最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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365 男を惑わす魔性の女

公開日時: 2022年2月6日(日) 00:21
更新日時: 2022年12月26日(月) 12:44
文字数:2,321

●前回のおさらい●


 真上さんに対して、多大な恩義を感じる倉津君。

そんな彼は、少しでも恩返しが出来る様に、真上さんの店を手伝いに行こうとするが。


カジ君が、倉津君に『本当に彼女がいる事を知り』怪訝な顔をしだす。

「オイオイ、クラっさん、マジで彼女が居るのかよ。……なら、少しその感覚は、自分自身で抑えつけた方が良いぞ」

「うん?なんだよ、それ?急に、変な事を言うなよな」

「だってよ。マジで彼女が居るんなら、此処数日のクラっさん、ちょっと異常だぞ」

「はぁ?なにがだよ?」

「いや、別に、本人が気にしてないんだったら良いんだけどさぁ。なんつぅか、今のクラっさんの眼が、彼女の方を向いてない様な気がすんだよな。それに、その眼、完全に恋愛してる眼だぞ」

「はぁ?んな訳ねぇだろ。俺と彼女は、心配しなくても、いつもラブラブなの」

「そうかぁ?なら、良いけどさぁ」


真顔で変な事を言う奴だなぁ。


ってか、俺のどこが恋愛してる眼なんだよ?

もしそう見えるなら、自分に彼女である奈緒さんに首っ丈なだけだ。


それにだ、真上さんに対して、そんな感情を抱くのは失礼だろ。

あの人は仏様みたいな人なんだから、俺なんかが惚れるのは罰当たりってもんだ。



「まぁまぁ、そう変に勘繰るなって。心配しなくても真上さんに、そんな気は起さねぇよ」

「そうかぁ?まぁ、本人がそう言うなら、そう言う事にしとくけどよ。一応、忠告だけはしたぞ」

「まぁ、デカくて大きなお世話だけどな。一応、聞いとくよ」

「あぁっと、じゃあ序に、もう一点だけ忠告しても良いか?」

「なんだよ?そんな神妙な顔してよぉ?」

「あの真上って子な。ちょっと危険な匂いがするから、本当に注意した方が良いぞ」


おいおいおいおい、神妙な表情をして、なにを言い出すかと思えば、真上さんが危険だって?


そんな訳がある訳ないだろ。


相手は真上さんだぞ真上さん。

あの人は、そんな危なっかしい臭いとは世界一縁遠い人だよ。


無い無い。



「はいはい」

「倉津。軽く聞き流してる様だが、カジの忠告は真面目に聞いておいた方が良いぞ」


今度は山口までもが口を挟んできた。


みんな、ホントお節介が好きじゃのぉ。



「なんだよ、オマエまで」

「お節介に聞こえるかも知れんがな。カジは、勉強や運動はカラッキシだが、恋愛に対する勘だけは、かなり鋭い。コイツの話は信憑性が高いぞ」

「あのなぁ。じゃあ逆に聞くが、真上さんのどこが危険なんだよ?あんな良い人の、何所に危険性が有るのか、寧ろ、教えてくれよ」

「教えろと言われれば、答えはするがな。その前に、先に言いたいんだが、まず倉津、危険なのと、良い人は関係ないぞ。問題なのは、寧ろ、あの子の持ってる彼女特有のフェロモンなんだ。これが、俺の言う、彼女の危険性だ」

「フェ、フェロモン?真上さんのフェロモンってなんだよ?そりゃあ確かに、真上さんは女性らしい曲線美をしてるし、美人だけどよぉ。そう言うの、あんま感じねぇぞ」

「そうかぁ?そう感じてるなら、もうなにも言う事はないんだけどさぁ。俺は、彼女に、それを凄く感じたんだよなぁ。だってよ、俺が生まれて初めて、自分の彼女にしたいって思ったからなぁ」

「なっ!!」


梶原から思わぬ言葉が飛び出した。


多くの女子の告白を断ってきたモテ男の梶原が、真上さんを自分の彼女にしたいと、思っただと?


そんな事があるのか?


たっ、確かにだな。

真上さんは美人だし、上品だし、性格も良いけどよぉ……



「それについては、俺も同意見でな。俺も、カジ同様、彼女を自分の物にしたいと感じた」

「なっ、なんだと?山口まで、そんな気持ちになったって言うのかよ?」

「あぁ、この気持ちに間違いはない。俺は彼女を欲した」


オイオイ、豪い話になってきたぞ。

ウチの学校が誇る最強イケメンコンビが、揃いも揃って真上さんを好きになっただと?


そっ、そんな馬鹿な!!


今、一瞬、自分の耳を疑ったぞ!!



「グチの言う事は、本当なんだよクラッさん。だから、2人である取り決めをしたんだよ」

「『取り決め』って、また仰々しい話だな。っで、なんなんだよ。その『取り決め』って?」

「2人共『あの子には金輪際近付かない』って、そう決めたんだよ」

「はぁ?なんで、そんな事になるんだ?好きなら、好きで、自分のものにすりゃ良いじゃねぇかよ」

「これは、そんな単純な話じゃないんだ倉津。どちらかが彼女に手を出したら、もう片方は嫉妬に狂ってしまいそうなんだ。だから、お互いの為に、彼女には手を出さないと決めた」

「言ってる意味がわかんねぇよ」

「わからないか、クラっさん?本当に、わからないか?自分の胸に手を当てても、解らないか?」

「なっ、なんの話だよ?」


俺は、何故か動揺が隠せなかった。


だが、それと同時に、その動揺が、何所から来るのかも解らずにいた。



「クラっさん。あの子はな『魔性の女』なんだよ」

「オイオイ『魔性の女』って、なんだよ?突然、漫画みたいな事を言いだすなよ」

「確かに、漫画みたいな話だと思うかも知れないけどな。俺は真面目に話してるんだ。クラっさん、あの子に関わったら、絶対に不幸になる。だからクラっさんも、もう下手に関わらない方が良いぞ」

「ちょ!!オマエ等、なんで、そんな事を言うんだよ。真上さんメッチャ良い人だぞ。なにも悪い事してねぇし。推測だけで『魔性の女』とか言ってやるなよ」

「そうじゃないんだって。その点については、あの子には悪気や、悪意なんてもんは無いんだよ。自然な流れで、そうなっちまう体質なんだよ」

「もぉいい加減にしろよな!!そんな漫画みたいな話を鵜呑みに出来るかよ!!」


そんなもん有り得ねぇよ!!


仮に、そうだとしてもだな。

なんで真上さんみたいな良い人が、そんな訳の解らない『業』みたいな物を背負わなきゃならないんだよ?


そんな理不尽な話が有るか?


どこにも無いだろに?



「その件については、ホンマや。マコ、カジの言う事を信じたれ」

「はぁ?山中?……つぅか、なんでオマエが、此処に居るんだよ?」


なんだ?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


なんか真上さん、豪い言われ様ですね。

でも、そう思わせる要因が無ければ、こう言う話題が出る事も無い。


火の無い所に煙は立たない!!


証拠に成る様な物が、なにかあるのでしょうか?


それは次回の講釈。

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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