●前回のおさらい●
結局、強制的にヒナちゃんの世界に送り込まれた倉津君。
当然、ブツブツと文句は言ってみたもの、それじゃあ埒が明かないと思い……
「ははっ……。よぉ、ヒナ。此処はまず、ただいまぁ~~~って、言っておくべきか?」
「えっ?ただいま……って、どういう事?帰ったかと思ったら直ぐに、こうやって目を覚まされたんじゃ、私も現状が把握し切れてないんだけど」
俺と違って、ヒナは少々動揺が隠せてないようですな。
なら少し、こっちのテンションを上げてみるかな。
そうした方が、なんか良さそうな気がしないでもないし。
「はぁ?なに言ってやがんだよ。一旦、向こうに戻ったのに、またコッチに放り出されてりゃあ。ただいまとしか言い様がねぇだろ」
「そっ、そうなんだ。だったら、それって、完全に元の世界には戻れたって認識で良いの?」
人がヤケクソ的に成って盛り上がってると言うのに、動揺しながらでも冷静なんだなオマエって奴わ。
なら、テンションを挙げるのはもぉ辞めだ。
俺も出来るだけ冷静に対応してやる。
勿論、冷静にとは言ったが、出来るだけでしか出来ねぇけどな。
「おぅ。ヒナの時空計算能力には驚かされるばかりだな。完璧とまでは言い切れないが、元の世界に戻れたのだけは確かだな」
既に、これが日常会話。
なにこれ?
「そうなんだ。じゃあ、なにしに、コッチに戻って来る必要があった訳?」
「いや、それがよぉ。オマエのお陰で、向こうの世界に戻ったまでは良かったんだがな。例のオマエに話した崇秀ってロクデナシがな。今オマエが手に持ってる『Brew Space-Mead』って奴をアイツも所持してやがってな。この有様なんだよ」
「イマイチ理由に成って無いけど」
「あぁっとなぁ。早い話、強制的に射出されたって事だ」
「そう言う事。……じゃあ、その崇秀って人も、そう言う系列の話を信じてる人なの?」
そう言う系列って、どう言う系列だよ?
不思議な言葉を、さも当たり前の様に言ってんじゃねぇよ!!
(↑自分も、さっき言ったクセに文句を言う俺)
「まぁ、それが、どういう系列の話なのかは知らんが。アイツの知識量は並みじゃないのだけは確かだな。その知識の一環として、そう言う系列の知識を所持してる可能性は高いわな」
「そうなんだ。……でも、なんで、またコッチに戻ってくる羽目に成ったの?まさかとは思うけど、こんな夢物語を、その人に話したとか?」
「あぁ、話したな」
「だったら、それを信じて、コチラに真琴を送り込んで来たって言うの?」
「あぁ、アイツは馬鹿だから丸々信じてたな。そんで『もし、夢であったとしても、それに対しての探究心は必要だからな。考え様によっちゃあ、世の中に不思議な事なんてないんだぜぇ』……とか、調子の良い事ぬかしてやがってな。その煽りを受けたのが、今の俺の状態だな」
頭がイカレテやがるからな。
アイツは、人類、類稀にも見無い程の頭がイカレテル野郎だからな。
そう言う事を、さも当たり前の様に平然と言う奴なんだよ。
「あぁ……真理の探究者か」
なっ、なぬ?
なに、その厨二病が喜びそうなネーミングのモノは?
なんじゃね、そりゃあ?
オィちゃんにも、ちゃんと解る様に詳しく説明してみ。
「あのよぉヒナ」
「うん?」
「なんだよ、その奇妙奇天烈なキーワードは?」
「なにがよ?」
「だから、オマエが今言った『真理の探究者』って、なんなん?」
「真理の探究者は、真理の探究者でしょ。それ以外、説明のしようがないんだけど」
けど、説明しやがれ。
しかも、馬鹿の俺でも解る様に、噛み砕いて説明しやがれ。
「あぁっと、じゃあ、噛み砕いて聞くが。そいつ等って、普段なにしてる人?」
「うぅ~~~んっと、そうだねぇ。『何故こうなるのか?』『どう言う原理でこう成るのか?』を全ての事象に当て嵌めて思考を繰り返してる人だね」
「じゃあ要するに、あれか?変人が、世の中である不思議な事を、自分の知識をフル活用して解決しようとしてる、頭のおかしい連中の事か?」
「まっ、まぁ、短絡的に言えば、そうなのかもね。けど、実際は、そこまで行き着ける人は、そんなに居ないと思うよ」
「なんでだ?」
「科学と、オカルトって言う相反する物を、両方肯定しつつも。それを併用しながら、解答を模索しなきゃいけないからだよ。『真理』ってのは、このどちらに対しても正論じゃなきゃいけないからね。……こう言うの、中々難しいと思うよ」
『無理だ』って心で思う事以外は、なにも否定出来ずに、そこから思考を固めなきゃいけないって事か?
しかも、それが全部に対して、理に適ってないとダメ。
そんな馬鹿げた事を考え続けるなんて、ナンセンスも良い所だな。
それ、どんなアホな思考回路だよ?
「ハァ~~~っ、相当なアホだなソイツ」
「アホって」
「いやいや、どう考えたってアホだろ。そんな究極的な理屈なんて、絶対に存在する訳ねぇんだからよぉ。それを探求するんなんざ、相当アホなのか、気が狂ってるとしか言い様がねぇじゃんかよ」
「かもね。……でも、だからこそ、そこに魅力を感じる人も多いんじゃないの?永久に見つからない答えを探してるからこそ、真理って説もある事だし」
オイオイ、真理の探究者に対して、やけに肯定的な意見を言ってるみたいだが。
それって、まさか……
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
なんか、またしてもややこしい話をしだし始めましたね(笑)
まぁ倉津君もおかしな事を言って、ある程度は順応してるみたいなので。
とりあえずは、このまま放置しましょうか(笑)
ってな訳で次回は。
この訳の解らない話の続きを書いていこうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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