●前回のおさらい●
XX眞子の正体として、二重人格症について崇秀に説明して貰い。
これについては、安易に、なんとなく大丈夫を考える倉津君。
でも、世の中には色々な精神疾患があると思い知らされ、彼に思考は、どの様に変わっていくのか?
……にしても、今の崇秀の話を、じっくり聞いてて思ったんだがな。
世の中には、結構、人を精神的に苦しめる病気ってのが多く存在してるもんなんだな。
正直言っちまえば、俺は『性同一性障害』なんて、今さっき崇秀にキッチリ説明して貰うまでは……ただの『女装や男装がしたいだけの』思い込みの激しい連中だって、完全に思い込んでたんだもんな。
これに関しては、今にして思えば、自分でも酷い認識だったと思う。
相手の気持ちを、ちゃんと知ろうともせず。
ただただ、世間の風潮に同調して、差別的な目でしか見ようとしていなかった訳だからな。
ホント、情けねぇ限りだわ。
でも、こう言うのを一度でもちゃんと知れば。
もっと何事に対しても、ちゃんとした知識を持たないとイケナイと感じる。
自身が、こう言う環境に置かれているからこそ、こう考えれるのかもしれないが。
心に傷を持ってる人に『塩を塗りたくる様な態度』をしていたんじゃ、人としてあまりにも終わってるし、更にその相手を傷付けちまう事にもなっちまうんだからな。
ホント、こう言う面は気を付けないとイケナイよな。
深く反省ですよ、反省。
……それにしても、あの馬鹿だけは、果てしなくマジで凄い奴だな。
たった5日間と言う短い期間で、自分の立てた仮説の間違いに気付き。
もぉ既に違うアプローチまで開始してるやがるんだから、マジでアイツはトンデモねぇ奴だわ。
実はアイツの細胞って……1つ1つが独立した意思を持ってて、各細胞毎に物事を思考する様な器用な機能が付いてるんじゃねぇのか?って思う程にアイツはスゲェ奴だよ。
どう考えても、普通じゃねぇしな。
……っとか、そんな風にアイツの悪口を言いながらもな。
実は、結構、アイツの行動の素早さには、感動させられてたりする。
だってよぉ、俺の糞ショウモナイ悩みを、いち早く察知してくれたし。
研究も、俺の思い描いてた以上にドンドン進めて行ってくれてるみたいだし。
なにより、俺なんぞを救う為に5日間も徹夜をして、必死に調べ物をしてくれてたんだぜ。
まぁこの辺は、男であろうと、女であろうと、アイツにとっちゃあ関係無い話なんだろうが。
長い付き合いの知り合いとは言え、他人の為に、此処まで出来る奴なんて早々居ない。
ホント、アイツだけは『才能を垂れ流してやるよ』って言葉を有言実行してやがるな。
どこまでも恐ろしい化物だ。
・・・・・・
……仮に『俺が、アイツの幼馴染の女だったら』
きっと、そんなアイツにベタ惚れしちまって、どこに行くにしても、絶対に離さなかっただろうな。
そんで、最後は漫画的な感じで、幼馴染だと言う事を利用して……♪
……って、オイ!!
今の俺は、誰がどう見たって完全に女じゃん!!
いやいやいやいや!!違う!!違うんだぞ!!
俺は決して、アイツになんぞ惚れてないぞ!!惚れてないんだからな!!
これは物の例えであって、間違っても、断じてアイツなんぞに惚れてないんだってばよ!!
まだ心が男のままだから、全然惚れる筈なんてないからな!!
いや、マジで信じちくり……
違ッ!!違うんだよぉ~~~~!!
『ガラッ!!』
「ただいまぁ~~、クラ。私が居ない間、ちゃんとお留守番してた?」
「いや、だから、ホント、違うんッス!!俺は惚れてなんていないッスよ」
「はい?惚れてないって……クラ、それ、なんの話よ?」
「ゲッ!!……奈緒さん」
う~~~わっ……
相も変わらず、面白おかしな状態の時の俺を、狙いすました様に、最悪のタイミングで帰って来る人だな。
もぉヤダぁ~~~!!
いい加減、こう言う神様の悪戯的な嫌がらせは、ヤミちくり!!
「うん?うん?あっ!!……ってか、な・に・が、惚れてないのかなぁ~~~?ちゃ~~~んと言ってみ。眞~~子~~ちゃ~~ん」
獲物を見付けた悪魔が、嬉しそうな笑みを浮かべて寄って来た。
この悪魔は、非常に可愛い悪魔ではあるんッスけど。
あの、奈緒さん、虐めをするのだけは良くないッスよ。
虐めは、非常に格好悪い行為なんですよ。
「いや、違うんッスよ、誤解なんッスよ。俺、奈緒さん以外の誰にも惚れてないッスよ」
「ふ~~ん。でも私、クラには、なにも聞いてないよ。この質問は、女の子である眞子ちゃんに聞いてるんだけどなぁ」
「いや、あの、なんで、そんな意地の悪い事を言うんッスかね?」
「うん?だって、クラ、顔が真っ赤だよ。……っで、眞子ちゃんは、誰が好きだって?」
この意地悪女王だけは……
そんな意地の悪い事バッカリ平気な顔して言うから、千尋に『鬼ババァ』なんて酷い呼び方をされるんッスよ。
そんな風に言われたくなかったら、そう言うのを早期に自覚して、早急に辞めた方が良いッスよ!!
「はいはい、もぉわかりましたよぉ。ちゃんと話しますから、変に誤解だけはしないで聞いて下さいよ」
「はいは~~い」
「調子良いんだから、もぉ」
此処で頬っぺたを『ぷぅ』って膨らませたら、ひょっとして誤魔化せるか?
だってよぉ。
どう考えても、あんな無様な話、奈緒さんに聞かせたくねぇもんよ。
絶対、おちょくられるのがオチだもんな。
「……っで、それは良いから、早く言ってみ」
ダメでした~~~。
なに1つとして誤魔化せませんでしたぁ~~~。
ちぇ……この5日間で、技の効果が、完全に薄れて来てやがる。
大体にして、奈緒さんは抵抗力が高過ぎるんッスよ。
毎回こう言う『可愛い仕草』を考えるのって、女の子にとっちゃあ、結構、大変な作業なんッスからね。
もうちょっとの間だけでも、眞子の虜になって、意地悪をするのは辞めなさいつぅの!!
(↑その本人から技をパクッただけなのに、偉そう俺)
「いや、まぁ、奈緒さんが期待する様な、そんな大層な話じゃないんッスけどね」
「だ・か・ら、それが、なにって聞いてるの。早く言ってみ」
あぁ、ダメだこりゃ。
もぉ奈緒さんがこうなっちまったら、最後。
絶対にこの人は、この話を聞くまで追及してくるパターンに入っちまった。
(´Д`)ハァ…これはもぉ、諦めて正直に言うしかねぇな。
けど……やだなぁ。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
折角、真面目に色々考えていたのに。
余計な事を考え、漫画的な思考が頭をよぎってしまったが為に、帰宅した奈緒さんの餌食に(笑)
ちょっと可哀想な気がするんですが。
倉津君は、この自らの思考が招いた、間抜けな危機を乗り越える事が出来るのか!!
それは次回の講釈なのですが。
倉津君の動向が、少しでも気になりましたら、是非、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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