第一章・第四十六話【Muddled consciousness(混濁意識)】が始まるよぉ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
今回は、少し精神的なホラーテイストが入りますです(笑)
046【Muddled consciousness(混濁意識)】
『私の身になにが起こっているんだろうか?私は……今、何所で、なにをしているんだろうか?』
あの意識が混濁して、意識を失ってしまった後……私は、酷く視界の悪い状況の中に居た。
眼前に広がるものは、ただ只管、無限に霧掛かった様な靄(もや)だけしか見えない。
そして……何所も彼処も『真っ白で殺風景な風景』
それ故に私が捉えら切れている視界の範囲と言うのは、恐らく、自分の視線から50cmぐらいが良いところだろうか。
『周りがほぼ見えない様な状態で、目隠しで道を歩いてるのに等しいぐらい、私にはなにも見えていない』
けど、この無作為に、何かの上を歩き続けていると言う行為が、意外にも功を奏し。
その何かを踏みしめる足の感覚だけは、ハッキリと足から、体や、脳に伝わってきている。
だから、地を歩く自分の足が存在する事だけは確実だと思える。
勿論、この視界の悪さの中では、私の眼からでは自分の下半身ですら見えてはいない……
だから本来は『確実』と言うには程遠い状態なので、事実だけ言えば、それすらも確証はなにも無いのかもしれない。
こうなってしまうと、全てが『五感』だけが頼りの様だ。
……そんな酷く困窮した状態中、私は何故か、いつまでも歩を休める事も無く。
行く宛も無い筈なのに、ただ只管にフラフラと歩き、この永遠に抜け出せない様な『霧の迷宮』を彷徨い続けている。
一体、この場所は何所で、私は、何を目標にして、こうやって歩き続けているのだろうか?
それに……歩き続ける事によって、この奇妙で、現実離れした状況が、何かの拍子に一転する事など有り得るのだろうか?
そんな疑問を抱えても、相応する解答が見つからないまま……結局は、なんの目的もなく……ただただ只管に歩き続けている。
それでも、そんな中にあっても私は、何故そう思えるのかは解らないんだけど『自分が死んだ』と言う感覚だけは持ち合わせていない。
此処が何所であろうと、自分が存在している事だけは100%認識出来ている。
いや……実際は、そう思い込んでるだけなのかも知れない。
でも、殆ど、なにも見えなくても『最低限度の視界』は確保しているから視覚は生きている。
何所を歩いてるのかは解らないけど……確かに『なにかを踏みつけている』足の感覚も存在している。
それになにより……時折、何所からとも無く聞こえて来る、なんとも言えない様なクグモッタ奇妙な声。
これにより、先に言った2つの感覚に付け加え『聴覚も生きている』事が認識出来ている。
私自身が『生を確認』を出来る物は、たった、この3つしか無いけど。
それでも、これを体全体で感じている以上『私は生きている』っと言う事だけは、せめて確実だと思いたい。
……いや、正確には、矢張り『生きていたい』っと、心の中で思い込みたいだけなのかも知れない。
でも、そんな都合の良い確証は、ホントはなにも存在しない。
……それに、ただ、それを信じて縋りたいからこそ、こうやって『出口の無い迷路を彷徨ってる』に過ぎないのかも知れない。
だけど、どうして、こんな事になってしまったのだろう?
確かに、私は『この世に存在すべき人間』じゃないのかも知れない。
倉津真琴と言う存在を消してまで存在している、生き意地が汚くも卑しい存在……それが私、向井眞子なのだから。
本来は、此処にすら居るべき筈の無い存在。
……誰からも認められざる存在。
だからと言って、何故、こんな酷い目に遭わなければイケナイのかは解らない。
私は自認する訳ではないけど、元の姿であった倉津真琴よりは、十分に世の中の役に立つ人間だとは思う。
アイツの様に……そぉ、アイツの様に!!
今までも……それに、これからの将来的にも……『他人に迷惑を掛け続けるだけの様な酷い存在』では無いと思う。
確かに私も、アイツ同様に、他人に迷惑をかける存在な部分はあるかもしれない。
口が裂けても、私が『他人に迷惑をかけない存在』だとは言い切れない。
でも、それでも、私と、アイツの存在の価値を比べれば、確実にとまでは言え無いけど、私の方がズッと価値のある人間だと思う。
私はアイツとは違い。
この姿に成ってからと言うもの、人並み以上に勉強も頑張った。
楽器の演奏に関しても、今まで以上に頑張って、日本でも全米でも少しは認めて貰える様な存在になった。
そしてなにより、社会のルールを守る事も憶えたし、それに付随してTPOを弁えた身嗜みの整え方もキッチリ憶えた。
なのに私は……こんなにも倉津真琴より世間に必要とされている人間の筈なのに、こんな目に遭っている。
本当に何故なんだろうか?
何故私が、こんな目に遭わなければいけないのだろうか?
私は、自らの意思で『向井眞子』として生きる事を選んだと言うのに……何所まで行っても、神の意思に反した『認められざる存在』でしかないのであろうか。
なにも答えが見つからないまま……私は、そんな事を考えながら、ただただ只管に歩き続ける。
『物事とは、こうやって始まりがある以上、必ずしも終わりがある筈なのだから……最後にゴールが存在しない筈がない』
私は、そう信じて、歩き続けた。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
……っとまぁ、こんな感じで【少々精神に来るホラーテイスト】で始まった第一章・第四十六話【Muddled consciousness(混濁意識)】なのですが、如何でしたでしょうか?
正直言って、前回の最後から考えても『なにが起こってるんだ、これは?』って感じに成ってしまうとは思うのですが。
察しの良い方なら、もぉこの時点で『眞子が、どこを歩き続けているのか?』気付いた方も居られるのではないかと思いますです。
そぉ……意識を失った後に行きそうな場所と言えば、俗世間一般で言う『あそこ』しかありませんよね。
さてさて、そんな、どうやっても抜け出せない困窮した世界の中。
果たして眞子は、このどうにもならない様な状況を打破する事が出来るのか?
そして、時折聞こえてくる『くぐもった様な声の正体』とは一体、なんなのか?
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また、この少しホラーテイストなお話にお付き合い下さいですぅ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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