最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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557 世の中には知らなくて良い事もある

公開日時: 2022年8月17日(水) 00:21
更新日時: 2023年1月11日(水) 15:29
文字数:4,472

●前回のおさらい●


 人生初のスカート捲りを体験させられ。

そのあまりの情けなさから、涙が出て真っ白になる倉津君でした(笑)

「えっ?嘘?こんな事ぐらいで泣いちゃったの?」

「樫田さん!!眞子ちゃんは清らかに生きてる子だから、そんな低俗な真似をされた事がないんです!!」

「えぇ……」

「謝って下さい!!じゃないと僕、樫田さんを許しませんよ!!」

「えっ?ちょっと待って?これって、そんなに謝る様な事なの?みんな、小さい頃に、馬鹿男子とかにやられてた様な事じゃないの?素直だって経験あるでしょ?」

「僕や、樫田さんに有っても!!眞子ちゃんに限っては、スカートめくりなんて、やられた事がないんです!!樫田さんなんて、1度、裸で外に放り出されれば良いんですよ!!そうすれば、今の眞子ちゃんの悲しい気持ちも解る筈です!!」

「いや、あの、素直……。それで同等って、私、あまりにも悲し過ぎない?ってか、今、十分に悲しいんだけど」

「いいえ、それぐらいでも足りないぐらいです!!」

「ははっ、こりゃあ豪い言われ様だね……」


おいおい、素直……。

そりゃあ幾らなんでも、千尋が可哀想過ぎるぞ。


裸と、パンツじゃ、羞恥プレイのレベルが違い過ぎるって!!


ってか!!それ以前に、オマエの中で、眞子って存在は、どんだけ高い位置に居るんだよ?


眞子は、聖人君主の類の人間じゃねぇぞ!!

(↑再び、真上さんの弊害が生じる俺)



「なになに?なに、そんなに騒いでんのよ?」


あっ、奈緒さんが鍋を持って帰って来た。


今日は、鍋だけに手早いですな。

話題が面倒なので、気持ちだけでも、現実逃避を敢行中……



「ちょっと向井さん聞いて下さいよ。樫田さん、眞子ちゃん泣かすんですよ」

「へぇ?眞子が泣いてるの?……あれ、ホントだ。なにしたの千尋?」

「えぇっと、スカートめくりを少々」

「クスッ、ぷぷぷ……あぁ、そうなんだ。そりゃあ、眞子が泣くのも頷けるよ」

「なんで?スカートめくりなんか、小学校の頃、しょっちゅう馬鹿男子やられなかった?」

「それがね。眞子は、とある理由があるから、恐らくは人生で初体験なのよ。だから多分、今、死ぬ程恥ずかしい筈だよ。うぷぷぷ……」


笑うにゃ!!

(↑奈緒さんの真似)



「ほら~、やっぱりそうだ」

「嘘……」

「ホント、ホント。……あぁ、でも、眞子。君も、それぐらいでメソメソ泣いちゃダメでしょ。恥ずかしいのは解るけど、ちょっとした同性の悪戯なんだから、気にしちゃダメでしょ」


……確かに、そうですなぁ。

奈緒さんの言われる通りでゲスな。

こんな事ぐらいでメソメソ泣いてたんじゃあ、お先真っ暗だ。


俺も、ちょっと大人気なかったですしね。


なら、そんな反省の意味も込めて、こんな感じでどうだ?



「そっ、そうですよね。……樫田さん、急に取り乱して申し訳ありませんでした。ご迷惑をお掛けしました」

「えっ?あっ、あぁ、うぅん、こっちこそ、ごめんね。そんな事とは知らなかったから……でも、言い訳する訳じゃないけど。素直が、あまりにも『純粋』だ『清らか』だって言うもんだからさぁ。じゃあ、純粋で清らかな子が、どんなパンツ履いてるのか気になっちゃって、いつもの奈緒にやる調子でやっちゃったのよ。ホントごめんね」


この言い様だと、奈緒さん……相当、馬鹿電波にスカートめくられ捲くってんだな。


って事は、奈緒さん。

学校内でのクールで、人を寄せ付けない感じはもぉ辞めたんだな。



「もう良いですよ。それに履いてるパンツなんて、どこにでもある様な普通のものですよ」

「だよね。……普通に考えても、幾ら清らかでも、葉っぱとかじゃないよね」


葉っぱ付けて歩く馬鹿が、何所に居るんだよ!!


あぁけど、これで千尋の新密度・好感度は共にUPだな。

なので此処は1つ、一応は特殊イベント・クリアーって事で……

(↑ゲーム感覚な俺(ロースト・ビッチ))



「あぁ、それと素直ちゃんも、ありがとう。……でもね、私なんかの為に、樫田さんに酷い事を言っちゃうのは、ちょっと違うと思うの。そこは素直に謝ろ」


正気に戻った眞子は、今世紀最大の偽善者でござるよ。


何所からでも『好感度UP』を狙ってますじゃ。



「でも……」

「うん。今は納得出来無いとは思うんだけど。素直ちゃんが、樫田さんに言った事を、素直ちゃん自身が言われたら、どう思う?……嫌でしょ。だったら、悪い事は直ぐに悪いと認めて、素直に謝った方が、お互い気持ちもスッキリするんじゃないかな?私は、そう思うよ?」


うむ、自分で言うのもなんだが、完璧だな。


今は、女だから『ミス・クルーグマン』と呼ぶが良いぞ。



「そう……ですよね。だったら僕、謝りますね。……樫田さん、酷い事を言って、ごめんなさい」

「えっ?あぁ、うん。私は、こう言うの慣れてるから、全然平気だよ。……ってか、根本的な部分で、自業自得だしね」

「そぉ~~だよ。ロクでもない事したアンタが一番悪いの。だから罰として、アンタの夕飯は椎茸だけね」

「はぇ?椎茸だけ?……いっ、嫌よぉ~~~!!私も肉食べたいもん。ねぇねぇ、助けて眞子ちゃ~~~ん。鬼ババァの奈緒が虐めるぅ~~~」


なんで俺やねん?


面倒臭いなぁもぉ。


眞子の人格は、まだ慣れてねぇから、やるだけでも、結構、疲れるんだぞ!!

それに年上のオマエが、年下の田舎者設定の女に変に頼るんじゃありませんよ、この毒電波!!


こういう時こそ、自分の放つ毒電波で、なんとかしやがれつぅの!!



「この欲豚、また鬼ババァって言ったな……」

「あの、奈緒さん、怒らないで。それよりも、私のお肉を、樫田さんに差し上げたいんですけど。それは良いですか?」

「うんうん、やっぱ眞子ちゃんは神だよ神!!素直の言う通り、眞子ちゃん優しいね」


天使から、神になっとる……

ワシの存在レベルは、何所まで急上昇すれば気が済むんじゃ?


『神レベル』の眞子。

『馬鹿扱い』の真琴。


なにこの差?



「もぉ。じゃあ、しょうがないから、眞子に免じて3枚だけならあげて良いよ。勝手に取らすと、コイツが全部パクパク食べちゃうからね」


えぇ~~~、そんなに喰うのかコイツ?


こりゃあ、毒電波送受信するのにも、多大なカロリーを消費するみたいだな。



「3枚って……そんなんじゃ、速攻、無くなっちゃうんですけど?」

「じゃあ、他の誰かに頼めば?」

「あっ、あの、向井さん。差し出がましいかもしれませんけど。僕も、樫田さんに、3枚あげて良いですか?」

「素直~~~、ありがとう。奈緒の冷血鬼ババァに、空腹で殺されるところだったよ」

「誰が冷血鬼ババァよ。折角、私もあげようと思ったのに」

「あっ……鬼ババァだと思ったら、仮面が取れて女神様だったみたい。変装して、私に試練を与えてたんだね。もぉ、奈緒ったら、人が悪いんだからぁ~♪」

「ねぇ、千尋。……その話、ドンだけ都合が良いのよ」


ホントッスね。



「おや、なんですか?試練を乗り越えた私に、ご信託ですか、奈緒様?」

「あっそ。じゃあ、ご信託。3枚あげるから、そのまま『生』で喰え」

「へっ?」

「……ほら、私が食べさせてあげるからさ、さっさと『生』で食べなさいよ」

「ちょっと、ちょっと、それって、奈緒の主食じゃん。鬼ババァの」

「オマエは、全部、生で喰え。……若しくは、椎茸を除いて、ご飯抜き」

「椎茸のみ?……あぁ、ごめん、嘘。お腹空いたから、ちゃんと食べさせてよ。奈緒おねぇ様ぁ~~」

「もぉ……勝手にすれば……」

「うん、言われなくても勝手にする。……じゃあ、みんなで仲良く、一緒にご飯食べよ、食べよ。これ、全部、鬼ババァの奢りだから」

「この欲豚だけは……」


奈緒さんを完全に呆れさせた千尋が、その場を仕切って夕飯がスタートした。


***


 ……開始から30分。


樫田千尋は、その場を終始し支配し。

物凄く手際良く、出来立ての鍋の具材を各々の小皿に盛って行く。


その手際の良さは『鍋奉行』の称号を与えたくなる程のものだった。


そんな風に千尋によって小分けにされた具材を、各々が自分のペースで食べて行くんだが……

今日1日の出来事で、変に『神聖化』されてしまった俺は、いつもみたいにガツガツと下品に飯を喰う訳にも行かず。

箸で取れる食材の量を究極にまで抑え込んで、物凄く上品に飯を食う羽目になった。


(;´д`)トホホ……


しかもな。

この眞子って体は、飯をあまり受け付けない、異様なまでに小食に設定されてるもんだからよ。

普段の俺の喰う量から考えたら、全く理解出来無いような食の細さでな。

ちょっと食べただけで、満腹中枢が満たされて、直ぐに、なにも食べれなくなっちまったんだよな。


こんなにも美味しい奈緒飯が……


(;´д`)ダブルでトホホ……



んで奈緒さんと、素直も、現体型を維持する為に、そんなに食べる量は多くない。


だが……一匹だけ、食べるペースが速い欲豚は、次元の違う喰いっぷりを見せ付けてくる。

鍋に残っている食材を、たった1人で、もりもりと平らげて行く。


……にしても、コイツ、ホント気持ち良いぐらいよく食うよな。

体全体が胃だけで構成されてるんじゃないかと、勘違いしてしまいそうな勢いだ。

そんで、その体型を維持出来るって事は……ヤッパ怪電波の送受信には、相当量のカロリーが必要なんだと確信するしかなかった。


宇宙から来た『高性能衛星受信型電波欲豚』ってのも、結構、大変なもんなんだな。



……ってな感じでだ。

夕飯の箸も進んで、宴も、たけなわになって行った。

同時に、なにかを思い出した様に奈緒さんが、不意に1度台所に立って行き。

戻って来た時には、奈緒さんと共に、俺のお待ちかねの『ビール』が登場する!!


やった!!晩酌じゃ!!



いや……って言うのもな。

今まで夕飯を食べてる間は、アルコール抜きの、ただのジュースだったんじゃもん。


こんなんじゃ、みんなで鍋突いてるのに物足りねぇじゃん。


……ってな、理由でですなぁ。

オィちゃんは、ビールが飲みたい訳でおじゃるよ。


『未成年の飲酒は堅く禁じられています。未成年の飲酒を推奨するものではありません』

……っと、建前上、一応は言っておこうかのぉ。


未成年は、軽々しく、お酒なんか飲んじゃダメじゃぞ。



……って事で、奈緒さん、早くプリーズ・プリーズ。

(↑欲豚)




だが、この後、俺が予想もしなかった展開が待ち構えていた。


思った以上に事態は、急転直下に最悪な方向へ進んで行く……



まぁ、なんて言っても。

この辺は、いつもの事過ぎて、もぉ慣れ切ってるんだけどな。



あぁ因み、最後に一点。


最初に言った。『身に沁みたよ。世の中には、知らなくて良い事ってのが、本当にあるもんなんだな』って……あれ。


実は【女の子の大変さ】の話なんだよ。

あんな面倒な事を、毎日、毎回やってる女子達ってのは、ホント凄いと思うよ。

心が男のままの俺にとっちゃあ『悪夢』だとしか表現出来ないって訳だ。


だから良いか、気楽に生きてる野郎共。

エロイ目で女子を見る暇があったら、ちょっとは女子偉大さを知り、ちゃんと尊敬の念をもって接するんだぞ。


女子達は、オマエ等の知らない所でめっちゃ苦労してるんだからな。


良いな、マジで尊敬しろよ。



っとまぁ今回は、そんな話だったんじゃよ。


じゃあ、みんな、また次回逢おうねぇ~~~♪


倉津真琴でした♪バイバ~~~イ♪

(↑俺なりのサービスのつもり(笑))


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


女性ならではの所作、女性同士の独特の絡み方、などを知りながらも。

徐々にその空気を読みつつある倉津君でしたが……やっぱ、元男性である倉津君には、中々大変そうですね(笑)


そして、そんな中、奈緒さんが持ち込んで来たのは「ビール」!!


晩酌大好きな倉津君は、このビールにありつけるのか!!

……は、次話から始まる第二十四話『女子会(男と女)』にての講釈。


そんな感じで、また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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