●前回のおさらい●
眞子と真菜ちゃんが出掛けてる間に、ほぼ招集した人達が集まって来てくれて、テンヤワンヤに成る倉津君。
それでも、奈緒さんの手伝いもあり。
なんとか準備が整って、ゆったりしていたら奈緒グリのエディさんが……
「HI」
「あぁ、ウッス。……えぇっと、アンタは確か?」
勿論、相手が誰だかは知ってるんだけどな。
ほらでも、一応、こうやって知らねぇ様な顔をしていた方が、なにかと無難だろ。
そうした方が、俺のこの反応に対して、自分から自己紹介してくれる可能性が高いしな。
だから、それが目的でちょっと惚けてみた。
「あぁ、初めましてに成るんだね。僕はエディ=ヤング。君の友達の奈緒とは、同じバンドでキーボードを担当させて貰ってる。今日は、お招き有難うね」
おっ、合ってたか。
まぁ流石に【奈緒グリ】のメンバーの顔ぐらいは憶えてるから、間違え様はないんだけどな。
一応な一応。
「あぁ、とんでもねぇッスよ。忙しい中、ワザワザ足を運んで貰って申し訳ないッスね」
「いやいや、お気になさらずに。所で、君が鞍馬の親戚の真琴君で良いのかな?」
「あぁ、自己紹介もせず、重ね重ね申し訳ないッス。そうッスよ」
「そうかい。そんじゃあまずは、ヨロシクと言う事で」
そう言って、矢鱈滅多らデカイ手を、俺に向って差し伸べてきた。
まぁこれって、左手を出してねぇって事は友好的な握手って認識で良いんだよな?
(↑左手の握手は、喧嘩をしたい時の合図)
だとしたら。
このアンちゃんも、有名なのを傘に着せない、なんか感じの良いアンちゃんって事だな。
まぁまぁ、今まで逢って来たGUILDの連中って、感じの悪い奴が1人も居ないから、これが既にデフォルトなんだろうな。
そう思ったので、握手を求めてきたエディの手を握り、ガッツリ握手する。
「あぁっと、コチラこそ、宜しくッス」
「ハハッ、君、なんか良い感じだね」
「でしょ、でしょエド。気に入った?この兄貴君はね。本当に凄いんだよ。この若さにして、神奈川じゃ、かなり有名なベーシストなんだからね」
「へぇ~~~、そうなのかい?そりゃあ是非とも1度は競演したいものだね」
いやいやいやいや、なにを仰いますやら。
俺なんて、その辺に転がってる様な、ただのド底辺のベーシストッスよ。
しかもッスな。
この間まで1年間もガッツリ昏睡してたんで、その下手糞な腕でさえ、余計に鈍って、まさに鈍ら(なまくら)ベーシスト。
ただのショボ蔵でござんすよ。
天下に名を轟かせてる【奈緒グリ】のエディと競演出来る程の腕なんざ、何所にも持ち合わせて居ねぇッスよ。
「あぁ、それ、名案かも。あたしも、一度エドと兄貴君の2人の競演を見てみたいなぁ」
「イヤイヤ、美樹さん。あんま無茶な事を言わんで下さいよ。俺みたいな雑魚と競演なんかしたってツマンネェだけッスよ」
「なんで?そんな事ないって。兄貴君のベースは、いつ聞いても最高じゃない。あたしは好きだけどなぁ」
「へぇ~~~、美樹、やけに絶賛するんだね。彼は、そんなに上手いのかい?」
「上手いって物じゃないよ。あたし、初めて兄貴君のベースを聞いた時には、体が『ビクッ!!』って震えて、一瞬にしてファンになっちゃったぐらいだからね。並じゃないよ」
いやいやいやいや、美樹さん。
ホント、そんなおかしな事を言って煽るのもヤメテ下さいよ。
大体にしてッスね。
それは、ただの気のせいッスよ。
俺の演奏なんて、いつも、なにからなにまで超適当ッスからね。
現にこの間の文化祭の時も、毎度毎度の意識を飛ばして演奏をしちまったら『無責任だ』って、眞子の奴に、こっぴどく怒られちまった処ッスから。
所詮は、評価にも値しない様な日本一の無責任男なんッスよ。
「へぇ~~~、美樹が、それ程までに嵌るとはね。そりゃあ尚更、一緒に演奏してみたいもんだね」
「イヤイヤイヤイヤ、ちょっと待ってくれ。俺は、美樹さんが言う程、そんなに上手くねぇからな。変に期待せんでくれ」
「うん?なんだい?美樹が評価してるのに、なんで、そんなに謙遜するんだい?美樹が、他人を褒めてるんだから、相当な腕前だと思うんだけどなぁ」
「いやいや、全然、相当じゃねぇからな。俺は、その辺の何所にでも転がってる様な、ただの雑魚と同じだから。現に、此処に居る面子の中じゃ、俺が一番下手糞だからな」
そりゃあ『楽器を弾かない』若しくは『弾けない』連中よりかは幾分マッシだろうけどもだ。
音楽に携わってる奴等や、バンドを組んでる奴等。
それにユニットを組んでる奴等なんかから比べたら、まさに雑魚の領域。
自慢じゃねぇッスけど、あっしなんかじゃ、誰にも勝てる気すらしやせんぜ。
それに、あっしはね。
此処に居る連中の中じゃ、唯一の素人でござんすから。
下手に美樹さんの口車に乗って、マジで変に期待しちゃあいけやせんぜ。
「そっ、そうなのかい?」
「エドエド。騙されちゃダメだって。兄貴君はね。いつもこうやって、無駄に謙遜するんだから。話を真に受けて聞いちゃダメだって」
謙遜なんか、なに1つもしてないちゅうの!!
今、俺が心で思ってる事は、ただの事実であって、まごう事無き真実ッスよ。
……って言うか。
一回でも良いから、実力があって謙遜してみてぇわ!!
切ねぇわ!!
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>
倉津君の演奏技術は、本人が言うほど未熟なものじゃないんですけどね。
どうしても、周りの出来る人間と比べてしまったり。
一年間の昏睡(設定上)が気に成ってるのかして、どうしても自身に自信が持てきれずに謙遜してるみたいですね(笑)
まぁでも、この辺は、バンドを続けていれば、なんかの拍子に解消されるかもしれませんので。
取り敢えずは、放置して置きましょう(笑)
さてさて、そんな中。
この会話から次回は、どの様な派生を見せるのか?
その辺を次回は書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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