●前回のおさらい●
前話での心境の変化を語った倉津君。
そこでは、多少の心境の変化は見受けられたが、大きく変わる事はなく。
ほぼ、いつも通りと同じ様にメンバーを見ていた。
そんな中、奈緒さんが、未成年が口にするべきではない飲み物を持ち込んでくる。
悪い子です(笑)
「ねぇ、千尋……そろそろ良い頃合いだし。今日も、これ、いっとく?」
そう言いながらも奈緒さんは、2本の瓶ビールを片手で持ち。
ビール瓶同士を器用に軽く当てて『カンカン』と鳴らしながら、千尋に、そんな事を言っている。
どうやら、この様子からして、晩酌TIMEの様だな。
そして、千尋が泊まりに来た時は、必ず、なにかしろの酒を飲んでる事が明らかに成った。
まぁ、俺と2人の時も、奈緒さんはよく晩酌させてくれるんだが……奈緒さんも好きじゃのぉ。
「あぁ、うんうん。勿論勿論、イクイク。いっとく」
「だよね。冬場だけにビールがキンキンに冷えてるよぉ」
「やりぃ!!今日は、お子ちゃま達が2人も居るから、ビールが出て来ないのかと思ってたよ。ヤッパ!!私の嫁は最高だよ♪」
「また、調子良い事を言っちゃって……はいはい、そんなツマンナイ事を言ってないで、早くグラス持って傾けなさいよ」
「うぃ~~しゅ……おっとっとっと。じゃあ、嫁に返杯」
「ありがと」
他愛もない会話をしながらも、2人のグラスにはビールが注がれていく。
……っと成るとですよ。
やった!!この流れからして……次は俺の番!!次は俺の番ですな!!
何故なら、素直は、どう考えてもお酒を飲む様なタイプじゃないし。
奈緒さんもそれを承知してる筈だから、そんな無粋な真似はしない筈からな。
なので『次が俺』
これだけは間違いない!!
「じゃあ、乾杯~~♪」
「はい、乾杯♪」
へっ?
ちょちょちょ、ちょっと待って下さいよ!!
まさかとは思いますが、このまま俺にはビールを注がずに2人だけで乾杯しちゃうんですかい?
そのまま2人だけで飲んじゃう算段なんですかい?
えっ?いや、ちょ……なんでだ?
ってか、なに、この不吉な流れは……
あの~~~、ひょっとしてなんですが、今の俺の立場上……お預け?
えぇぇえぇ~~~!!うそ~~~~ん!!
「ぷっはあぁ~~~、あぁもぉ美味しい。もぉ最高♪しかも奈緒が淹れてくれると美味しさ倍増!!120%増しだよ」
う~~~わっ!!
人が『待て』を喰らってる様な地獄の状況下なのに、千尋の奴、メッチャ美味そうに飲みやがるな!!
奴の喉越しを見てるだけで、俺自身は『ゴクッ』って生唾を飲みそうになった……
……さてさて、それはそれとして、お2人さん。
乾杯もしたし、これで一息も付いただろ。
んじゃ、そろそろ、オィちゃんにも薦めておくれ。
もぉ俺に薦めても良いんじゃよ。
「はいはい。でも、あれだよね。ホント、仕事の後は、これに限るよね。なんか疲れが吹っ飛ぶ感じだよ」
「あぁ、それ、わかるわかる。でも、流石に家でゴクゴク行く訳にはいかないからね。……もぉ、奈緒大好き。本当に結婚してよ」
「いやぁよ。アンタのお守りは高校でお仕舞い。私は、クラの嫁になるんだも~ん」
うわ~~~い!!そんな風に堂々と宣言してくれる奈緒さん、大ちゅき♪
あっ、あの、けど、大チュキだから、1口でも良いからビールちょうらい。
プリーズぅぅ~~~!!
「ゲッ!!アイツ、奈緒と結婚する前に、早く死ねば良いのに」
オイッ!!なんで目の前で『嫁宣言』して貰った後に、俺だけが速攻で死なにゃあならんのだ!!
アホかオマエは!!
オマエにはなぁ。
糞イケメン・ストーカー野郎のカジを、箱に包んでプレゼントしてやるから、アイツとだけ乳繰り合っとけ!!
そんで『死ね』とか言った罰として、俺にビールを飲ませろ。
ってか……プリーズぅぅ~~~!!
「じゃあ、私も死んじゃうよ。……クラ無しの人生なんて真っ平ゴメン。意味無いもんね」
「惚気?……やってらんない。飲も」
「どうぞ、どうぞ。ご自由に」
あれあれあれ?
こんなに『プリーズ』の念を送ってるのに。
なんでお2人さんは、あっしを無視して、そんなに美味しそうにゴクゴクとビールを飲んでるんでゲスかね?
いや、あの……本気で、ちょっと待って貰って良いですかね?
アンタ等、マジでオィちゃんには飲ませてくれない算段かい?
・・・・・・
いや……まぁ、そりゃあな。
この眞子ってキャラクターにも、素直同様に酒ってイメージがないから、此処で薦めて来ない理由は解りますよ。
こんな未成年の超絶美少女が、いつもの俺みたいに、アホみたいにビールをゴクゴク飲むイメージがない事も解らなくもないですよ。
だからって、この仕打ちは無いんじゃないッスか?
自分達の美味しく飲む様を散々俺に見せ付けてといて、俺には飲ませないって……これ、ただの拷問か、虐めの類ッスよ。
大体にして、奈緒さん、俺がビール好きなのをよく知ってますよね?
だったら、ちょっとぐらい慈悲の心を見せて、ビールを薦めてくれてもいいじゃないですかぁ?……(´;ω;`)ブワッ
それに、あれッスよ。
折角の美味しいビールを2人で独占して、2人だけで楽しむのも、どうかと思いますよ。
そんな事をし続けたら、この場の空気が悪くなるだけですし。
そんな空気の中、取り残されてる俺と素直が、これじゃあ、あまりにも可哀想じゃないですかぁ。
……って事なんで、その打開策としてですな。
まずは俺にビールを進めてですな。
その後は、俺が済し崩し的に、なんとかして素直を、この状況下に巻き込みますんで、此処は1つ、まずは俺に薦めましょう。
ってか、そうやって、みんなでビールを飲んだ方が、もっとも~~~っと美味しいッスよ。
だから、お願い!!プリーズ、プリーズ!!
あの~~なんなら。
このままの眞子の姿で、裸踊りでも、ストリップでも、なんでもサービスしますから。
お2人様の思うがままに、なんでも言う事を聞きますから……
『眞子にも、食後の美味しいお酒を下さいな』
超美人な、2人のおねぇ様あぁ~~~!!
・・・・・・
なんて考えてる内に、また2人で飲んでやがりますね。
どうやらこの調子じゃ、何を言っても無駄。
俺の意見は、果てしなく却下し続けられる様ですね。
ハイ、そうですね。
解ってましたとも、解ってましたとも。
……憶えとけよ、この欲豚&鬼ババァコンビめ!!
(↑一線を越えた俺)
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
未成年の癖に『お酒大好きな倉津君』にとって、この状況は耐え難い物があるでしょうね(笑)
ですが、現状のままでは注いで貰えないのは明白。
まぁ奈緒さん的には注いであげたい所なのでしょうが、理由もなく、突然、眞子に薦めるのもおかしな話ですからね。
それになにより、此処で変な事を言ってしまったら。
チヒロンや、素直ちゃんに持って貰っている好感度すら、全部壊れてしまう可能性があるので、奈緒さんは『理由が思い付くまで』注いでくれない訳です。
さてさて、そんな彼女の気持ちに気付かず。
心の中で奈緒さんの事を『鬼ババァ』と言って一線を越えてしまった倉津君なのですが。
次回、そんな倉津君には天罰が下りますので。
少しでも、その天罰に興味を持って下さいましたら、是非、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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