がって、不条理な要求を押し付けてるだけだもんな。


ステラに、こんな表情をさせてれるのは、基本的な部分で、なんか間違ってる。


大体にして、こんなの俺にキャラじゃねぇし。


だったら……可哀想だから辞めよ。



「あぁもぉ、そんな顔すんなよ」

「・・・・・・」


俯いたまま、なにも喋ってくれねぇ……


結局、崇秀の様に、最後まで意地悪を突き通せないなら、こんな真似はするべきじゃなかったって事だよな。

出来もしない事をしたから、自ら、余計なピンチを招いただけだ。


……アホとしか言い様がねぇな。



「あぁもぉ、悪かったよ。制服の件は冗談だから、そんな顔してくれるな」

「怒ってないんですか?」


少し困った様なクリッっとしたステラの眼が、俺に向けられた。


ぐわっ!!罪悪感が……



「いやいやいやいや、怒るもなにも、俺が少し悪ふざけが過ぎただけだからな。ステラが悪い訳じゃねぇんだぞ」

「ですが『似合う』って言ったくれた真琴の言葉を、素直に要求を受けなかった私にも責任の一端は有ります。どうにも私は、自分が納得出来ないと、相手に突っ掛かって行く性分みたいですね。……褒めてくれたのに、嫌な事を言って、ごめんなさい真琴」


ぐぎぎぎっ!!

これは、先程言った様に、自ら招いた事とは言え、かなりキツイ反応だな。


自分勝手な悪ふざけで、なにも悪くない相手から謝られたんじゃあ、立つ瀬もなければ、心の底から沸き起こる罪悪感がハンパじゃない。


この感覚は、まるで真上さんと話してるみたいだ。



「いやいやいやいや。ステラは、なんも悪くねぇからな」

「そうですね。矢張り、私は悪くないですね」

「へっ?」


えっ?


いや、ステラさんや……これって、性質の悪い演技だったんですかいのぉ?


って、まさか、このパターン!!



「真琴。なにやら風の噂では、最近、王家さんって方と懇意にされてるらしいですね」

「いぃいぃぃぃ~~~、なんでそれを……」

「アナタのポンコツ兄弟の寛和(山中)から、話は全部お聞きしました。その王家さんって方。全てを自分自身の責任にして、相手を傷付けない様にする、相当、お優しい方みたいですね」


最低だ、コイツ……


山中の馬鹿から、そんな良からぬ情報を得て、こんな『真上さんモドキ』の態度を取るなんて、人として信じられねぇ所業だぞ!!


やって良い事と、やって悪い事のぐらい判断しろよな。


……けど、騙される俺も、どうかしてるよな。

どう考えても、ステラが、そんな自己反省型のしおらしいキャラな訳ねぇもんな。


……だったら、まぁ良いか。

そのお陰で、ステラのレア表情も見れたんだもんな。


得したと考えるべきだろう……

(↑果てしなくポジティブな俺)



「わかった!!もぉ全部、それでわかったから!!みなまで言うな」

「そうですか?良かったら、寛和から聞いた話を、事細かに説明して差し上げますが」

「頼むから、辞めてくれ」

「ぷっ!!その隙だらけのお間抜けな所……変らない人ですね」

「放って置いてくれ……」


結局、俺は『女子の手の中で踊る猿』でしかない様だな。


果てしなく、ダメだこりゃ。


けどなぁ~~~。

この件から、1つだけ大きな疑問が生まれたんだよな。


どうしてもそれだけは、幾ら考えても、納得出来無い疑問なんだよな。


つぅかな。

『相手にする女の子によって、なんで此処まで、俺の反応にキャップが出るんだろうな?』って思う訳だ。


いやな、俺がこう思うのは他でもねぇんだよ。

同い年の由佳や伊藤、それにダッツや素直(真上さん除く)とかだったら、自分で言うのもなんなんだけど……比較的、女子であっても上手く意思疎通が出来るから、今のステラの時の反応の様に、此処まで『見事に踊らされる事は無い』んだよな。


けど……何故か、年上を相手(4月生まれなので真上さんも含む)にすると、上手く対処出来ずに、これだけ一気にヘコくなっちまう。


謎だ?



「それはそうと真琴」

「んだよ?」

「私に制服が似合うって言ったのは、本心ですか?」


なんで、またその話をぶり返すかなぁ?


まだ、からかい足りねぇのか?


だったらなぁ。

今度はからかえない様に、全部、正直に言ってやる。



「あぁ、それに関しては1000%……いや10000%似合うぞ」

「ふふっ。なんだか、よくわからない%になっているので、似合うのかすら、わかりませんが。似合うと言う表現をしてるものと受け取って良いんですね?」


結局、コイツは、自分の事を良く理解した上で、俺との会話を楽しんでたに過ぎないんだな。


どこまでもヤナ野郎だ。



「あぁ、左様でございますなぁ。ステラお嬢様に、ウチの学校の制服を着て頂ければ。この世の全てを差し置いてでも、さぞかし、お似合いになるんじゃ有りませんかねぇ」

「そうですか。そこまで言って貰ったのでは、無碍にお断りする事は出来ませんね。ですので、コチラの条件次第では着ても良いですよ」


うん?


これって……



「おい、ステラ!!その条件って、なんだよ?それに条件次第では着るって認識で良いのか?」

「えっ?あっ?そっ、そうですね。と言いますか、なにをそんなに息巻いてるのですか?」

「余計な事は言わなくても良いからよ。早く、その条件とやらを言え条件を!!」

「はっ、はぁ……でしたら、この場合の条件はですね。制服を着るのは良しとしましょう。ですが、コンテストの優勝に出来なければ、真琴には丸坊主になって頂くと言う条件になりますね。これなら話に乗っても良いですよ」


マジで!!


俺はテッキリ『優勝出来なかったら、校庭をフリチンで一周しろ』とか、途轍もなく、酷い事を言われるもんだと思ってたぞ。


そんな糞ショウモナイ条件で良いなら、幾らでも乗ってやるって!!


OKだOK!!バリバリOKだつぅの!!



「オマエ!!この条件に乗ったら、今『制服着る』つったからな!!絶対だぞ絶対!!」

「えっ?えっ?『負けたら丸坊主』って条件付きなんですよ。ポンコツ、私の話をシッカリ聞いていましたか?」

「アホかオマエは!!丸坊主なんざなぁ。ガキの頃から悪さしたら、毎度毎度、糞親父にやられてたんだよ!!だからそんなもん、なんとも思ってねぇわ!!んな事よりオマエ、マジで着てくれんだよな」

「……そこまでしてでも、見たかったのですか?」

「ったりめぇだよ!!こんな、オマエの制服姿を見るなんて希少なチャンスを見過ごしてどうすんだよ!!馬鹿かオマエは!!」

「はっ、はぁ……そうですか」


この馬鹿……人が折角『似合う』事を、熱く語ってやってるのによぉ。

生返事しか返って来ねぇつぅ事は、事の重大さが、ホントなんもわかってねぇな、コイツ。


良いかステラ?

元来、俺等、日本人って人種はな。

基本的に外国人に対して、恐ろしく劣等感の塊みたいな人種なんだよ。

だから当然、欧米諸国の人間に対しても、多大なコンプレックスや、羨望の眼差しを持って見ている奴が多い。

特に『綺麗な女性』に対しては、その意識が顕著に出やすい症状なんだよ。


……って事はだ。

この日本には『外国人美少女の制服姿を拝みたくねぇ』なんて男子が存在する筈もなく。

そんな馬鹿な仮説は、一切生まれてこねぇの。


寧ろ『美少女』って、カテゴリーだけで見たら場合。

世界共通で、そんな奴は、世界中のどこを探しても居ねぇつぅの。


もし居たとしたらなぁ。

男をこよなく愛する同性愛者で、女子って可愛らしい生き物に『嫉妬』してる奴しか居ねぇ筈だ。


だから、オマエの性格はどうあれ、見た目が美少女である以上、オマエの制服姿には、それだけの価値が有るんだよ!!


この男子の欲望に塗れた理屈がわかるか、この見た目だけ美少女?


……つぅか、ステラよぉ。

大体にして、この程度の事を、ワザワザ説明しなくてもだな。

オマエ自身が『自分が綺麗』だって自覚が有るんだから、なにも言わなくても、ちょっとは、わかりそうなもんじゃねぇのか?


ったくもぉ!!意外とドン臭ぇなオマエ。

(↑偉そうな事を言ってるが、ただの変態な俺)



「はい、じゃあ決定なぁ~~。負けたら坊主にでもなんでもしてやるから、オマエは学校に着いたら速攻で着替えて、約束守れよなぁ」

「そんなに嬉々としなくても……」

「なんとでも言え。ステラがウチの制服なんかに着替えたら、ボン・キュ・ボンだろうな。ボン・キュ・ボン」

「その表現……軽蔑に値する最低さですね、真琴」


最低ですが……なにか?



「それはそうと真琴。私が制服に着替える話は良しとしても。そのコンテストとやらで優勝出来る可能性の方は、どれぐらいの確率なんですか?」


あっ……制服よりも、何よりも、それが一番重要な部分だった(笑)


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


余計な事ばっかりして、本題を忘れている倉津君……うん、やっぱアホですね。


まぁ、こう言った部分での成長は、ほぼ見受けられないのですが。

それでもまぁ、なんか、それはそれなりに良い感じには成って来たと思います。


さてさて、そんな中。

なんとかステラさんとの交渉も終わり。

漸く、コンテストに向けての話になる訳なのですが……その倉津君が考える『勝利の確率』とは如何ほどのものなのか?


次回はその辺を明らかにしていきますので。

良かったらまた遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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