最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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424 なんか妙に嫌な予感が……

公開日時: 2022年4月6日(水) 00:21
更新日時: 2022年12月30日(金) 13:27
文字数:2,012

●前回のおさらい●


 音楽室での企画を、呆れながらも広田君とダッツちゃんに任せた倉津君。


一応、その足で、自身の教室に向かって歩きはするが……なんだか、あまり乗り気じゃないみたいですね(笑)

 そんな感じなので、ヘロヘロとヤル気なく移動する。

所謂1つの、いつもの俺のダメ移動方法でチンタラしか移動出来ていない訳だ。


何故なら、その理由はズバリ!!


今の段階じゃな。

恐らく、教室内に客は、殆ど訪れておらず。

教室内が閑古鳥と、島田の雛鳥が『ピィピィ』鳴いているだけの状態が、目に見えて明らかだからな。


って言うか。

どうせ、こんな大掛かりな文化祭の開催当初なんぞ。

イベントに目移りした客の大半は、他のブースに行ってしまって、ウチのクラスの出し物なんぞに大して興味も示してはくれない筈だ。


それ故にだな。

こんな事を、簡単に予想出来る状態の場所に慌てて行った所でだな。

『人が一杯来る』ものだと妙に期待してた女子に、多大な苦情を喰らうのがオチだし。

付け加えて言うなら、俺自身も、こんなに必死こいて色々やったのに、所詮は、こんなものだったのかと自覚するのも御免被りたいものだからな。


故に、今現在の俺には、教室に向かう移動速度が上げる理由が微塵も無い訳だ。


けど、カジと、俺とでは、少し考えている思考が違うらしく。

『クラッさん頼むから、ちょっとは早く動いてくれよ!!俺、1秒でも早く、また千尋先輩のメイド姿を拝みたいんだからよぉ』

……と言い出す始末。


けど、俺の動きは相も変わらず、ノロノロ。


そんな風に全くスピードを上げない俺に、業を煮やしたカジはだな。

俺に別れを告げて、人とは思えない様な猛ダッシュで、自分の教室に向かって走り去って行く。


『千尋のメイド姿如きの為に、よぉやる』

なぁ~んて思いながらも俺は、相も変らずノタクタと歩き続けていた。


***


 そうやって亀の如く、人を押し退けながら、呑気に歩いているとだな。

校舎への出入り口付近から、教室に向かう階段に差し掛かったぐらいで、ある異変が生じる。


この文化祭に有って、奇跡的にも、クラスの出し物程度で、早くも長蛇の列が出来ている場所があるらしいんだ。


しかもな。

その行列ってのが、どこの教室かは知らないが。

確認の為に、その行列の最後部を目指して、まずは下の方に行くとだな。

階段の一番下はおろか、早くも、校舎からハミ出して行列が伸びてるんだよな。


勿論、これを見てだな。

流石に、少し嫌な予感がしたので、恐る恐る、その行列最前列近くまでと辿って行くとだな。


その嫌な予感に反する事無く『ウチの教室が、行列の終着点だった』


ってか!!なんじゃ、こりゃあ!!

……っとは、決して驚かないぞ。

翌々考えてみたら、これは、そんな大層な話じゃないからな。


まずにしてだな。

ウチのクラスには、素直も居るし、ゲストとして千尋も来てる。

それに、モジャモジャの正確な情報リークが有った筈だから、この2人を目当てにしてる集客力を考えたら、これは至って当然の結果とも言えるからな。


それにだ。

千尋が居るって事は、咲さんが一緒に来てくれてるかも知れないし……下手すりゃ、奈緒さんまで、此処に居る可能性がある。


なら、この行列程度の長さじゃ、寧ろ、短いぐらいだ。


こりゃあ明らかに、ウチのクラスは、少し面倒臭ぇ事になってるな。


さっきのカジ並みに、この危険な感覚を、素早く感じ取った俺はだな。

千尋のメイド姿なんぞの為に、先に行ったカジの不幸を笑いながらも、ある事を心に決めた。



それはな……逃ぃ~げよ!!


やってられるかぁ、逃亡じゃ!!

(↑クズは逃げ出した)


***


 ……さてさて。

(↑珍しく、逃げおおせたらしい)

文化祭開始10分足らずで、早くも行き場を2箇所も失った俺は、大量に押し寄せる人ごみを見つめながら、次なる移動すべき場所(逃げ場所)を考察し始めていた。


だってよぉ、この文化祭は、イベントがアチラコチラで起こっているので、ついつい目移りしちまうんだよなぁ。


そんで、そんな風に散々悩んだ挙句。

取り敢えずは、まずは真上さんが出展してくれているブースを目指す事にした。


何故ならだな。

ご存知の通り、彼女はOHKAブランドの服飾デザイナー。

ブランド人気も手伝って、きっと購買意欲に駆られた客で、彼女のブースが溢れかえってる筈だからな。


それだけでも、真上さん1人ではテンテコ舞いになってる事が暗に予想出来る。


そこにプラスαの要素としてはだな。

個人ブースの真上さんは、クラスで出し物をしているウチとは違い。

『接客』『商品ディスプレイ』『包装』『現金の受け渡し』……etcの様な事を、なにからなにまで、自分1人で廻さなければならない。


今の始って間もない段階でも、確実に手が廻りきらず、猫の手も借りたい筈だからな。


そこにだ。

俺みたいに、店の事をある程度熟知した使える人手が行けば、鬼に金棒って訳じゃないか?


って言うよりな。

今回の文化祭の件では、色々と真上さんにはお世話になったから……これぞ!!恩返しのチャンスな訳なのだよ!!


……って事でだ!!

溢れ返る人混みの中を掻き分けて、真上さん、今こそ俺が助けに行きますニャン!!

(↑偉そうな事を言っても、所詮は、猫の手な俺)


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


なんだかんだと言いながら、ただサボっているだけの倉津君(笑)


けど、今回に至っては、中々良い直感が働いて、見事な回避行動がとれたみたいですね。


……っでまぁ、この後、公言通り真上さんの元に手伝いに行く訳なのですが。

この物語故に、なにもかもが倉津君の思い通りに切筈もなく。


ある奇妙な光景を目の当たりにする事に成ります。


それが何なのかは、次回の講釈なのですが。

少しでも気に成りましたら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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