最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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602 体験した事の無い痛みの正体

公開日時: 2022年10月1日(土) 00:21
更新日時: 2023年1月15日(日) 12:59
文字数:2,376

●前回のおさらい●


 お正月から5日までの経過を洗い直しては見たが。

矢張り、この謎の痛みに対する回答を得られる事無く、1人で痛みに耐えていたら……


フッと、ある事を思い出し、トイレに駆け込む倉津君だったが。

 ……案の定だ。


トイレに入って、直ぐにパンツを脱いで解った事なんだが……


『パンツのクロッチ部分に、少量の血が付着している』


ヤバイ……この体、とうとう生理まで始りやがったよ。


これにより、今までの様に『見た目』だけが女だった訳じゃなく。

本格的にこの体は『女性としての機能』が発動しちまってるじゃねぇか。


うわ~~~~!!ちょっと待って!!ちょっと待って!!流石に、これは、どうしたもんだ?


焦っても、どうにもならない事ぐらいは、自分でも解ってるけどよぉ。

ちょっと前まで男だったのに、突然『自身の体に子供を宿す事が出来る様な体に成った』って……


それに、この機能を得てしまった事により起こる継続的な酷い鈍痛……なんとかならねぇのかよ?

ハンパなく痛いし、滅茶苦茶ジンジン沁みてくるんだぞ!!


しかも、なんとも言えない様な気怠さと共に、形容し難い地味な痛さまで加わってきやがったよ。


なんじゃこりゃあ!!


『女は気楽で良いよな』っとか、ぬかしてる奴等、オマエ等全員まとめて、マジで死んじまえ!!

&昔の俺も、そう思ってたから、その時の俺も序に死んじまえ!!

女子が体育や水泳を見学してた時、アホ男子共がからかったりしてるのを見ても、見てみぬふりしてすみませんでしたぁ!!

アソコから血が吹き出る程の痛みを味わってると言うのに、それを平然と見せていたアナタ方は偉大です!!


こんな酷い痛みに、毎月耐えてる女の人って、マジで偉大過ぎんぞ!!


ってか!!マジで痛いって……これ!!


うわ~~~ん!!痛過ぎるぞ!!


たちけて~~~!!


奈緒さ~~ん……千尋ぉ~~~……美樹さ~~~ん……素直ぉ~~~……木根ぇ~~~~!!

もぉ誰でも良いから、この痛み地獄から助けちくりぃ~~~!!


痛いってばよぉ~~~!!


***


 あぁ……こりゃあ、ダメだ。

俺はズッと腹を抑えながら、一瞬の痛みの引きに、そう悟った。


これはもぉ俺1人でどうにかしようと思っても、生理に対する『予備知識』ってもんが皆無だから、寧ろ、俺だけじゃあ対処のしようがねぇよ。


だから此処は1つ、恥じを偲んででも。

この無限に続くと思われる痛み地獄から逃れる為にも、誰か女子に相談するしかねぇな。


これは、ホントに軽く死ねるぞ……


俺は情けなくなりながらも、痛みに耐え、携帯電話を手に取った。



だが……こんなもん、一体、誰に電話すりゃ良いんだよ?



『ヴォ~~~ヴォ~~~ヴォ~~~……』


そんな矢先、手に持った携帯電話のバイブが震え始め、誰かから電話が掛かってきた。


今の現状で、俺が日本に居る事を知ってるのは、奈緒さんだ!!

だから、この電話の相手は彼女の可能性が非常に高い。


助かったぁ!!


だが、無常にもナンバーディスプレイには『向井奈緒』の名前は浮かばず……『仲居間馬鹿秀』


・・・・・・


なんで寄りにも拠って……この、男にはなにも解決出来無い緊急事態に、男のオマエが狙った様に電話してくるんだよ!!


役に立たねぇ……木偶の坊が!!

無駄な電話をしてきてんじゃねぇよ!!


・・・・・・


……いや、でも、ちょっと待て!!

色々な意味でコイツからの電話には、一応、出とかないとな。


それにアイツなら、ひょっとして、なにか、この苦しみから開放してくれる方法を知ってるかも知れないしよ。

そう言う『知識』すら、全て網羅してる可能性が非常に高いからな。


なので此処は一発、兎に角、電話に出てみよう……



「あぁ……あぁ、あの……倉津……で……す」

「んあ?なんだよ、その今にも死にそうな声は?どうかしたんか?」

「いやいや、あの、ちょっと……痛っ!!諸事情があってな。……ははっ……ホンで、なんの用だよ?」

「いや、用ってのは、他でもねぇんだが。去年の約束した通り、オマエのサンプルを取りに来ただけだが」


あぁ、そう言えば、年末に電話が掛かって来た時、そんな約束もしてたな。

確か、アプローチを変えるとかナントカカントカ……


痛っ!!


アカン……痛みで思考が纏まらねぇ……

今は、それどころじゃねぇ……


痛いって!!



「あぁ……そうなのね。……そうだったな。……」

「つぅかよ。今、向井さんの家の前まで来てるから、家に居るなら、サッサと戸を開けろ」


あぁ……やったぁ……そんなに身近に居てくれたんだな。

なんか知らんけど、コイツが来てくれたなら、なんとか助かりそうな予感だな……


まぁそれ以前に、1人で居るよりはマッシだ。


ちゅ~か、たちけちくり。



「あぁ……解った。痛ッ!!直ぐに鍵を開けるから……ちょ~っと、そこで待っててくれな」

「オイオイ、オマエ、どうしたんだ?……マジ大丈夫か?」

「あ~~~~い、大丈夫で~~~す。……って痛ッ!!」


俺は、崇秀との電話を一旦切り。

痛む腹を押さえたまま、フラフラと玄関まで行き。


時間が掛かりながらも、漸く、扉を開く。


なんて……気が遠くなる様な距離だったんだ。


『ガチャ』



「あいよぉ、お疲れさん」

「崇秀、もぉ、こんなの無理だぁ~~~!!やっぱり助けてくれ~~~~!!痛ぇよぉ~~~!!」

「あぁあぁっ、なんか様子が変だと思ったら、ヤッパリそうか。……オイ、倉津。取り敢えずは、これをなにも言わずに、さっさと飲め」

「なんッスかね?……これ?……痛い痛い!!」

「良いから飲めつぅの。そいつは、今オマエを苦しめてる、それの『痛み止め』だ。どうやら、その様子じゃ、マジで『生理』が始ったみたいだな」

「……はい。さっき、ちょっとだけ血が出て、涙目になりました」

「そっか、そっか。時期的に、そろそろ始る頃だと思ったんだよな」


神かオマエは……


いや……神ですよ。


しかも、コイツが両手一杯に持っている持ち物。

見た感じだけでも、自分が使う機材以外にも、なにやら『女の子のそっち関連』の物まで用意してくれてるみたいだ。


だから俺は、取り敢えず、この苦痛から逃れる為に、渡された薬をサッサと頂戴して、崇秀を、奈緒さん家に上げた。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


この様子からして、どうやら倉津君(眞子)の生理はキツメみたいな感じですね。

生理と一言で言っても、個人差が激しく。

そこまで痛みを感じない人も居れば、体が動かなくなる位キツイ人もいますからね。


さてさて、そんな中。

崇秀がやって来て、早速、なにやら薬を手渡されたので、即飲んでしまった倉津君なのですが。


崇秀が持って来ただけに、この薬大丈夫なんでしょうかね?


まぁ、大丈夫だとは思いますが。

その効果が気になりましたら、是非、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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